PEACE活動報告ブログ

環境省が自治体に「犬猫等販売業者への監視・指導の徹底」を通知!

◆環境省が全国の自治体に監視・指導の徹底を改めて通知

昨年、朝日新聞およびAERAに犬猫の流通数についての調査記事が出たことを受けてだと思われますが、環境省が各自治体から得た情報に基づいて犬猫等販売業者における平均死亡率を算出しました。(数字は下記表参照)

そしてこの数字を踏まえ、死亡率が高い業者に対しては、立入検査だけではなく、2012年の法改正で新たに盛り込まれた検案書又は死亡診断書の提出を命ずることなどを明記した通知が新たに全国の自治体に対して出されました。

平成28年1月5日付け「PDF第一種動物取扱業に対する監視、指導等の徹底について(犬猫等健康安全計画の遵守)」(環自総発第1601051号)がその通知です。今年は、新年早々に新しい動きがあったことになります。

この中で環境省は、虚偽の届出を行った事業者や、2012年の法改正で犬猫等販売業者に提出が義務付けられた「犬猫等健康安全計画」が基準に適合していない事業者など、不適切な事業者に対して、業の取消もしくは業務停止命令、勧告・命令、過料等の処分を行うよう対応を求めています。

業を廃止した場合も、その日から30日以内に届出なかった者に対しては過料が定められていますので、これらの業者についても処分を行うべきということになるでしょう。

◆当会要望についても盛り込まれました

昨年、当会が全国の自治体にアンケートを行った結果、「犬猫等健康安全計画」を提出していない事業者が約4分の1ほどの自治体にいることがわかりました。営業の実態がない場合も多そうでしたが、一方で違反状態で犬猫を販売している事業者がまだいることも示唆されていました。

また、毎年出さなければいけない「犬猫等販売業者定期報告届出書」についても、全事業者の約1.5割にあたる事業者が期限を過ぎても未提出でした。

これらの実態に関し、環境省に対応を求めていることは既にご報告しましたが、今回この通知の中に、そういった不適切な事業者に対しても適切な対応を行うよう、記載がなされました。

この通知に則り、業の取消もしくは業務の停止命令、または過料の処分を行う等の厳しい対応を、ぜひ該当自治体にはお願いしたいと思います。

◆国会では質問主意書の提出も

これらの問題については、川田龍平参議院議員が国会で質問主意書も提出してくださいました。

質問主意書とは、国政に関する事がらについて国会議員が文書で内閣に対し質問を行うもので、7日以内に国としての見解が回答(答弁書)として返ってきます。

今回出された「犬猫等販売業に関する質問主意書」の質問と答弁書は参議院のウェブサイトで読むことができますが、その答弁書の「二及び三について」で環境省が都道府県等に通知したとして言及されているものが、今回ご報告している通知に該当します。

前もって準備が進んでいたはずではありますが、質問主意書の回答期限までに自治体へ通知を行い、質問での指摘には「対応済」と回答しているわけです。手抜かりなしの対応には驚いたのですが、通知が出たことは主意書としては一定の成果です。

環境省含め、忙しい中、対応をしてくださいました皆様に御礼申し上げます。

◆全国の事業者における死亡率は?

ところで、肝心の死亡率ですが、この通知の末尾に下記のようなデータが記載されています。

●犬猫等販売業定期報告届出書の集計結果から算出した犬猫の販売業における全国の平均死亡率(平成26年度)

  犬の死亡率(%) 猫の死亡率(%)
繁殖を行っている事業者 5.6 6.4
繁殖を行っていない事業者 0.8 1.3
全体 2.9 3.4

死亡率:死亡した数/(販売又は引き渡した数※+死亡数)
※卸売の事業者等が含まれるため、一部重複する個体を含む。
(注)一部の自治体から暫定の報告を含む。

環境省は海外の調査研究の数字も参考情報として添付していますので、詳しく知りたい方は環境省が公開しているPDFをご覧いただきたいのですが、実は日本の繁殖業者の「死亡率」は高くはありませんでした。

それはなぜなのでしょうか? 報告書を出していない事業者が不適切事業者に偏っている可能性がありますし、一概に比較できない要素は多々あるかとは思うのですが、最大の要因は、海外のデータには死産数が含まれているのに対し、日本の数字には死産数が含まれていないと考えられることが挙げられるでしょう。

報告書に書くよう求められているのは、「年度中に新たに所有するに至った犬及び猫の月ごとの合計数」「年度中に死亡の事実が生じた犬及び猫の月ごとの合計数」などなので、あくまで生まれてきた数が報告されていると考えたほうが妥当です。

日本では動物に関する科学的知見がとぼしいので、海外のデータを使わざるを得ないのはやむを得ないのですが、この違いがあることを知らせずに併記するのは日本の業界を実際以上に良く見せてしまう危険性があります。

また、繁殖を行っていない事業者の「死亡率」については、1匹の犬もしくは猫が複数の事業者を経由する場合があるので、母数に重複が出ていることにもご留意ください。現在の書式では、輸送中の死亡も加味されない可能性があり、流通過程の真実を明らかにするものではありません。

今回算出された数字は、あくまで平均値に対して特に悪い数字が出ている事業者において不適切な扱いが懸念されるため、その参考値として出されたものです。国内において、その目的で使うための参考値であることを念頭に置いて扱うようにしてください。


参考:


※法律の記載上「犬猫等販売業者」と呼んでいますが、現在は犬猫以外の動物は指定されていません。

※追記:
朝日新聞sippoへの転載に際し、一部改稿しました。また、環境省サイトにPDFが公開されたことを受け、リンクも追加しました。


お知らせ:
アンケート結果につきましては、冊子として印刷し全国の自治体の皆様に送付させていただきました。残部もございますので、ご希望の方にはお送りいたします。(資料請求フォームのメッセージ欄にご記入の上、ご請求ください。)

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