薬事日報で実験動物福祉を考える企画~ただし、コラムには質問書

薬事日報に実験動物福祉に関する大型の記事がいくつか載りました。書かれていることすべてに納得できるわけでもありませんが、企画として充実していますので、ご紹介します。

世間一般に思われている以上に動物実験を代替する方向というのは進んでいますし、動物実験に対する世間の目も厳しいです。日本の状況で「ちゃんとやっている」と言えてしまう関係者の感覚には、やはり問題があると思わざるを得ません。

昨年開催されたシンポジウムで日本製薬工業協会(製薬協)が加盟社へのアンケート結果を公表していましたが、国の指針の遵守状況はやはり100%ではありませんでした。この結果は、文書としては公表されないとのことですが、自主規制と言うなら、制度の整っていない企業は会員になれない等の対策をとるべきではないでしょうか。

……等々疑問もある中ですが、記事自体は充実した内容でした。

しかし残念だったのは、そもそも誤った認識に基づいて書かれたコラム(下記)も掲載されたことです。

「医薬品開発の非臨床試験に用いられる実験動物は、ある程度高齢になればその役割を終える。退役した実験動物はその後どのように生きるのか」とあり、ほぼ全ての動物が殺される動物実験の現実を正しく伝えていないと思いましたので、即日質問書を送りました。

詳細は質問書をご覧いただければと思いますが、非臨床試験に用いられる動物は、最後に殺処分されるか、試験の途中で死ぬかどちらかです。コンパニオンアニマルとしての譲渡は、確かに海外では以前より広まってきているとは感じますが、日本でそのような取り組みが正式なものとしてふえているという印象はありません。

薬事日報社から各質問への回答はいただけませんでしたが、あくまで1つの事例として取り上げたとのこと。不正確なところもあったかもしれないとは認めており、悪意があるわけではないのはわかりますが、「事実に基づいて対話を」という企画記事の内容と乖離するコラムが掲載されたことは非常に残念です。

ただ、医療関係者にも動物が使われていること自体知られていないとのことで、そのこと自体は驚きました。今後も動物福祉については取り上げていくとのことなので、期待したいと思います。

▼非臨床試験に用いられる動物は殺処分されるのが現実だ
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