非常に熱い夏ですが、現在、ボリショイサーカスも来日、日本各地を巡業中です。今年は、クマ、馬、犬、猫のショーが行われています。
去年に引き続き、今年も調教師がクマを棒で殴るところを撮影された方がいます(下記リンク先の1:22ころ~)。棒で脅すような動作も見られ、コントロールのために暴力が使われていることがわかります。
このことについて、開催予定地の動物愛護行政にも通報していますが、ボリショイサーカス側がしている言い訳は、「糞を取り除いたりするために檻の中に道具を入れることがあり、その棒をクマがいじるのを払いのける動作が殴ったように見えるのでは」とのことです。しかし、映像の檻は飼育用の檻ではありません。出演前に檻から出して別のスペースで準備をしているところです。かき出し用の道具はグレーでしたが、この調教師が持っているのは別の棒です。調教用のものとしか思えません。
また、かき出し用のワイパー状の道具でも、クマを脅すように檻を叩いています(埋め込み動画参照)。調教師の棒の持ち方は、道具を使う持ち方とは逆ですから、糞などをかき出すための動作ではないです。棒を見ただけで、クマは檻の奥に後ずさりしています。そして、檻を叩かれた後、クマの常同行動が激しくなっています。(常同行動自体は、この前からしていました)
そもそも暴力を使わなければ調教できない動物をショーに使うこと自体、止めていかなければいけないことだと思います。
ほか、幕張公演の際はダルメシアンが下痢便をしていました。犬のケージは屋外で、公演帰りの方々も、「暑そう」「あれはまずいな」などと言っていました。猫のスペースは屋内でした。
馬は1頭だけ扇風機が回っていない馬がいたこと、あばらがかなり浮いて見える馬がいたことなどが気になります。ボリショイサーカスでは昨年、具合が悪くなった馬がおり、行政の仲介で獣医師からアドバイスをもらっています。
馬の移動は空調付きの馬運車ですが、クマの移動は平台のトラックに檻を5つ並べて他の荷物も積む形でした。犬のキャリーケージは、側面が開閉するタイプ(ウィングボディ)のトラックに積まれていました。閉じられた後も犬の鳴き声が聞こえていました。
◆動物取扱業の表示について
名古屋公演についてはウェブサイトの動物取扱業の表示がおかしく、名古屋市動物愛護センターに問い合わせたところ、「ボリショイサーカスのサイトの動物取扱業の表示については、ご指摘の通り不適切なものであったので、修正するよう指導いたしました。ありがとうございました」との連絡がありました。
表示されて驚いたのですが、登録の申請をしていたのはボリショイサーカスではなく、東海ラジオでした。(このことを隠したかったのでしょうか?) 東海ラジオ自身が宣伝しているサイトにも動物取扱業に関する表示がありませんから、これも法令違反になると思います。現在、問い合わせ中です。
マスメディアが、このような過酷なツアーに加担してしまうのは、非常に残念なことです。
<2015.9.3追記>
その後、東海ラジオのサイトにも登録番号等の表示がなされました。普段動物を扱っているはずのないラジオ局社員が動物取扱責任者とのことで、疑問です。(満たしている要件は実務経験とのことです)
サーカスの調教師「クマはみんな生後十一年くらいまではよく働いてそれから塞ぎ込むようになり、そうなると残念ですがお別れをして動物園に引き渡すことになります」 『森のスケッチ―極東ロシア・アムールの動物たち』 フセーヴォロド P. シソーエフ著 未知谷
— PEACE (@animalsPEACEnet) 2015, 7月 27
サーカスの調教師「やめてください! 危ないですから。言い忘れていましたが、クマは油断のできない獣で、動物園のクマに餌を与えようとした人が腕を捥ぎ取られてしまったこともあります。」 『森のスケッチ―極東ロシア・アムールの動物たち』 フセーヴォロド P. シソーエフ著 未知谷
— PEACE (@animalsPEACEnet) 2015, 7月 27
作者「何かよいことをしているような顔をして実は気晴らしのためにそれらを飼う人たちに私は苦言を呈したいのです。そういう人たちは自分の飼う動物が悲惨な最期を遂げるということを考えていません」 『森のスケッチ―極東ロシア・アムールの動物たち』 フセーヴォロド P. シソーエフ著 未知谷
— PEACE (@animalsPEACEnet) 2015, 7月 27