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映画「みつばちの大地」を観て

会員 T.T.

みつばちの大地 (2012)
英題:MORE THAN HONEY
監督:マークス・イムホーフ
公式サイト:http://www.cine.co.jp/mitsubachi_daichi/

以前から、世界中でみつばちの大量死や失踪が発生しているという話は聞いたことがあり、本も出たりしているので関心がありましたが、今回これについてのドキュメンタリー映画を上映していることを知り、観賞してきました。この映画は、2012年にドイツ・オーストリア・スイスの合作で作られた作品で、いくつもの最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しています。

大昔からみつばちは植物の花粉を運び生命を育んできましたが、人間も毎日食べる食物の三分の一はその恩恵を受けているそうです。植物の8割はみつばちが受粉しなければ姿を消してしまいます。しかしここ15年ほどの間に在来種全体の50~90%のみつばちが消滅したと言われています。その原因を探るため、スイスのマークス・イムホーム監督は世界各地を巡り取材を重ねます。

広大な農地が多いアメリカでは、季節ごとに様々な作物の受粉をさせるためみつばちを貸し出す業者がおり、みつばちたちは過酷な長距離輸送を経て各地に運ばれます。途中でストレスや病気、寄生虫に感染し大量に死んだり、運ばれた先の農場で散布される農薬によって死んでしまったりします。

またみつばちは一つの巣に一匹の女王蜂がおりコロニーを作っていますが、人工的に女王蜂になる幼虫を作りたくさんのその幼虫を巣に入れて女王蜂を育てさせ、世界中へ輸出する業者もいます。昔のように自然の中でみつばちに寄り添ってやってきた養蜂とは違い、今はそのようなことはやっていられない規模の養蜂が行われており、はちたちはとても乱暴に扱われ心が痛む内容でした。

アインシュタインは、みつばちが絶滅するとその4年後に人類も絶滅すると言ったそうです。生態系として考えれば、人間のみならず、多くの植物を含む生き物も姿を消してしまうのでしょう。

この映画の見所は、みつばちの生態を見事に捉えた実写のマクロ映像にもあります。内視鏡カメラやマクロ撮影、ハイスピード撮影を用い、女王蜂誕生の瞬間や巣箱内の私たちが見ることのできないはちの様子をとらえ、羽や触覚、舌の動きなども鮮明に映し出されます。またミニヘリコプターや無人偵察機に小型カメラを設置して撮影された飛行中の交尾などの映像も必見です。

通常のロードショウでは見られず、DVDも発売されるかどうかはわかりませんが、神奈川、静岡、長野では今月上映されるようです。お近くの方はぜひご覧ください。

ミツバチ

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