東京大学生産技術研究所コンベンションホーで本年も細胞を用いた試験系に関する技術開発に関するシンポ、「シンポジウム:細胞アッセイ技術の現状と将来」が開催されました。
時間の都合上、残念ながら講演はほとんど聞くことができなかったのですが、最後に株式会社サイフューズから発表のあった「3Dプリンティング技術による機能的三次元組織構築」では、立体的に培養したiPS細胞の塊に胆管様構造などが確認され、なんと胆汁成分の分泌もあったというお話があり、非常に驚きました!
分泌された「胆汁」の成分については検査中とのことでしたが、遺伝子発現や病態の再現についても有望そうな発表であり、この分野の技術の進歩に驚きます。多くの研究者が質問をしており、かなり刺激的な発表だったのではないかと感じました。
いまのところ臓器移植用の研究というわけではなく、前臨床試験として使える試験法の構築を目指している形ですが、こういった研究が進歩することで他の分野の研究にも刺激を与えるのではないでしょうか。
薬物動態研究で著名な理化学研究所の杉山雄一氏も「こういう形で代謝物について早い段階で確認できることは重要だ」との主旨のコメントを述べていました。
なかなか実用化は難しいとのお話も伺いましたが、動物実験の代わりとなる技術でもあり、年々盛況になっていくことはうれしく思います。