動物とヒトのキメラ(5) 文部科学省へ申し入れ&傍聴

現在は禁止されている動物性集合胚の胎内移植について解禁が検討されている件ですが、今月から文部科学省でクローン規制法に基づく特定胚指針の改正についての検討が始まるとのことで、先週、文部科学省に申し入れに行ってきました。

内容は、内閣府の生命倫理専門調査会に提出したものとほとんど同じですが、文科省では同じ部署で動物実験指針を扱っていることもあり、若干要望を追加しました。

というのも、この動物性集合胚の研究を日本で進めようとしているのは東京大学医科学研究所の中内教授ですが、医科研でブタの実験が行われていないことは昨年の情報公開請求でも確認しており、これまでの研究で実際にブタの実験が行われた明治大学農学部に対して動物実験指針に基づく情報公開について問い合わせたところ即答をいただけておらず、動物実験指針の施行以来7年が経過している現在でもこのような対応がなされるのはおかしいのではないか?と感じたためです。

動物実験全体の議論を置き去りにして、動物の尊厳にかかわる研究を押しする推し進めることだけが許されていくのは理解ができませんが、文科省によれば報道が先走っているところもあるとのことで、どこまでを解禁とするのかの議論はまだまだこれからだとのことです。(すなわち、生命倫理専門調査会の見解も、出産まで全て解禁すべきと明言しているわけではない)

要望書は、以下のページに追加で掲載しました。

また、本日、文部科学省で特定胚及びヒトES細胞等研究専門委員会(第84回)が開催され、いよいよ議論開始となっています。今後の流れとしては、まず作業部会をもうけて科学的観点からの整理を行い、その上で委員会で倫理的・社会的観点を含めた調査・検討を行うとのことで、今回はそういった検討の進め方についてが決まった感じです。また、文科省としては、法改正ではなく特定胚指針改正で対応することを考えているとのことでした。

今日のところは論点についてざっくりとした話しあいがされただけの印象ですが、「動物性集合胚では動物が害を被ることは間違いない」という発言もありましたし、「動物愛護」の観点についても話には出ていたので、今後の慎重な検討を期待したいと思います。

動物性集合胚については、来週11日の部会でも若干報告があるようですが、委員会のほうの次回のスケジュールは未定とのことです。

★東大医科研のブタを用いた動物実験計画書の開示請求に対する回答は「文書不存在」
そもそも、医科研にブタの実験ができる施設はないとのこと。
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★明治大学農学部の動物実験に関する情報公開
ヒト細胞を導入した動物胚を農学部で扱うことに国民的理解は得られるのだろうか?
そもそも東京大学自身が、昨年の情報公開異議申し立てに対する反論の中で、ブタそのものを対象としている農学系のブタの実験は、医学系における実験とは「性格が全く異なる」と述べている。
※注:解禁が実現した場合にどこで実験が行われるかについては文科省も把握しておらず、不明です。明大農学部は、これまでの共同研究先です。
明治大学農学部 動物実験

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