けものフレンズ関連イベントで生体利用~法令違反のまま宣伝続行中

10月7日・8日、幕張メッセで人気アニメ「けものフレンズ」に関連するイベントが開かれることが告知されており、サーバルキャットやコツメカワウソ、オグロプレーリードッグ、アメリカビーバーなどの野生動物や、ウサギ、モルモットなどを利用することがウェブサイトやTwitterで宣伝されています。

告知ページの表現は特殊ですが、「原作・サーバル来場決定!その他原作の皆さんの来場も! 」と書かれているのが動物の生体も利用するという意味です。

しかしこのイベント、ずっとウェブサイトへの第一種動物取扱業の登録番号・取扱責任者名等の表示義務が守られていません。

概ね24時間以上営業する場合は現地での業の登録が必要であり、2日間のイベントなので、そもそも無登録で違法に行われるのでは?と思い、千葉市に確認しました。

千葉市の対応 夜間動物を連れ帰るから登録不要!?

すると何と千葉市は、一昨年のアンケートで発覚した、毎日夜間動物を本拠地に連れ帰っていれば現地で登録しなくてよいタイプの自治体であったため、この業者が7日の夜、動物をすべて横浜の本拠地まで連れて帰る予定であることを確認したから現地での登録は必要ないという判断でした。

本来、環境省の見解が書かれているままを読めば、営業の開始から終了までが24時間を超える場合には現地で登録と読めますし、実際そのように運用している自治体が6割を占めるのですが、意外と謎解釈で運用している場合が多いのです。(おそらく、届出制時代の見解の運用を登録制に変わった後も引きずっているのではないか?と思います)

ということで、表示義務に関する指導は、あくまで業者の本拠地である横浜市が行うべきだというのが千葉市の見解でした。

苦情を受け続けている横浜市のほうが対応がよい・・・

結果として、どの業者かも確定ではない状態で横浜市へも連絡。実は横浜市も、夜間連れ帰りなら2日間でも登録不要自治体なので、ある意味ブーメランですが、そういう自治体同士ならタライ回しが生じず楽です。

また、横浜市内で特定動物であるサーバルキャットの飼養・保管許可を得ている展示業者であり、なおかつこういったイベントに動物を連れて行きそうな業者といえばほぼ確定なので、確認したところ、やはり金沢区の「インナーシティーズー ノア」とのことでした。ショップだが動物園でもあるという触れ込みの業者です。

この業者は、当会も以前、飼育環境が悪いことについて金沢区の保健所に要望をしましたが、そのずっと前からも、その後にも、問題を指摘する声が絶えない業者です。現在も改善の働きかけを継続されている方や団体があり、やりとりしていますが、ビル内の狭い敷地内に数多くのエキゾチックアニマルをひしめきあうように飼育している状況は変わりません。

過去には海外メディアにも絶滅危惧種を扱う日本の問題業者として取り上げられてきました。(参考リンク参照)

ゴキブリが大量発生していたという情報提供のあった過去に比べれば改善していますが(ただし今でもゴキブリは出ます)、市には相変わらず苦情があり、今回の表示義務についても既に自らちゃんとやりなさいということで指導済みだそうです。

それでも表示を出さないどころか、逆にメールをしたとたんにTwitterで生体を連れてくることを宣伝。かなり悪質な業者ではないでしょうか。

行政によると、生体を業として用いる場合にかかってくる法律の存在について、そもそも、けものフレンズがーでんを主催するイベント会社はまったく知らなかったそうです。

「動物ファースト」などと掲げているアニメのイベントをやるのに動物愛護法も知らないとは驚きですが、市から直接指導はしてくれたとのこと。動物業者を使う企業等にまで指導するのは嫌がる自治体が多いなか対応してくれたことに、改めてこの業者の問題の歴史が長いことを感じました。

けものフレンズの詭弁と罪

それにしても、このような動物業者に資金提供して何の問題もないと考える企業に版権利用が認められるのであれば「けものフレンズ」の「動物ファースト」などというスローガンが失笑ものの大嘘だということが露呈します。

さまざま発信されているものを見ても、本来の動物のあり方ということに無関心であるとしか思えません。

理屈をこねまわして動物を利用することを正当化しようとする自称にわか動物好きを大量に生んだだけで、動物サイドから見れば非常に問題の大きいアニメだったと考えざるをえません。

さらに、そういう見解をただそうにも、どこが責任の主体なのかよくわからない体制です。こんなことでいいのでしょうか? 法令違反については、業者を使うイベント会社等にも罰則がかかるように法改正が必要かもしれません。

参考リンク:

 
▼コツメカワウソまとめページ

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