<実験動物保護>欧州委員会がオランダを訴追、罰金刑を求刑

海外動物ニュース

2014.10.20up

欧州委員会は、実験動物を保護する目的で定められたEUの指令を未だ遵守していないという理由で加盟国であるオランダを訴追しました。欧州委員会のプレスリリースの翻訳です。

EU
欧州委員会

プレスリリース

ブリュッセル、2014年10月16日

環境:欧州委員会は科学的目的に使用される
動物の保護に対応しないオランダを訴追、罰金刑を求める

欧州委員会は、科学的目的に使用される動物の保護に関し、EU法を実施していないオランダを欧州司法裁判所に送致した。欧州連合の規則は、実験に使用される動物の数を最小限に留め、可能な限り代替となる方法を使用することを目的としており、2012年11月までに各国で法律を制定しなければならなかった。このEU法は、動物に課される痛みや苦悶、継続する傷害といった評価基準を採用しつつ、動物に対する必要最低限の居住環境やケアに関する基準を定め、動物の使用を規制している。欧州委員会は(オランダで)法律が制定されるまで、罰金として一日あたり51,156ユーロ(およそ6,978,000円)の支払いを課すよう裁判所に申し立てている。

オランダの規制は、研究所などで使用される動物を保護するため既にいくつかの保護を実施しているが、溝は埋まらぬまま、Directive 2010/63/EU(EU の実験動物保護指令)を実行するよう各国に与えられた期限を2年近く経過した現在においても未だ欧州水準の法令順守を充分に満たしていない。実験の目的、絶滅危惧種の使用、実験の過酷さの分類、動物福祉担当組織の確立、動物実験計画に対する事前承認などいくつかの不足が懸念されている。

当初、委員会は2013年1月にオランダ政府に宛てた公式な書簡において懸念点を提起し、その5カ月後にも事由に基づく意見をそえて再度通告した。オランダは、転換が不十分な点については2014年1月1日もしくはそのすぐ後に採決が予定されていた新法案にて対応する旨回答した。しかし、オランダ上院で法律制定の手続きが進められていたにも関わらず、法案の草案は議会での審議を未だに待っている状況である。法案の最終的な採択、交付、施行の日程が決まらぬため、欧州司法裁判所にオランダを召喚することを決定した。

背景

科学的目的に使用される動物保護に関する指令は、実験目的、教育目的、あるいはその他の科学的目的で使用される動物の保護に関して加盟国間の不均衡を解消するねらいを持つ。この指令は、とりわけ脊椎動物や頭足類において実験で使用される動物を最小限に留める意図を持ち、欧州連合の研究が最先端の品質であることを維持しつつ、可能な限り代替となる方法を使用することを要求している。2013年1月1日制定。

加盟国が定められた期日までに国内法において欧州連合の規制を実行できなかった場合、欧州委員会は、裁判所に対する初回送致で財政的制裁を課すよう要求することができ、再度の裁定のための裁判所へ差し戻しはない。

その違反行為の深刻度と期間を考慮して罰金が課される。転換の過程が完了しない限り、その加盟国は遵守していないとみなされ、判決当日から日割り計算で罰金が課される。

 
原文:
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-14-1141_en.htm

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