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輸入サルの飼育施設の指定基準パブコメに意見を提出

2013.7.21

感染症法によって、いわゆるペットとしての霊長類の輸入は禁止されています。動物実験目的や展示目的であれば輸入することはできますが、輸入サルを飼育する施設は事前に指定を受けなければなりません。

その指定の際の審査基準について、改正案のパブリックコメントが行われており、以下の意見を提出しました。

参考:
arrow厚生労働省:輸入サルの飼育施設の指定基準等について
arrow「輸入サルを飼育する感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第54条第1号の輸入禁止地域等を定める省令に基づく指定の審査基準等の改正案」に関する意見募集について


<意見1>
申請書に添付しなければならない書類に以下のものを追加するべき。

a) 展示業にあっては、動物取扱業登録証の写し。(2013年9月1日以降は、第一種動物取扱業となるので、その登録を受けていることを証明する登録証の写し)

b)「動物の愛護及び管理に関する法律」のもとで特定動物に指定されているサルについては、特定動物飼養・保管許可証の写し。

c)「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」のもとで特定外来生物に指定されているサルについては、特定外来生物飼養等許可証の写し。

d)災害時の対応マニュアル等の写し。

理由:
a) 動物取扱業に関して:
動物愛護管理法のもとで、動物取扱業者に対しては遵守すべき基準(細目)が定められており、サルの輸入ができるのは、この登録を受けた事業者のみとするべきである。非営利の動物公園を中心に、現時点で動物取扱業の登録を受けていない展示施設がある(例:横浜市立野毛山動物園など)。サルは倫理的にも取り扱いに慎重さが求められる動物であり、輸入は動物取扱業の規制を受けている展示施設に限定されるべき。(9月1日の改正動物愛護法の施行以降は、第一種動物取扱業に限定されるべき。)

b・c)特定動物・特定外来生物に関して:
飼育が許可制となっているサルに関しては、最低限、関連法令が遵守されていることを確認するべき。
特定動物は人の身体に危害を加える危険性のある動物であり、噛んだりひっかいたりすることによって、人に感染症をうつす可能性がある。また特定外来種のサルは、生態系に放たれたときにニホンザルとの交雑等が懸念されており、野生のニホンザルなどに感染症を広める可能性を持っている。ひいては人への感染についても危険性があるということである。
感染症法の目的とするところと無関係でない以上、特定動物及び特定外来生物については、飼育許可を得ていることを事前に確認するべき。

d)災害時の対応マニュアル等について:
災害時にどのような対応をするか、事前にマニュアル等が定められていることを条件とすべきであり、その確認として書類の提出も求める。

<意見2>
実際に施設を訪問して立入検査ができるよう、「第1 指定の申請」の3で「(中略)実地に帳簿その他の書類を検査させるものとする。」とされている部分を、「(中略)実地に帳簿その他の書類及び施設を検査させるものとする。」とするべき。(施設を検査対象として追加する。)

理由:
内部告発などの理由で衛生管理・飼育管理に疑念が生じた場合、書類に対して実際がどうなのか、現地調査ができるようにしておくべきである。書類の検査のみでは不十分。

<意見3>
「第2 飼育施設及び申請者の能力」の「1 飼育施設の能力に係る基準」に以下の項目を追加する。

・飼育される輸入サルの健康及び安全が保持され、習性等にあった飼養ができるような構造及び広さを有するものであること。

理由:
サルは倫理的にも取り扱いに慎重さが求められる動物であり、動物福祉に関する規定がないのは問題である。国際的にも理解されないのではないか。

<意見4>
「2 申請者の能力に係る基準」に関し、以下の修正・追加を行う。

・(1)を、「業として行われる試験若しくは研究又は展示を的確に行うに足りる知識及び技能を有し、教育訓練を定期的に行っていること。」とする。(教育訓練に関する規定を追加する)

・「飼養管理に必要な人員数が確保され、適正に配置されていること。」を追加する。

・「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準又は展示動物の飼養及び保管に関する基準が遵守されていること。」を追加する。

・「災害時の対応マニュアル等が定められており、従業員に周知が行われていること」を追加する。

理由:
サルは倫理的にも取り扱いに慎重さが求められる動物であり、最低限、教育訓練と基準の遵守については盛り込むべき。また、動物園はもちろん、動物実験施設においても、サルの数に対して人員数が明らかに少ないと思われる施設が存在する(例:滋賀医科大学など)。そういった施設は指定の対象から除外されるべきである。
また、災害時にどういった対応をするか定められていることを、指定の必須条件とするべきである。

<意見5>
「3 欠格条項」に「動物の愛護及び管理に関する法律又はこれに基づく処分に違反し、懲役又は罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」、「動物取扱業の登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者」を追加する。

理由:
最低限、動物虐待が行われていないことを担保するべき。また、動物取扱業の登録が適切に行われていることを担保するべき。

以上

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