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労働衛生安全法に基づく動物実験

新しいスクリーニングフローが策定されるにあたり、
動物実験の削減を求める要望書を提出しました

2013.1.6 up
2013.5.2 追記

動物実験はさまざまな法律に関連して行われていますが、労働衛生安全法に基づいて国が行っている動物実験というものもあります。第五十七条の五に基づくもので、働く人が職場で使う化学物質について、その有害性を調べるために行われています。

昭和50年代からこれまでに47物質について評価が行われてきたそうですが、使用される化学物質の数が飛躍的に増加していることから、より多くの化学物質をスクリーニングにかけて迅速に評価・対策を行うため、新しい評価フローを決める作業が、去年秋から厚生労働省で行われてきました。この1月中にも、ほぼ内容は固まるようです。

新しいフローは、既存の知見の収集や構造活性相関などを活用する流れになっており、動物実験をする場合でも、今までに比べて使用数も少なく、また期間も短くなる場合があります。時代に即したものが目指されている反面、審議の経過を聞いている中では、やはり動物実験という古い手法への揺り戻しも感じられました。

また、スクリーニングの対象になる物質の数は7000物質です。どれだけの数の物質が動物実験を行うことになるかはわかりませんが、今後2つのワーキングチームで具体的な議論に入っていくとのことですので、念を入れて動物実験を繰り返すのではなく、最低限とした上で、人に対しては予防的に手厚く対策を立ててほしい旨を要望したいと考え、下記の内容を厚生労働省へ送付いたしました。

参考リンク

厚生労働省:平成24年度化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)

追記:
2月20日開催の第7回有害性評価小検討会で資料として配布されました。第7回有害性評価小検討会のページに、最終文書とともに掲載されています。


以下を要望しました。

平成25年(2013年)1月3日

厚生労働省労働基準局安全衛生部
化学物質対策課化学物質評価室 御中

職場で使用される化学物質の発がん性スクリーニングにおいて
動物実験の代替・削減の方針を明確に定めることを求める要望書

 私たちは、動物福祉に関心を寄せる市民グループとして、現在化学物質のリスク評価検討会有害性評価小検討会で検討されている発がん性スクリーニングの迅速化について、動物を用いる試験を最低限のものとする考え方を明確に盛り込んでほしいと考えています。動物実験の3Rの原則(代替、使用数の削減、苦痛の軽減)は、動物の愛護及び管理に関する法律にも定められているところであり、国際的には重要な課題となっています。スクリーニングのフローを定めるにあたり、動物実験の代替・削減は動物福祉上もメリットだということが明確にされ、今後の作業においても動物の利用が最低限のものとなっていくよう、以下、要望いたします。

<要望事項>
1.動物を用いる試験は最低限とする旨を明記し、それに従ったフロー図が策定されることを要望いたします。

「医薬品のがん原性試験に関するガイドライン」では、必要以上の動物が使用されないことが目的として掲げられており、本スクリーニングフローにおいても、同様の記述が明確になされることを要望します。ヒトと動物の間には種差もあり、またコスト・期間の面からも、動物実験を繰り返せばよいわけではない状況にあるかと思います。また、たとえば短期・中期発がん性試験で陽性となった物質は、既にその時点で対策が検討されるのであり、より予防的な考え方を採用することで長期試験を避けられるのではないでしょうか。代替法の積極的な採用を含め、動物実験を最低限とするフローの策定をよろしくお願いいたします。

2.新たに設置される発がん性スクリーニング実施のためのワーキンググループにおいても、必要以上の動物の使用がなされないことを目的の一つにおいた議論が進められることを要望いたします。

3.ワーキンググループの構成員には、構造活性相関を含め、代替試験法に詳しい専門家をぜひ加えてください。

4.予防的に疫学調査を行うなど、ヒトの知見の収集にも力を入れてください。

以上、議論も終盤となっての要望となり大変恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

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