EU豚肉産業に対するアニマルウェルフェアの影響

9月11日に開催された独立行政法人農畜産業振興機構(alic)のセミナー「デンマーク・オランダの養豚生産の状況」に参加された会員の方から、当日の資料をいただきました。

EUのアニマルウェルフェア規制の概要や、規制が豚肉産業に及ぼしている影響についてなどが書かれています。

EUでは、2013年1月より10頭以上の養豚施設での妊娠豚のクレート飼育が禁止されていますが(受胎4週間後~出産1週間前までは必ず群飼とする)、その規制の影響についての概略は以下の通りとのことです。

EU豚肉産業に対するアニマルウェルフェアの影響:

  • EU全体の豚肉生産量(と畜頭数)は、2013年1~4月のと畜頭数は前年同期比0.7%減で、大きな減少はみられていない
  • 豚肉価格は、2012年下半期から高止まりが続くも、劇的な高騰は起きていない
  • 繁殖母豚飼養頭数は近年減少傾向にあり、2012年は前年比4.2%減
  • 子豚価格は高水準を維持

まとめ⇒

  • 2013年6月時点では、豚肉価格や豚肉生産量に大きな影響は見られていない
  • しかし、繁殖母豚飼養頭数は減少傾向。減少幅は加盟国各国で差があり、スペイン、ポーランド、イタリアなどの減少幅が多い
  • デンマーク、オランダのような豚肉輸出国は、ほぼ対応完了しており、自主的な規制強化により高付加価値への取り組みもある
  • アニマルウェルフェアへの取り組みは、OIEなどの国際機関でも議論されており、将来的に貿易ルールに組み込まれる可能性もある。

デンマーク:日本の主要輸入先のひとつ

  • 国内のアニマルウェルフェア規制によって2020年までにスノコ床が全面禁止される
  • 外科的去勢の自主的廃止については、作業軽減になるため、歓迎との意向

また、日本の産業動物の飼養保管基準が改正されたことについても触れられていました。

PDFは公開されていますので、皆さま、ぜひご覧ください。デンマーク、オランダの写真も豊富です。

農畜産業振興機構のサイトより:
デンマーク・オランダの養豚生産の状況

以下の記事も農畜産業振興機構のサイトに公開されています。

EUの豚飼養頭数、繁殖母豚を中心に減少傾向が継続

また、農林水産政策研究所のサイトに、日本の肉のサプライチェーンについての報告書がアップされました。日本の国産食肉・輸入食肉の消費動向については、こちらもご参照ください。

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