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<書籍紹介>『だからカバの話』宮嶋康彦著 朝日文庫

投稿日:2018年10月28日 更新日:

『だからカバの話』
宮嶋康彦 著
ISBN:9784022612595

現在版元のサイトでは「品切れ・再販未定」となっており、中古でしか手に入らない古い本ですが、堀井動物園の話が出てくるのでご紹介します。日本の動物園の歴史を紐とくにもよい本です。図書館で読んでみてください。

1997年の『河馬の箱舟』の改訂版として1999年に文庫として出版されました。

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日本に初めてカバが来たのは1911年(明治44年)のことですが、飼育方法がわからず1年半後に死亡。「現在のカバの飼育情況は、その初渡来のときと大差はない」と記す著者は、カバを追って日本国内のみならず海外にまで足をのばすカバ好きです。

しかし、その記録は、カバを通じて記された日本の動物園の動物残酷史そのものです。

そして、そのルポの最後を飾るのが、伊豆シャボテン公園で生まれたと思われるカバのポポ。園長が急死した三重県の移動動物園、アニマルアカデミーウジハラから滋賀県守山市の堀井動物園へもらわれたカバです。

著者は守山の飼育場を見せてもらっているのですが、「その凄まじい飼育の実態に、ぼくは久しぶりに、写真を撮る手が震えるのを感じていた」と記します。

そして、プールすらないポポに引き取り先を探した、今は亡き動物愛護家。
真冬の琵琶湖にポポを入れるという愚かな企画を放映したテレビ局。

「動物を見て、げらげら笑ったり、びっくりしたりするだけで、ええんとちゃう。教育とか研究とか種の保存とか言わんでも(動物園が)娯楽施設であっていいやん。」と述べる堀井園長。

それに対して著者は、「そんな人間主導では動物は消費されるだけではないか。笑いものにされるだけが動物の生命なのか」と厳しい批判を述べています。

しかし、最終的に著者が糾弾するのは、全国の動物園なのです。
余剰動物を生み、動物商に引き取らせる、動物園の責任の不履行。

カバとカバをめぐる人々を訪ね歩く本著は、最後に重い指摘を残しています。
20年経った今にも通ずる指摘を……

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