2007.10.29最終更新

 

 2006年に改正され、2007年12月10日施行となっている遺失物法について、情報をまとめました。

 改正のメインは、落とし物の保管期間を6か月から3か月に短縮したり、個人情報が記録された携帯電話などを拾得者へ譲渡することを禁止したり、法律を現代生活に合ったものにするためのものですが、所有者不明の犬や猫の処遇については、動物愛護法上の引取りとする方向で法律上の整理がなされたため、殺処分までの期間が短縮されるのではないかと懸念されています。

 所有者のわかる犬・猫に関しては遺失物法の対象ですし、犬・猫以外の飼育動物も「逸走の家畜」として遺失物扱いなのですが、ただ、保管に不相応な費用や手数がかかる物件は売却でき、さらに買受主がいなければ廃棄その他の処分ができるとされ、動物もその対象に明確に含まれたため、2週間で処分できることになってしまいました。

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条文など

[新法] 遺失物法 全文PDF

第一章総則 (定義)
第二条 この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。

第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置
第一節 拾得者の義務
第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。

2 施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。

3 前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第三十五条第二項に規定する犬又はねこに該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない。

遺失物法案に対する附帯決議

三、動物の愛護及び管理に関する法律の規定に基づく所有者が判明しない犬又はねこの取扱いを見直し、安易に殺処分されることのないよう、都道府県等に対し、犬又はねこの取扱いの具体的な方法、要件等について統一的な基準を示すなど、動物愛護の観点から必要な措置を講ずること。

遺失物法施行令 全文PDF

遺失物法施行規則 全文PDF

遺失物法等の解釈運用基準について(通達)  全文PDF

(4) 「逸走」とは、自ら逃げることをいい、「逸走した家畜」とは、他人の占有していた家畜であって、逸走して当該他人の占有を離れたもので、誰の占有にも属していないものをいう。「家畜」とは、その地方において人に飼育されて生活するのが通常である動物をいい、例えば、牛、馬、豚、鶏、あひる、犬、ねこ等が該当し得る。

なお、野良犬や野良ねこは他人が占有していたものではなく、また、捨て犬や捨て猫は逸走したものではないので、いずれも「逸走した家畜」には該当しない。

また、犬又はねこが、野良犬又は野良ねこであるか否かについては、首輪及び鑑札の有無、拾得されたときの状況等を総合的に判断するものとする。

遺失物法等の施行について(依命通達)  全文PDF

2 拾得者の義務

(1) 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならないこと等とする。(法第4条第1項関係)

(2) 施設において物件(埋蔵物を除く。10から14まで及び17において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、(1)にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならないこととする。(法第4条第2項関係)

(3) (1)及び(2)に係る規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第35条第2項に規定する犬又はねこに該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しないこととする。(法第4条第3項関係)

6 売却等

(2) 警察署長は、提出を受けた物件(埋蔵物及び27の物件を除く。)が傘、衣服等又は動物である場合において、公告の日から2週間以内にその遺失 者が判明しないときは、これを売却することができることとする。(法第9条第2項及び令第3条関係)

7 処分

警察署長は、提出を受けた物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがある場合若しくはその保管に過大な費用若しくは手数を要する場合又は6(2)の場合において、売却につき買受人がないとき等は、当該物件を廃棄し、又は
当該物件を引き渡すことが適当と認められる者に引き渡すこと等ができるこ ととする。(法第10条及び令第4条関係)

遺失物法等の解釈運用基準について(通達) 平成19年8 月10日

(4) 「逸走」とは、自ら逃げることをいい、「逸走した家畜」とは、他人の
占有していた家畜であって、逸走して当該他人の占有を離れたもので、誰
の占有にも属していないものをいう。「家畜」とは、その地方において人
に飼育されて生活するのが通常である動物をいい、例えば、牛、馬、豚、
鶏、あひる、犬、ねこ等が該当し得る。
なお、野良犬や野良ねこは他人が占有していたものではなく、また、捨
て犬や捨て猫は逸走したものではないので、いずれも「逸走した家畜」に
は該当しない。
また、犬又はねこが、野良犬又は野良ねこであるか否かについては、首
輪及び鑑札の有無、拾得されたときの状況等を総合的に判断するものとす
る。
(中略)
3  所有者の判明しない犬又はねこの取扱い(法第4条第3項関係)
法第4条第3項の趣旨は、警察署では動物の飼養や保管に関し専門的な知
識を有する職員や専門の施設を有しておらず、他方で、都道府県等(都道府
県、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市及び同
法第252条の22第1項の中核市(特別区を含む。)をいう。以下同じ。)では
動物の飼養や保管に関し専門的な知識を有する職員や専門の施設を有してい
るため、都道府県等において犬又はねこを取り扱うこととした方が動物の愛
護の観点から見て適切であることから、動愛法第35条第2項に規定する犬又
はねこに該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得
者については、法第4条第1項及び第2項の規定を適用しないこととしたも
のである。
なお、飼い主から犬又はねこが所在不明となった旨の申告があったときは、
都道府県等に当該飼い主に係る犬又はねこが引き取られている可能性がある
ことから、飼い主の便宜を図るため、飼い主からの申告があった旨を都道府
県等の動物愛護担当部局に連絡するなど、当該部局と密接な連携を図ること。

(中略)

(2)  その保管に過大な費用又は手数を要する物件
法第9 条第1 項中「物件の保管に過大な費用若しくは手数を要すると
き」とは、物件の保管に要する費用又は手数が当該物件の価格を上回ると
きをいう。
ここでいう「費用」とは、例えば、保管場所の借り上げに要する物件費、
保管を委託した場合の委託費、動物の檻や餌の購入に必要な費用等をいい、
また、「手数」とは、保管に要する職員の人件費で、例えば、物件の損壊
を防止するため、特別の梱包をして整理するための人件費、動物の給餌に
要する人件費等をいう。
なお、同項の「物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき」と
「物件の保管に過大な費用若しくは手数を要するとき」とは、相互排他的
な関係ではなく、物件によっては、いずれの要件にも該当する場合もある。
例えば、特別な環境を維持しなければ生育することができないような動植
物は、通常の飼養又は栽培の方法によると滅失するおそれがあり、かつ、
適切に生育させようとすると過大な費用や手数を要することとなる。

(中略)

(2) 令第3条第2項関係
令第3条第2項に規定する「動物」とは、生物であって、人及び植物以
外のものをいう。

(中略)

イ一般競争入札等に係るその他の手続
一般競争入札等を行う場合に最低限必要な手続については、令第2条に
規定されているが、これらのほか、
① 危険物を売却する場合においてその運搬等を適法に行うことができ
る者であること、動物を売却する場合においてその飼養又は保管を適
切に行うことができる者であること等の参加資格を定めること。

(中略)

(3) 随意契約に係る手続
随意契約により売却をするときは、令第2条第3項の規定により、なる
べく二以上の者から見積書を徴さなければならないが、危険物や動物を売
却するときは、これらを適切に取り扱うことができる者((1)イ①参照)を
売却の相手方とすることとし、見積書の徴収の段階から物件を適切に取り
扱うことができる者であることを確認するよう努めること。

(中略)

(2) 令第4条第1項ただし書関係
動物である物件については、「引き渡すことが適当と認められる者」と
は、これを飼養し、又は保管することを希望する者であって、引取り後も
これを適切に取り扱うことができると認められるものいい、具体的には、
動愛法第10条第1項の登録を受けて動物取扱業を営む者、動物愛好家、動
物愛護団体及び動物園、地方公共団体等が考えられる。
これらの者に動物である物件を引き渡そうとするときは、その飼養又は
保管の意思及び引取り後における適切な取扱いを行うための施設の準備状
況等について聴取するほか、動愛法、狂犬病予防法(昭和25年法律第247
号)等関係法令に則った適正な取扱いを行うよう指導すること。なお、動
物である物件を「引き渡すことが適当と認められる者」が複数あるときの
取扱いについては、(1)を参照すること。
また、「法令の範囲内で」とは、動愛法、自然公園法(昭和32年法律第
161号)、自然環境保全法(昭和47年法律第85号)、鳥獣の保護及び狩猟の
適正化に関する法律(平成14年法律第88号)、絶滅のおそれのある野生動
植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号)等動物を放つことに
該当する行為を規制する法令に反しないことをいう。

 

参考:

[旧法]遺失物法

第十二条 
誤テ占有シタル物件他人ノ置去リタル物件又ハ逸走ノ家畜ニ関シテハ本法及民法第二百四十条ノ規定ヲ準用ス但シ誤テ占有シタル物件ニ関シテハ第三条ノ費用及第四条
ノ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス

民法

(遺失物の拾得)
第240条 遺失物は、遺失物法(明治32年法律第87号)の定めるところに 従い公告をした後6箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその
所有権を取得する。

動物の愛護及び管理に関する法律

第三十五条
2 前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。

 

 
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