JAZAが福祉についてステートメントを公表、非加盟園にも言及!


▲「めっちゃさわれる動物園」リオンくんのあまりに狭い環境(今年2月)

滋賀県のショッピングモール「ピエリ守山」内にある動物施設「めっちゃさわれる動物園」のライオン「リオン」くんが3メートル×4メートルほどしかないガラス張りの環境で飼育されており、ストレス行動と思われる動作で流血も起こしていたことほか、多くの問題点について、非常に多くのご意見をいただきました。

SNSでの呼びかけ・情報提供などで精一杯でまとまった情報をブログへアップすることができておらず申し訳ありません。一点、朗報について先にアップします。

(ほかの点、追ってアップしていきます。当会サイト内の堀井動物園の情報がたどりやすいように、まとめのページも作りましたので、こちらもご参照ください。)

JAZAがステートメントで非加盟施設の動物の福祉に言及!

全国の動物園・水族館で構成される「日本動物園水族館協会」(JAZA、日動水)が、先週の金曜日に「動物福祉に配慮した展示動物の飼育について」と題するステートメントをウェブサイト上で公表しました。全文は是非リンク先をご覧ください。

ステートメントでは施設の具体的名称は挙げられていませんが、「滋賀県のショッピングモール内にある動物園」のライオンと「熊本県内の動物展示施設」のチンパンジーについてコメントされていますから、明らかに「めっちゃさわれる動物園」のリオンくんと、「カドリードミニオン」のプリンちゃんのことです。

めっちゃさわれる動物園(堀井動物園)はもちろんJAZAには加盟しておらず、カドリードミニオンは過去にJAZAを脱退をした園になります。

JAZAはこれまで、非加盟園館の問題には関与できないという立場をとってきましたから、このステートメントは非常に画期的なものです。

今回このようなステートメントの公表に至ったのは、リオンくんについて調査を依頼したWild Welfareなどの海外の団体や、国内からも意見があったためとのことですから、写真と市民の声の力はとても大きいと思いました!

また、もう一つの背景としては、先月5月の総会で新しい倫理福祉規程が承認されており、今年は福祉に取り組むという方針が立てられていたこともあったのではないかと思います。

リオンくんについては、実は今年2月、当会からもJAZAに相談をしたのですが、その際は新しい倫理規程を策定中との回答でした。

そのころは正直、堀井動物園のことをJAZAに言っても仕方がないという状況だったのですが、堀井動物園にはJAZA加盟の動物園由来の動物がおり、その意味で、JAZAとして動物の行く末に責任をとってほしいと当会では考えました。

堀井動物園は長年、「行き場のないかわいそうな動物園の余剰動物を受け入れている」などと喧伝し(実際には他に行き場があるであろう動物を普通に買っていたりもするのですが)、そのことを動物の飼育レベルが低いことの言い訳にしてきています。

生かしているのだから倉庫のようなところに押し込めて飼っていても免罪されるだろうという論理です。

まずこのようなところには動物を渡さないことが重要ですが、他の動物園も後ろ暗いところがあっては強く出られないでしょう。ですから、JAZAがルールを整備し、この点にきっちり取り組むことが非常に重要になってきます。

リオンくんについては、JAZAから県に状況の聞き取りを行ったとのことで、「県の指導がきちんと果たされることを期待しています」という締めになっているのは若干心もとないものもありますが、リオンくんをきっかけに動物園水族館の団体が一歩踏みだしたことは、日本の多くの展示動物にとって大きな朗報だと思います。

JAZAは、今年は動物福祉に取り組むと言っています。

※追記:ライオンはJAZAの血統登録の対象になっておらず、繁殖は管理されていない状態です。たくさん生まれていて余っている状況がありますが、不幸なライオンを生み出さないという、逆の意味で血統管理が必要なのではないかとも思います。

JAZAの新しい倫理福祉規程

今年、かつての「倫理要綱」は新たに「倫理福祉規程」へ名前を変え、既に新しいバージョンがウェブサイトで公表されています。これだけだと非常に簡素に感じてしまうのですが、実際にはこの下に要綱や規程などを整備中とのこと。ぜひ国際的にも恥じない内容にしてほしいと願っています。

ちなみに、アメリカ動物園水族館協会(AZA)の動物の入手等に関わる指針の翻訳をこちらにアップしましたのでご参照ください。

冊子「野生生物への配慮 世界動物園水族館動物福祉戦略」

JAZAは、WAZA(世界動物園水族館協会)が2015年に発刊した「野生生物への配慮 世界動物園水族館動物福祉戦略」という冊子の和訳を出版しています。JAZAのサイトから購入もできますし、PDFで読むこともできます。

世界中の動物園が今どのような方向性で福祉に取り組もうとしているか、考え方から組織づくり、現状の研究成果などまで概観できる冊子となっており、このようなものを見るにつけ、動物を倉庫のようなところに「保管」したり、「めっちゃさわれる」状況に置いたりすることがいかに時代遅れかということを感じます。

今年1月に日本にも来ていた動物福祉の大家、デイビッド・フレイザー博士が序文を寄せ、国際的な動物福祉団体も名を連ねるような冊子がJAZAから出版されるというのは、日本も時代が変わってきたな…ということを感じます。

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