堀井動物園園長初公判傍聴記~第2回公判は大津地裁にて10月24日です!

9月7日金曜日、大津地方裁判所で、堀井動物園園長の動物愛護法違反の初公判を傍聴してきました。

既に新聞報道も少し出ていますが、当日はカメラ撮りもあり、マスコミ関係者が予想以上にたくさん来ていました。被告人側は犯行事実は認めたものの、公訴棄却を求めて争う作戦に出たため、結審はしていません(動物愛護法違反単独の裁判では、だいたい初公判で結審することが多いかと思います)。求刑や判決ではないので、マスコミ報道もまだ少なかったのではないかと思います。

別館21号法廷は70名ほど入る法廷なのですが、残念ながら所用で来れなくなった方も多く、一般からの傍聴者は少なめだったのですが、裁判官はマスコミ取材が多く来ているので「社会の関心も高い」と述べていました。

この日は堀井動物園園長に対する被告人質問はなく、最初に職業などを聞く人定質問に少し答えていただけでした。ことさらふてぶてしいわけではなかったと思いますが、反省しているのかどうかもよくわからない感じでした。

検察官が読み上げた起訴状によると、公訴事実の第一は、平成27年8月ピエリ守山内のめっちゃさわれる動物園で許可なくオナガザル科のアビシニアコロブスを飼育したこと、第二は同じく、守山市岡町の飼育場で許可なくタカ科のハクトウワシを飼育したことでした。動物愛護管理法違反が2つです。

しかしこれに対し弁護人は、犯行を行ったことは認めるが、これまで誰も裁判なんて起こされていないのだから起訴猶予相当だと言い始め、検察側の公訴権濫用を訴えたので驚きました。公訴棄却を求めて争うのだそうです。大人しく認めて情状でも訴えるのかと思いきや、なぜ訴えるの!とか言い出したわけですから、ビックリ仰天です。

これ、法律にちゃんと罰則が書いてることを違反しておいて、訴えるなんておかしい!って言ってるわけですから、ただの甘えかと思います。これまでは見逃してくれたのに!という不満があるのかもしれませんが、警察や行政が様々な法律違反を見逃し続けてきた結果、このような甘えた主張に至ってしまうのか!と本当に驚きました。

弁護人は、同種の犯罪に比べてと言いつつ、環境省の統計に出ている自治体が刑事告発した事例について開示を求め、「地味な」事例にこだわっているようでした。しかし、特定動物の違法飼育は、逮捕されて警察発表があり、報道で知るパターンが一番多いかと思います。書類送検で警察発表のパターンもあります。罰金を払った人もいると伝え聞くので、これまで略式だっただけではないでしょうか。

堀井園長の弁護人は、有罪になると廃業せざるを得ず本人の不利益になるなどと言っていましたが、通常の特定動物の無許可飼育なら、氏名含め派手に報道されるわけです。堀井園長は逮捕も警察発表もなく、配慮してもらえているほうなのに、何回も違反を繰り返したことを受けての起訴にご不満?と思い、本当に絶句。結論を引き延ばしたいだけかもしれないですが、他の有罪の人たちは、何度も犯罪を繰り返していたわけではないでしょうにと思ってしまいました。

被告人側の弁護人は、守山警察署の職員が一度は犯行事実を見逃したことも公訴権濫用の理由に挙げていましたが、これについては「適切ではないものがあった」と当会は公安委員会から回答を得ています。その不適切な対応をした職員は異動させたという説明も受けました。警察の体質の正常化には時間がかかるでしょうし、公訴できる期間ぎりぎりで起訴することに何か問題があるのでしょうか。よくわからない主張でした。

検察側は冒頭陳述で、2度火災を起こしたこと、動物の逸走も複数回起こしていて施錠徹底等を指導されていたことなどについても言及しました。また平成27年には滋賀県動物保護管理センターの立入り時にニホンザルの特定動物の無許可飼育が発覚、ボアコンストリクター(特定動物のヘビ)の輸送も無届で行ったと述べました。

犯行事実は、平成27年8月5日、愛知で動物商を営む知人からハクトウワシの購入を持ち掛けられ、購入。また知人からアビシニアコロブスの購入を持ち掛けられたところ、ほしくなり購入した。この「ほしくなり」に、検察側が堀井動物園の体質を見抜いていることを感じました。すごい。サルは1週間で死亡した。

犯行発覚は、9月8日、販売した知人が不審に思ってセンターに問い合わせ、9日に立入りが行われたところ、無許可飼育が発覚、という流れで説明していました。

証拠は、納品書に平成27年8月9日付でアビシニアコロブスとハクトウワシという記載有。前の飼い主は特定動物の飼養保管許可を得ていたという証拠の写し。ピエリ守山・めっちゃさわれる動物園の事務所から押収したノートの8月9日のところに、ミルクの与え方など記載あり。確かに飼育されたことの証明と検事が説明。また、本件経緯がわかるセンターの記録の写し、過去の違反についてのセンター所長の調書、堀井動物園従業員の調書などが証拠として挙げられていました。

従業員の調書は、飼育状況やセンターの指導の状況について。妻であり事務員である者の調書は、事務手続きを妻がやっていたためのようです。

また被告人の供述調書では、ハクトウワシの犯行状況について。知人から持ち掛けられ購入し、許可はあとでやればバレないと思ったと述べていました。ここまで認めていて「起訴するな」は、ふざけすぎでは?

このあと、弁護人が同種の事件について文書開示を求めるなどのやりとりがありましたが、検事が「本件に関係ない」と言ったものについて、裁判官も「私も必要ないと思います」と言ったりしていたので、弁護側の主張は無理があるんだなと感じました。弁護人が業務改善の証明のために次回堀井動物園の従業員を証人に呼びたいと述べたときも、裁判官は「情状ですか?」と聞いていました。弁護人は公訴棄却を求めて争うからと再度説明していましたが……。

ということで、次回は、堀井動物園の従業員が証人として出て、「いかに改善されたか」を話すそうです。今は事務関係をやる専門の従業員を雇っているという説明でしたが、広報担当の別会社の人のことでしょうか。はっきりはわかりませんでした。

被告人質問もありますから、堀井動物園園長本人がどう受け答えするのかを聞くことができます。おそらく論告・求刑と弁護側の意見陳述もあり、1時間半くらいかかる見込み。

最後に日程調整があり、次回公判は10月24日(水曜日)午前10時~、同じ大津地方裁判所別館21号法廷に決まりました。

傍聴に行って、公開質問状にも答えない事業者の弁明をぜひ直接聞きましょう! いつもは動物を柵に入れて見せている人たちが、見られる側に回ります。

堀井動物園園長第2回公判
日時:10月24日(水) 午前10:00~11:30ころまで
場所:大津地方裁判所 別館21号法廷

追記

第2回公判傍聴記はこちら

追記2

12月28日、有罪判決が出ました。
裁判の経緯はこちらのページからたどれます。

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