利尻町 ゴマフアザラシの捕獲許可申請の取下げ及び中止のお願い

※こちらの捕獲許可申請は、2019年から中止されました。

捕獲許可申請に添付されている理由書

利尻町長あてに、ゴマフアザラシの捕獲許可申請の取下げ及び中止の要望書を送りました。詳細はブログもご覧ください。


 

利尻町長 保野 洋一 殿

ゴマフアザラシの捕獲許可申請の取下げ及び中止のお願い

拝啓
 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。さて、突然ではございますが、私どもは動物保護団体として、貴町が毎年継続しているゴマフアザラシの展示目的での捕獲許可申請に関し、取り下げ及び中止を要望いたします。

 担当部署に確認したところ、現在も許可を受けているが実際にはこれまで捕獲を行ったことはなく、夏季のみ稚内市立ノシャップ寒流水族館からアザラシを借りて仙法志御崎公園の生簀にて展示を行っているとのことでした。実態としても捕獲は不要となっており、ぜひ許可申請自体を取り下げ、今後、野生から捕獲した個体を展示することはないということを明確にお示しいただきたいと存じます。

 現在、世界的潮流として、野生から動物を捕獲して展示することはしないという方向にあります。自然界でずっと自由に生きていた動物を狭い生簀に閉じ込めるのは、とても残酷なことです。また鳥獣保護管理法上、展示目的での捕獲が許可されていること自体に驚く方々もいます。それくらい珍しいことだという認識が広まっています。

 さらに、野生のアザラシは、捕獲してすぐ簡単に飼育できるわけではありません。人間が与える餌を食べるようにならなければ死んでしまいます。負傷・衰弱等している場合にアザラシの保護が行われることがありますが、食べる量がわかるように1頭だけを隔離し、食べなければ口から強制給餌を行います。つまり、人間に監禁され仲間もおらず不安な状態である上に、人が無理やり食べさせるということです。経験のない町の職員がこういった技術を持っているとは思えません。弱った個体の保護・放獣のためであればいざしらず、観光目的の展示のために健康な個体を捕獲し、死ぬリスクにさらすことは疑問です。

 またそもそも観光客が仙法志御崎公園に求めているのは、アザラシの餌やりなのでしょうか。私どもは東京に暮らしていますが、もし利尻町に観光に行き、雄大な自然の光景の中に小さなアザラシの生簀を見たら、とてもがっかりして悲しい気持ちになります。捕獲申請が行われている場所は御崎公園を含む周辺地域ですが、野生のアザラシがいるのであれば、それを遠くからでも見せるほうが観光客は喜ぶのではないでしょうか。もしくはアザラシでなくても、野生の生きものについて観察できるほうが感動が残るのではないかと感じます。

 突然のお願いであり、驚かれるかもしれませんが、ぜひ取り下げ・中止をお願い申し上げます。
 この件につきまして、ご回答もお待ちしております。

敬具

 2018年8月5日

参考資料

●許可されている捕獲の道具

●従事者の詳細

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