PEACE活動報告ブログ

札幌市動愛条例の『幼い犬猫守る条項』を応援する緊急院内集会

追記:
条例は、3月29日、札幌市議会で可決成立しました。施行は10月1日とのことです。


先週の金曜日、衆議院第二議員会館で「札幌市動愛条例の『幼い犬猫守る条項』を応援する緊急院内集会」が開催され、少しではありますがお手伝いをしてきました。

現在開会中の札幌市議会で成立予定の新条例に盛り込まれている「犬及び猫にあっては、生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するよう努めること」という規定を応援することが目的の集会です。

札幌市条例集会

条例自体には、パブリックコメント時に野犬掃とう等、旧条例から引き継がれる部分が掲載されていなかったなど、疑問を感じる点がややあったのですが、8週齢の努力規定は画期的であり、そのことは既に報道もされている通りです。

◆56日規制は、次の法改正の「前」に実現を

当日は、国会議員だけではなく法律家、獣医師、著名人、愛護団体等のコメントを中心に、かなり充実した内容となっており、末席を汚すような形ではありますが、PEACEからも一言発言をさせていただきました。

特に言いたかったことは、犬猫等販売業にかかる56日規制の実現(「別の法律で定める」とされている立法)は、ぜひ次回の動物愛護法改正の「前」に決着させてほしいということです。これまで、自明とも思えるこの規制にどれだけ議論の時間が割かれてきたことか、と思っています。次の改正でやらなければならないことは、他にもまだまだ山積みです。

また、あまりにも科学的根拠というところに議論が牽引され過ぎではないでしょうか。

人間の安心・安全のための規制値であれば、1人たりとも被害を出すことはできませんから、個体差も見越して、一定の安全域がとられた数値が採用されます。「規制の科学」(レギュラトリーサイエンス)においては、社会との調整の重要性が説かれており、科学的データがそのまま規制値になるわけではありません。(人間の知見がある場合もです)

しかし、これが犬猫が対象となると、安全域を見ないどころか、切り捨てが発生するような数値が採用されるのはなぜなのでしょうか。

集会では獣医師の立場からも多くの意見が出ていましたが、90日がよいという意見もかなりある中(下記参照)、未だに今年の9月から運用される49日で存置させようとする業界の動きは疑問です。なぜ対応できないのか、流通の問題(オークション、店頭販売)やブリーダーの飼育環境の問題についても同時に解決していかなければならないということも強く感じます。

ちなみに、環境省が現在とっているデータには、現行のペットショップで購入されたケース、つまり45日齢で引き離された個体を中心とした事例が集まっているはずです。8週齢まで良好な環境で育った個体のデータと比較できる状況ではないことが予想されます。さらに49日齢引き離しのデータは今年の9月以降に集めることになりますから、まだ結果が出るには時間がかかることになります。

その上、一つ懸念があったのが、地方自治体の条例は、法律に違反するものは制定できないという問題でした。集会で慶応大学の大屋雄裕教授による説明がわかりやすかったのですが、法律に定められていない、いわゆる「横出し規制」はOKだが、法律で定められていることへの「上乗せ規制」は法律に反すると解される可能性があるという問題です。

これについては、条例が努力規定であること、また札幌市に特有の事情があると説明しうること等が対抗できる根拠として挙げられていました。詳細は既に下記に詳しく報じられているので、ぜひご参照ください。

◆かつて畜犬条例にも同じ議論があった

狂犬病予防法において、犬を係留させたり、係留されていない犬を薬殺したりできるのは狂犬病発生時のみです。また、狂犬病予防法に基づいて、通常時(狂犬病が出ていないとき)に抑留(捕獲収容)できるのは鑑札・注射済票がついていない犬だけです。

これに対して、通常時に、犬の係留義務があったり、野犬の薬殺が可能であったり、鑑札・注射済票のついた迷い犬を捕獲したりできるのは、各自治体の条例によるものです。

実は、かつて1950年代以降、これらを定めた畜犬条例が各地で制定されはじめたころも、今回と同じように「狂犬病予防法の上乗せ規制には当たらないのか(条例が法令違反になるのではないか)」ということが問われえたことが記録に残っています。

しかしこのときは、畜犬条例が都市生活における犬公害防止という生活環境保全的な人身保護目的でできているのに対して、狂犬病予防法は公衆衛生目的の取締りとなっており、性格を異にするものであるから条例は法律に違反しないとの合法解釈がなされたとされています。(『飼い犬・ペット条例』兼子仁・関哲夫編著 北樹出版 昭和59年)

当たり前のように普及してきた条例にも、そのような検討の過去があったことは、ほぼ忘れ去られているのではないでしょうか。

◆先駆的な条例が法成立を後押しした!

また、昭和24年以降、非常に長い間成立の日の目を見なかった「動物の保護及び管理に関する法律」ですが、昭和48年7月に川崎市が、それまでの各地の畜犬条例とは異なり、取締り中心から動物保護に発想を転換させた「川崎市飼い犬等の飼養管理に関する条例」(わんわん条例)を制定し、それによって国の法律成立の最終的な引き金が引かれたと言われています。(同上)

もちろん法成立に至るまでには、海外での日本バッシングキャンペーンなど様々なことがありましたが、地方自治体の動きが国の法律制定に実際に影響したというのは印象深い出来事です。

今回の集会でも、札幌の実績が今後の国の規制実現への布石になる可能性が指摘されていました。8週齢規制に限らず、自治体の取組みには期待したいと思います。


札幌市の条例案自体は、こちらに掲載されています。


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