横浜薬科大学に対する公開質問書

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大学評価において「基準に適合しない」とされた横浜薬科大学に対し、以下のとおり公開質問書を送付いたしました。大学基準協会の結果報告書の中で、動物実験に関しても「改善が望まれる」とされていたためです。

ブログにも経緯を掲載しました:
arrow 横浜薬科大学に公開質問書を送付しました

回答について:
arrow 6月17日付で回答をいただきました。詳細はこちら

外部リンク:
大学基準協会による評価結果


平成25年(2013年)4月8日

横浜薬科大学
学長 江崎 玲於奈 様

大学基準協会による大学評価と動物実験に関する公開質問書

 先般、貴大学が(財)大学基準協会による大学評価(認証評価)において、基準に適合していないと判定されたことを報道等で拝見いたしました。また、その評価結果に、動物実験について「改善が望まれる」と書かれていたことから、私たちは、人間のために犠牲となる動物たちの現状に心を痛め活動をしているグループとして、貴大学の実験動物福祉への取り組みに疑念を抱いているところです。

 また、評価結果では、貴学が「通常では薬剤師になれない学力の学生」を入学させていることが問題視されていました。学生の「学びたい」という意志を尊重することは重要だとは考えますが、一方で、動物を用いた実習・実験では、動物たちは命の犠牲を強いられます。活かされることのない専門教育のために動物の犠牲が続いている状況がもしあるとすれば、やはり問題だと感じざるを得ません。

 以上のことから、貴大学の動物実験の現状について事実確認をしたく、以下の通り質問いたします。

1)大学評価において「改善が望まれる」とされた点について

 大学基準協会の評価書では、臨床試験や動物実験に関して「教育・研究を遂行していくにあたり、遵守すべき倫理綱領と行動指針が定められていないため、改善が望まれる」とされています。貴大学の見解では、動物実験指針を公開したためこの部分には対応済みとのことですが、大学基準協会によれば、ここで言っているのは動物実験指針などの個別の指針のことではなく、教育・研究における基本的態度を定めた倫理綱領・行動指針がないことを指しているとのことです。

 臨床試験や動物実験においては、単に科学的不正がないことだけではなく、より高い倫理性が求められるのであり、教育・研究を行う者に対して、誠実かつ倫理的な行動を求める指針の策定は必須だと思われますが、これらの綱領・指針が存在しないことは事実でしょうか。

 また、実験動物の不適切な取り扱いを含め、教育・研究上、不適切と思われる行為があった場合には、貴大学ではどのように対処することが定められているでしょうか。

 綱領・指針が存在しない場合、この点を改善するにあたり、動物の利用に関してはどのような取り組みを取り入れるおつもりがあるか、その点についてもお考えをお聞かせください。

2)動物実験に関する自己点検及び評価について

 文部科学省の定める「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」(以下、文部科学省の動物実験指針)では、「定期的に、研究機関等における動物実験等の基本指針への適合性に関し、自ら点検及び評価を実施するとともに、当該点検及び評価の結果について、当該研究機関等以外の者による検証を実施することに努めること」との定めがあります。また、貴大学の「動物実験指針」においても、同様の定めがあります。

 貴大学では、動物実験に関し、この定期的な自己点検及び評価は行われていますでしょうか。
 行われている場合、内容はどのようなもので、頻度は毎年でしょうか。

3)情報公開について

 同じく文部科学省の動物実験指針では「動物実験等に関する情報(例:機関内規程、動物実験等に関する点検及び評価、当該研究機関等以外の者による検証の結果、実験動物の飼養及び保管の状況等)を、毎年1回程度、インターネットの利用、年報の配付その他の適切な方法により公表すること」としていますが、現在のところ、貴大学のウェブサイトには、点検及び評価や、外部検証の結果、実験動物の飼養及び保管の状況等についての情報はありません。

 また、貴大学の「動物実験指針」にも同様の定めがありますが、この指針の公開自体が、昨年、大学評価を受けた後であると貴大学より伺いましたので、少なくとも平成18年の指針施行以降、この情報公開に関する定めは守られてこなかったのではないかと疑っております。

 つきましては確認させていただきたいのですが、動物実験に関する定期的な自己点検結果及び毎年の情報については、貴大学では、どのような方法で情報公開をおこなってこられたでしょうか。動物実験指針が施行されて以降の公開内容について入手を希望しますが、写しをいただくことは可能でしょうか。また、今後は、ウェブサイトにて公開される予定でしょうか。

 ちなみに、動物実験を行っている全大学に対して文部科学省が行ったアンケート調査では、すべての大学が「情報公開を行っている」と回答しているため、貴大学も文部科学省に対し同様の回答をしているものと受け止めておりますが、毎年1回程度の頻度で情報を公開されていない場合には、このアンケートの回答も不正確だったことになると考えています。

4)動物実験に関する外部評価について

 大学基準協会の評価結果では、貴大学の自己点検・評価に係わる事実の信憑性について強い疑念が示されていることから、貴大学が動物実験に関して自己点検・評価を行っていたとしても、その内容が確かなものか、部外者は疑問を持たざるを得ません。

 日本には、動物実験施設に対する公的な査察制度等は存在しないため、事実の信憑性を公的に証明することはできない状況にあるかと思いますが、現時点でとりうる一つの手段として、動物実験に関する国際的な外部認証評価を受けることによって、外部のチェックを受けるという方法もありうるかと思います。

 そのような認証評価についてはこれまで受けられたことはありますでしょうか。また、今後受けられる予定はありますでしょうか。

5)学部での動物を用いる実習・実験の代替について

 大学評価結果に書かれているような「通常では薬剤師になれない学力の学生」に対しても専門教育が施され、動物が命の犠牲を強いられる状況があるとすれば、やはり動物福祉上の問題があるものと感じます。貴大学では、動物を用いる実習・実験は、各学年ごとに、どの程度行われていますでしょうか。使用される動物の種類と数、実習内容を教えてください。

 また、ビデオ教材、シミュレーションソフト、動物の死体の活用などによって、毎年同じ実習・実験を繰り返さずとも専門教育を行うことは可能であり、貴大学の動物実験指針にも「動物実験等の実施に当たり、できる限り実験動物を供する方法に代わる代替法を利用し実験動物を適切に利用することに配慮すること」との定めがあります。教育における動物実験の代替について、貴学での取り組み状況を教えてください。

 以上、大変恐縮ですが、文書にてのご回答をよろしくお願い申し上げます。

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