去年、花火大会イベントの移動動物園でヤマアラシによるケガ

Twitterで既にご報告した件ですが、昨年9月3日、枚方ライトアップフェスティバルというイベントでお子さんが移動動物園のヤマアラシの針で負傷する事故がありました。子どもを診た小児科医が大阪府に通報。

「母親の話によると当該動物園の展示時に管理するものがおらず、ヤマアラシをはじめ各種動物に不用心に接触できる状態だったとの事。受傷したことを訴えるひとも場所もなく、大会本部まで行って消毒を受けたとの事。患者母は、子供の治癒と管理体制の改善の指導を求めているが、それ以上は求めていない。」(大阪府苦情相談受付票より)

この移動動物園は堀井動物園です。

この通報については、大阪府から滋賀県に知らされ、滋賀県が堀井動物園を指導。同園が滋賀県に提出している報告書によれば、スタッフは3名いたが、ヤマアラシはふれあいではなく観賞用のつもりだったので柵囲いのみにして専任のスタッフをつけていなかったと認めています。

▼滋賀県から大阪府への回答(控)

そもそも、一方で動物を触らせながら、こっちの動物はダメなどということは子供には理解できないでしょう。移動動物園で動物を連れてきて柵で囲って子供に見せるという発想自体があまりに安易で動物福祉にかなわないだけではなく、人の安全性も無視したものだということがはっきりしました。

当会で主催者に確認したところ、このイベントを開催するためにつくられている一般社団法人がイベントの主催者であり、今年のイベントでは移動動物園は開催しないとのことでした。(ただし、来年以降どうなるかは決めていないとのこと)

話を聞いたところ、どうも「動物たちをつれてきたら暑いのではないか」という苦情がこれまでにもあった様子です。主催者は「野生の動物も外にいるし、どうなのだろう?」と言っていましたが、野生動物は行動に自由があり、涼しい場所をを求めて移動したり活動時間帯を選んだりということができますが、人間が決めたごく限られたスペースの中でしか動けない飼育動物には当然ながら配慮が必要です。

またこのイベントは花火大会でもあるそうで、動物をわざわざ花火の大きな音にさらすようなことをするのも不適切であり、移動動物園中止でよかったと思いました。

被害者からは特にその後連絡はなく、治療代の補償なども特に行われなかったそうです。

■去年9月頃の堀井動物園のヤマアラシ利用の流れ

時系列で考えてみると、堀井動物園の移動動物園でのヤマアラシの利用は、下記のような流れになっていました。

・枚方ライトアップフェスティバルでのヤマアラシによるケガが9月3日
・大阪府への事故の通報が9月6日
・大阪府から滋賀県への通告があったのが9月7日
・ヤマアラシを連れて行っていたイオンモール各務原での移動動物園開始が9月14日
イオンモール各務原での移動動物園が中止になったのが9月16日
・滋賀県が大阪府に回答したのが9月29日?
・堀井動物園が滋賀県に報告書を提出したのが10月2日?

大阪府への回答に堀井動物園の報告書が添付されているので、最後の2つの日付の記録が違っている可能性もありますが、だいたいこのような流れでした。各務原での移動動物園中止は、ちょうどこのヤマアラシによるケガについて指導中のタイミングだったようです。

当時は、堀井動物園が2回もヤマアラシを逃がしているので、台風の影響で柵が飛ばされたりして逃げませんか?ということだけ気にしていましたが、まさかケガもあったとは!

驚きました。

▼羽村市動物公園のヤマアラシ。
去年5月に堀井動物園から逃げたヤマアラシは、ここ由来だそうだが…

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