動物とヒトのキメラ(3) Yahoo!意識調査の結果は反対が上回る

動物性集合胚を用いてヒトと動物のキメラを作成することについて、内閣府の専門調査会では現在「条件付き容認」の見解案が出ている段階ですが(まだ最終確定したわけではありません)、その報道の直後から、Yahoo!が「動物の体内でヒトの臓器を作製、どう思う?」と題し、ネット上で意識調査を行っていました。

PEACEのサイトのトップからもリンクをしていたので、結果についてもご紹介すると、「反対(43.1%)」がわずかに「賛成(42.9%)」を上回った形です。

ちなみに、反対の割合は、内閣府の生命倫理専門調査会で公表された「再生医療研究における動物の利用をめぐる市民と研究者の意識調査(PDF:480KB)」において、「人間の細胞を有する動物の作製」を「許されない」とした人の割合、43.1%にぴったり一致しています。

といっても、内閣府で公表された調査のほうは、作成しても「構わない」とした人は29.9%しかいませんので、Yahoo!の調査結果には、男女比が大きく男性に偏っていること(男性76.2%、女性23.8%)が影響しているのしれません。(質問が、胚をいじることに限定されているかどうかの違いもあります)

いずれにしても、国民の意見は「反対」が若干上回る形で二つに割れている状況であり、動物性集合胚の研究解禁は、国民からの確かな支持を得ているわけではありません。内閣府で最終見解が出された後は文科省での検討に入りますが、政府が本当に許容するのか、許容するのであればどこまでなのか、国民が監視・抑制していく必要があると思います。

内閣府への意見メール:http://www8.cao.go.jp/cstp/goiken.html
文部科学省への意見メール:https://www.inquiry.mext.go.jp/inquiry30/

Yahoo!意識調査「動物の体内でヒトの臓器を作製、どう思う?」

生命倫理専門調査会が、動物の体内でヒトの臓器を作製することを条件付きで容認する方針。iPS細胞などでヒトの臓器を作ることができるのか、研究には欠かせないとの意見もある一方、それを移植したりすることには抵抗感を覚える人も。あなたは、今回の方針に賛成ですか、反対ですか?

反対 17,152票(43.1%)
賛成 17,073票(42.9%)
分からない 5,578票


ちなみにですが、日本はもともと、世論調査をすれば「医学目的であっても動物実験をすべきでない」と回答する人が30%前後はいる国です。この意見についても、施策に何らかの反映がされるべきではないでしょうか。

■2008年:
定着してきた環境意識~「環境に関する世論調査」から~(NHK放送文化研究所)

「人の命を救うためなら動物を医学実験に使ってもよい」
「賛成」と「どちらかといえば賛成」の合計 26.2%
「反対」と「どちらかといえば反対」の合計 28.9%
「どちらともいえない」          39.4%

■2000年:
ISSP 国際比較調査(環境)International Social Survey Programme 2000: Environment II (ISSP 2000)
(日本はNHK放送文化研究所が実施)

「人の命を救うためなら動物を医学実験に使ってもよい」
(ア)賛成 (イ)どちらかといえば賛成  30.8%
(ウ)どちらともいえない         31.6%
(エ)どちらかといえば反対 (オ)反対  37.6%

まとめページ

2013.9.3アップ随時更新最終更新2021.2.28ヒトクローン規制法に基づく特定胚の一つに指定されている「動物性集合胚」とは、動物の胚(受精卵が発育した状態のもの)にヒトの細胞を混ぜた胚です。指針改正前は、原始線条が現れる[…]

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