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機能性表示食品の届出と動物実験

機能性表示食品の制度発足時にブログに概略を掲載しましたが、その補足情報です。

機能性表示食品は、国の許可を受けて機能性を表示しているトクホとは違い、あくまで事業者の責任において機能性が表示されている商品になります。(トクホの動物実験についてはこちら

icon 機能性表示食品の動物実験は、ここでチェック!

消費者庁のサイトに各企業が提出した商品ごとの情報が掲載されています。下記のページから「届出詳細内容」のページに入ってください。動物実験の概要については、「安全性情報」の欄のPDFに掲載されています。

動物実験については、既存の論文等の検索情報を使っている場合もあり、そういう場合は届出をした企業が新たに動物実験を行ったものではありません。しかし、元論文自体が自社や原料メーカーの研究員によるものであることも多いので注意が必要です。

また社内報告書などの実施データが根拠の場合、それらの情報については非公開となるそうです。(概要のみの公開)

例えば、下記のような例があります。

  • 商品名「PDFアサヒ 凹茶(ぼこちゃ) 」(アサヒ飲料):
    小核試験、単回強制経口投与試験、反復強制経口投与試験、反復混餌投与試験の試験結果があるように書かれているが、出典となっている論文の著者の所属は全て、同製品の届出を行っているアサヒ飲料の研究所。
  • 商品名「PDF葛の花配合大麦青汁T」(東洋新薬):
    動物を用いた急性毒性試験、亜慢性毒性試験、遺伝毒性試験、子宮肥大試験のデータを挙げており、出典として示されている論文の筆頭著者の所属は全て、同製品の届出を行っている株式会社東洋新薬。
  • 商品名「PDF快眠サプリ」(オリヒロ):
    28日間反復投与毒性試験(ラット)について、原料供給元の社内データを挙げている。機能性関与成分はL-テアニンで、原料供給元である太陽化学株式会社。動物実験の実施は、(株)バイオリサーチセンターです。

本来、食品には人間が食べてきた長い間の経験があり、販売するのに動物実験は必要ありません。わざわざ機能性をうたうために動物実験が新たにされていないかどうかチェックし、メーカーにも声を伝えていきましょう。

icon どのような形で動物実験が求められているか

消費者庁は、機能性表示食品の届出において動物実験の実施を必須とはしていないと言っており、機能性についてはヒトデータのみの提出となっていますが、安全性については「既存情報では安全性が十分に評価できない場合は、原則として」動物実験を求める形になっています。

具体的には、消費者庁食品表示企画課長通知「PDF機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」(平成28年3月31日付け消食表第234号)の「Ⅳ資料作製に当たっての考え方(Ⅱ)安全性に係る事項」に下記のとおり記載されています。

第2 安全性試験に関する評価方法

2.安全性試験の実施による評価
安全性試験による既存情報では安全性が十分に評価できない場合は、原則として、以下の試験を実施する。

(1)in vitro試験及びin vivo試験
方法、結果、考察については、別紙様式(Ⅱ)-1⑥に記載する。

① 試験方法
PDF錠剤、カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン」(平成17年2月1日付け食安発第0201003号別添2 別紙STEP7)を参照し、安全性試験を実施する。

② 留意事項
ア 海外で実施された研究については、試験実施者又は筆頭著者の所属する機関の国名を記載する。
イ 実施した試験ごとに方法、結果、考察を簡潔に記載する。

※「安全性試験の実施による評価」に関する報告資料として、動物実験については、試験方法、結果、考察が明記された報告資料を添付することになっているが、この試験が文献として公表されている場合には、参考文献名を記載し、届出の際に添付する必要はない。

そして、上記の「別紙STEP7」には、下記のように書かれています。

基原材料あるいは原材料を用いた安全性試験を実施する。*12, *13 本来は、「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」等を参考にし、標準的な方法で実施すべきであるが、反復経口投与毒性試験(90日間以上が望ましい)、in vitro遺伝毒性試験等をまず行い、この結果のみで影響が判断できない場合には、長期毒性試験、in vivo遺伝毒性試験等を実施し評価する。

*12 「医薬品の安全性試験の実施に関する基準」等、適切なGLP(Good Laboratory Practice)に基づき実施する。また、安全性試験の結果は学術論文やホ-ムペ-ジ等に公表し、開示すること。
*13 単一化合物の場合には当該化合物と同等性があるものでの安全性試験成績でも可。「同等」とは次のものがすべて一致している場合をいう。1. 基原、2. 製法、3. 純度。また、最終製品と同等の配合割合をもつ原材料混合物を用いた安全性試験でも可。ただし、この場合、単一原材料の安全性試験とはみなさない。

icon 守るべき動物実験指針は、どれ?

第190回国会で提出された質問主意書の答弁書によれば、これらの動物実験を行う機関が守るべき国の動物実験指針は特に定められていないとのこと(!)。しかし、「厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」に定められた内容を踏まえることが望ましいとのことです。

また、これらの動物実験実施機関が実際に同指針を守っているかどうかを調査するべきは消費者庁とのことですが、実際にはそのような調査は行われていません。

●制定までの経過について

これまでのブログもご参照ください。

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