動物愛護法 ふれあい

<豚コレラ>ぎふ清流里山公園 ふれあいのミニブタ殺処分について

投稿日:2018年12月20日 更新日:

昨日移動動物園の件で投稿した滋賀県の「びわ湖地球市民の森」の指定管理者がシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社だったので、先日ミニブタの「とん平」「とん吉」が殺処分された「ぎふ清流里山公園」についてもアップしておこうと思います。

この公園の指定管理者も、「ぎふ清流里山公園みらい創造グループ」となっていますが、代表はシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社でした。

<受託運営構成(協力)企業>
代表:シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
構成:株式会社みのかもファーマーズ倶楽部
協力:大和リース株式会社

11月27日殺処分、12月4日に報道

公園は指定管理者制度で運営されており、管理事業者が11月22日、「確実な防疫のため処分したい」と電話で県に相談。県は「やむを得ない」と判断し、27日夜に地元の獣医師が安楽死させて園内の敷地に埋めた。


共同通信:岐阜でミニブタ2頭検査なく処分豚コレラ予防名目、愛護法違反か

実は報道前に、発症していないのに殺処分されたふれあいの豚がいるとの話を伝え聞き、関係各所に問い合わせを行っていました。しかし、指定管理者と直接話せたのは報道の後でした。

管理者の対応はびわ湖地球市民の森に比べると真摯でしたし、従業員に十分な説明もなく殺処分したことも含め、反省しているとのことでした。しかしミニブタの飼育頭数はたったの2頭。豚コレラのアウトブレイクが去るまで室内で適正な管理のもと飼育できなかったのかという点は非常に残念です。

環境省の対応については後述しますが、法的には殺処分を求められている状況はまったくなかったにもかかわらず、ふれあい動物、しかも普段豚の出荷を行っていない施設(2例目の畜産センター公園は、ふれあいとは言いながら、肉にするために出荷している施設でした)で殺処分が行われました。

報道では検査もせずに殺処分したことがクローズアップされており、それも問題だと思いますが、最初に岐阜県内で1例目が出たときにこの公園でも検査は行われており、そのときは陰性だったと聞いています。処分時に症状もありませんでした。

しかし、県の機関等関係各所にも確認したところ、建物内での豚の飼育スペース(寝室)が狭すぎたことも殺処分を決めた原因の一つのようでした。うんちを外の放飼場でする習慣があったのでブタたちが我慢してしまい福祉上よくない、糞尿の管理ができない等、説明がありました。

また殺処分に至った理由としては、発症3例目(疑い)が出ているとわかっていたことがあったようです。この2頭の殺処分が報道されたときにはまだ2例目の岐阜市畜産センター公園までしか報じられていなかったのですが、電話で話を聞いた後、発症3例目が報道に出て、場所が県の畜産研究所だったので「なるほど」と思いました。

発症したときに県が批判を浴びるとの気持ちから殺処分を決めた、もし公園で発症をさせてしまったら県の責任になってしまう、というところを強調していた理由がわかりました。2例目だけでなく3例目も(そして、その後の4例目もなのですが)公的機関での発生ですから、万が一公園でも病気が出たら、何をやっているんだと責められるという気持ちがあったのだと思います。

また、詳細はよくわかりませんでしたが、地元からも殺処分を求める要望書を出すぞといった動きもあったそうです。

譲渡先については、県の家畜保健衛生所が2~3箇所に尋ね、指定管理者は同じ社内の他の場所で飼えないか検討しただけだと言っていました。しかし、家畜保健衛生所に聞いたときは立場上県外の施設には頼めないのだと感じましたし(そして県内は豚コレラ発生中)、指定管理者が管理するほかの施設で動物を飼っている施設はないとも言っていたので、これでは探したとも言えないといいますか、譲渡の可能性はほぼなかったのだろうと思います。

従業員にも譲渡先探しを手伝ってもらう時間をとったり、納得のいくような説明を十分したか?と聞いたところ、一人は前日、一人は翌日、ほかは当日伝えたとのことで、内部的な進め方にも問題があったと感じています。

そもそも人との接触の多いふれあい展示に畜産種を使うこと自体がリスクだと明らかになりましたから、今後は豚は一切飼育しないでほしいと言ったところ、指定管理者は、現時点でブタを飼うことは全く考えていないとは言っていました。ヤギの管理については指定管理者とは別の団体が行っているとのことでした。

ほかの動物の飼育は継続するとのことでしたが、もし展示を止めるとしても殺処分という方法はとらず、譲渡先を探すべきだと強く思います。

その後、下記のようなホームページが立ち上がっているのを見つけました。

殺処分方法は、鎮静→電気ショック→パコマの3段階

岐阜県が環境省動物愛護管理室に報告しているところでは、2頭のミニブタの殺処分方法は、セラクタールで鎮静後に電気ショックで失神させ、逆性石鹸のパコマを投与するという方法でした。獣医師のほかは家畜保健衛生所職員だけが立ち会ったそうです。

2頭は展示動物であり、最も適切な方法であるバルビツール酸系麻酔薬の過剰投与が用いられていないことは非常に驚きました。

環境省としては電気ショックで失神させていたので不適切ではないとのことで、確かに2頭だけならスタニングが効いているかどうかの確認は行われているだろうとは思いますが、電気ショックは失敗や覚醒もありえる方法で、またそれ自体が豚に高いストレスを与えます。今回は鎮静剤も併用されていますが、発想としては家畜に対する処分法かと感じます。

家畜保健衛生所によると、何が適切な殺処分法かということは日ごろから具体的に示しておらず、判断は現場任せになっているそうです。パコマが致死処分時に普段から使われているかどうか、把握もしてないのは驚きました。農水省からも何も示されていないとのことで、殺処分方法に触れずしてアニマルウェルフェアに取り組んでいると言えるのか疑問です。

パコマについては、2015年口蹄疫発生時に、PEACEも使用中止の要望書に賛同しました。詳細はこちら

環境省動物愛護管理室の豚コレラ対応

環境省の動物愛護管理室からも豚コレラ発生後に展示(第一種・第二種動物取扱業)やペットの豚について、10月15日と11月16日の2回、岐阜県・岐阜市や、その周辺の自治体に対し事務連絡を発出したそうです。 (現時点で文面は非公開)

ただし、2回とも、殺処分せよという内容にはなっていません。健康状態に留意し、死亡数が増えるなどの変化があれば速やかに連絡するようにといった内容になっていたそうです。

意見送付先

✉岐阜県都市公園課管理運営係
メール:c11669@pref.gifu.lg.jp

2019年1月15日追記:ワクチンについて

その後、野生イノシシに豚コレラワクチンを使うことも検討されているという報道がありました。ワクチンがあるのなら、展示用や家庭動物として飼育されている豚には使えないのだろうか?と思い、農林水産省に問い合わせてみました。

しかし、答えは、NO。
OIE(国際獣疫事務局)での清浄国認定に影響するので、飼養目的を問わず、豚には一律にワクチン使用は禁じられているそうです。展示用等にも禁じられているのは、肉用との区別が厳密にはつけづらいためとのこと。

今検討されているのは野生イノシシへの経口ワクチンですが、もし実施される場合も、対象は野生イノシシのみで、動物園等で飼育されているイノシシにはワクチンは使えない運用になるそうです。

しかし、マーカーワクチンといって、ワクチンを接種したためにできた抗体と感染で生じた抗体の区別がつけられるタイプのワクチンが豚コレラにもあるはず。これなら清浄かどうかの判断がつきます。実際、OIEでも、ワクチン由来だと区別できる一定の条件のもと、このマーカーワクチンの使用は許されているそうで、必要が生じれば今後そういった検討もすることはあり得るそうです。

ただ、ワクチンも完全に発症しなくさせるものではなく、発症時に症状が緩和される程度のものと考えた方がよいそうです。

とん平・とん吉については、農林水産省としては、衛生基準を守っていれば豚コレラの防御はできるはずだとの見解を崩していませんでした。

2019年1月15日追記2

ANNニュースのリンクが切れたので、動画埋め込みを削除しました。

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