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家庭動物等の飼養及び保管に関する基準改正に対する要望書

家庭動物等の飼養及び保管に関する基準の見直しが検討されていることを受け、PEACEとして環境省に対して以下の要望書を送付しました。(2013.5.19掲載)


平成25(2013)年5月1日

環境省自然環境局総務課
動物愛護管理室 御中

「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」の改正に際しての要望事項

「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」の改正にあたり、以下の点を要望いたします。ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

第1 一般原則

●動物の福祉が保たれない状態での「終生飼養」は、虐待(ネグレクト)です。単に終生飼養とするのみではなく、新たに法第1条に盛り込まれた「健康及び安全」を保持しつつ終生飼養する責務があることを、基準の一般原則に盛り込んでください。

●1項の「命あるもの」との表現は、裏を返せば「命さえあればよい」劣悪飼育につながる危険性を秘めています。動物に命あることだけではなく、感覚ある存在であり、健康・安全を守るべき存在であることを追記してください。

●4項の「特に、家畜化されていない野生動物等については……慎重に検討すること」の部分については、国の定める「生物多様性国家戦略2012-2020」の中に、「家畜化されていない野生由来の動物の飼養については、動物の本能、習性及び生理・生態に即した適正な飼養の確保が一般的に困難なことから、限定的であるべきです。」(194 ページ)との記述があります。家庭動物等の飼養保管基準もこの記述に表現を合わせ、野生動物等の適正な飼養の確保は一般的に困難であり、飼育は本来望ましくない旨を明記し、整合性があることを明確にするべきだと思います。
 また、特定動物やそれに準ずる動物についても、家庭動物としての飼育は望ましくない旨を追加してください。

 
第3 共通基準

●みだりに恐怖を与えないこと、脅かしたりしないことをぜひ盛り込んでください。インターネットなどでは、動物がおびえるようになることを楽しんでいる記述などもみられ、虐待に準ずる行為だと思います。また、恐怖を与えることは、動物の人との関係も悪化させ、健康を脅かすことにもつながります。驚いたことで逸走につながる場合もあります。

●できる限り行動に自由を与えられるような飼養環境で飼育するものとしてください。また、「必要な運動」ではなく、「十分な運動」を与えるものとしてください。

●「第4 犬の飼養及び保管に関する基準」と「第5 ねこの飼養及び保管に関する基準」には、やむを得ず継続して飼養することができなくなった場合の記載がありますが、共通基準にはなく、そのほかの動物についても、飼育できなくなった場合は、遺棄や放置をするのではなく、新たな飼養者を探す旨を定めてください。

●また、譲り渡しの際には、必ず次の飼養者の適正を見極め、十分な情報提供を行うことを定めてください。

●新たに動物虐待とされた項目の中に、死体が放置された場所での飼育があります。また、動物取扱業には含められませんでしたが、動物葬送業者の遺体の取り扱いについても議論がありました。動物が亡くなった際には、死体を放置などはせず、適切に処置し、亡くなった動物の所有者等の心情にも配慮すべきことを盛り込んでください。
 また、その際、死亡の確認は必ず行うものとしてください。生きたまま火葬を依頼した飼い主の事例がありました。

●動物の健康安全の保持以外の目的でなされる外科的処置(断耳・断尾など)はのぞましくない旨を盛り込んでください。

 
第4 犬の飼養及び保管に関する基準

●2項、犬を「けい留する場合には」とありますが、単に「犬をつなぐ場合には」とすることはできないでしょうか。一般の飼い主は使わない言葉になってきています。

●また、つなぎ飼いが一生になっているケースが多々みうけられますので、つないだままの飼育は望ましくないことを書き添えてください。

●犬には必ず毎日、散歩などの運動が十分に必要であることを明記してください。

 
第5 猫の飼養及び保管に関する基準

●自己の所有しない猫に給餌等世話をする場合についても、必ず繁殖制限を講ずべきことを盛り込んでください。現在の繁殖制限に関する記述は「所有者」となっていますが、所有者ではない人が繁殖制限をせず餌やりをして、不幸な子猫を生み出しているケースが多いのは、周知のとおりです。

 
第6 学校、福祉施設等における飼養及び保管

●学校での動物の飼育は、本来業務の片手間に行われているものであり、動物に目が行き届かず、季節ごとの暑さ寒さ対策もできず、更に夏休みや冬休みなど長期休暇中の十分な世話は困難であるなど、本基準に合致した条件での飼育は難しいため、本来は望ましくない旨を明記すべきと考えます。

●やむを得ず動物を飼養することとなった場合、飼育管理の責任者がだれであるかを必ず明確にすることとしてください。

●また、餌代等はもとより、傷病が発生した場合の治療費まで含め、予算措置が十分であることを確認したうえで飼養を行うものとしてください。

●種の選定だけではなく、動物の数についても考慮すべき項目としてください。

以上

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