昨年、厚生労働省の有害性評価小検討会の第6回と第7回を傍聴してきました。途中からなので議論の流れについていくのも大変でしたが、今まで長期の発がん性試験が行われてきた分野で代替法が活用されることになりそうなので、気になっていました。最後になってやっと傍聴に行くことができました。
具体的には、スクリーニングのフローについての議論が行われていたのですが、毎回大きな修正が入ったりするのは驚きで、議論が活発で実務的なことをしている印象がある一方、一度決まったことがまた前に戻ったり、なかなかまとめるのは大変なのではないかと感じられる会議でした。一口に安全性/危険性の評価といっても、専門家の考え方は一様ではなく、また代替試験法も発展途上であるため、一つの文書に文言として落とし込むのは大変な作業だと感じます。
動物実験については、フローの随所随所に動物実験できるようにしたい委員の方がいたりして、なかなかはらはらしました。代替になるような試験法について、OECDのテストガイドラインに入っていないからダメという話も出ましたが、医薬品のほうでは、使われる試験法はOECDのガイドラインに載っているものに限られるわけではないとのことです。医薬品の規制の国際調和をはかるためのICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)の話がときどき引き合いに出されます。
ならば、ICHのガイドラインが踏み込んでいる動物の利用を減らす観点についてもぜひ盛り込んでもらえないかと思い、遅きに失した感はありますが、PEACEとして要望書を提出させていただきました。一枚紙の簡単な内容ですが、下記に掲載いたしました。議論は一応終わり、1月中に委員に最終文書を回覧して決定とのことです。その後は2つのワーキングチームで具体的に議論がなされます。
労働衛生安全法に基づく動物実験へ要望
新しいスクリーニングフローが策定されるにあたり、動物実験の削減を求める要望書を送付しました
(S.A.)