獣医学部教育で用いられるシミュレーター

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2017年、加計学園の獣医学部新設問題を巡り、文部科学省の学部設置認可資料に「縫いぐるみ」を使うと書かれていることを揶揄するような報道がありました。

しかし、実際の資料をあたると、「縫いぐるみ」を使用することが書かれていたのは「獣医療面接実習」でした。病気の動物をつれてくる飼い主とどう対応するかの事前訓練ですから、実際の動物は必ずしも要りません。

またもう1カ所、人獣共通感染症学実習のバイオセーフティの安全管理手技習得のところにも「縫いぐるみ」とありました。これも管理の手順や施設の利用法を学ぶものなので、縫いぐるみで十分です。

しかし、手技訓練用のシミュレーターすべてを単なる縫いぐるみと誤解させるようなツイートがなされ、多くの人がそのような勘違いをもとに反応していました。

また国会議員も「シミュレーションで済むんですか。では、お医者さんは人体解剖をせずに手術してもいいということですか、それは。おかしな話でしょう、それは」などと堂々と国会で質問しており、そのような誤解がまん延していることにより実害が生じかねないと感じました。(11月15日衆議院文部科学委員会、社民党 吉川元議員)

これは、現実のシミュレーターがどのようなものなのか知らないところからくる無理解ではないでしょうか。動画で見れば現在の獣医学教育において、むしろシミュレーターが必須である理由がわかるのではないかと思い、YouTubeからイメージがわきやすいものを幾つか拾って紹介したツイートをこちらのページにまとめました。

当たり前のことですが、医者になるために学生に人間を殺させることはしていません。人体解剖は自然死した人間の遺体(献体)を用います。一方、動物は無慈悲に切り裂かれ殺されています。動物も、死体の利用と、実際の患畜を診る臨床実習で教育し、シミュレーターや代替ツール類も活用するという形に移行していくべきでしょう。

シミュレーターには、いつでも繰り返し訓練できる(動物は一度きり)、衛生面やホルマリンの有害性などを気にすることなく訓練に特化できる、などのメリットがあります。

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