アニマルウェルフェア研修会 ブロイラーの福祉

最近の活動報告、イベント参加報告編を幾つか連続投稿します。

先月、畜産技術協会などが「アニマルウェルフェア研修会~アニマルウェルフェアの世界的動向とブロイラーの飼育管理~」を開催。今回はブロイラーの話のみですが、傍聴の概要をお知らせします。

農水省からは、OIE基準・EU基準と日本の指針との比較や、アメリカの動き・ISOの動きなどについて話がありました。「経済活動の中でアニマルウェルフェア(以下、AW)にどう取り組むかはとても難しい。飼養者がAWにある程度は取り組めても、消費者のAWの意識も育たないとさらに飼養者が取り組もうということにつながらない。農水省としては、指針の普及、飼養者の実態調査、消費者への情報提供などに取り組んでいきたい」と言っていました。

東北大大学院の小原愛さんは、日本の飼養管理指針とOIEの指標・勧告を取り混ぜてAWを向上させるためのブロイラーの飼養管理について説明しました。悪いところを改善するためには、きちんと記録をつけるようにと何度も言っていました。ただ、まとめの部分で、「高密度飼育は高リスクであるが(敷料の悪化・給餌器や給水器の不足・空気の質の悪化)、このリスクの部分をクリアできれば、高密度飼育でもいいと思う」と言っていたのはがっかりでした。

もう一人は、プライフーズという会社の人が、輸送や屠畜に関するOIE基準と自社の現状について報告をしました。この会社は東北大学の調査に協力しているところのようで、AWの取り組みについても東北大から指導を受けたりしているのか、国内ではAWの取り組みが進んでいる方なのではないかと感じました。

養鶏業界にとってAWの取り組みは逆風と考える人も多いと思うが、やってみるとAWは生産ロスの低減や飼育成績向上などにつながると思うと言っていました。

研修会の内容は、世界に遅れを取らないようにAWに急いで取り組まなくてはならないということでしたが、それは海外への輸出や、世界展開しているフード企業と取引があるところのことなのかもしれないとも感じます。日本の消費者がAWのことを考えもせず安ければよいという意識でいたら、日本の一般庶民向けに飼養している業者にまでAWを浸透させていくのはまだまだ難しいかもしれないと思いました。

(M.S.)

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