めっちゃさわれる動物園、数日で死亡したサーバルキャットがいた

滋賀県の移動動物園「堀井動物園」が運営するショッピングモール「ピエリ守山」内の「めっちゃさわれる動物園」。不適切な動物の取り扱いが次々ネットで報告される中、ずぶとく、話題のアニメに便乗した企画をやったりしているようですが…

そのサーバルキャットも、オスメス2匹が入ったにもかかわらず、1匹は数日で死亡していることを、皆さん、ご存知ですか?

昨年3月にめっちゃさわれる動物園に入った2匹は、東京の羽村市動物公園が動物商の南北貿易と動物交換することによって手放したレンとリン。1歳でした。ブログによると、レンがオスで、リンがメス。

めっちゃさわれる動物園に今いる2匹を知っている人は「あれ? その2匹なら今いるよ?」と思うかもしれません。(今の2匹の名前と性別を教えてくださった方、ありがとうございます!)

実は、今いるオスのレンは、去年の12月にめっちゃさわれる動物園に入った、別の個体なんです。

バーバルキャットは特定動物に指定されていますから、数の増減は自治体に報告義務があります。その記録によると昨年3月に2匹入ったものの、そのうちの1匹は最初から死亡の報告です。県に確認したところ、その1匹は、来て数日で死んだので、最初から死亡の報告であったとのことでした。

つまり、この死んだ個体と同じ名前を、12月に入った個体につけたということ。変わったことをしますよね! 当会も、うっかり羽村市の2匹がまだ生きているのだと騙されました。

死んだサーバルは健康だった

もしかして、「堀井動物園は、病気があったり障害があったりするかわいそうな動物を引き取ってあげているから」という美化されたお話を信じている方がいて、「きっとレンはもともと病気だったんだわ」とか思うといけないので、ここで大事なことを一つお伝えしますが、羽村市動物公園には2匹に病気や障害があったのか確認しており、「ありません」との回答をいただいています。(下記参照)

もちろん輸送ストレスなどの可能性もありますが、サーバルの寿命は15年~20年くらいと言われていますから、かなり若い死です。

実は羽村市動物公園に質問をしたときは、まだレンが死んでいることについて確認がとれておらず、動物商から堀井動物園の手に渡った理由が病気や障害のせいではないことを確認したくて(つまり、堀井氏が本当は健康な動物も買っていることを確認したくて)質問したのですが、結果として、何やら死んだ理由を探るために聞いたような形になってしまいました。

ちなみに、堀井動物園に死因等を聞くことは今回はしていません。キリンのときに「園長が泣きじゃくって答えにならない」という理由で答えてもらえませんでしたので……。いろいろ悩みまして、止めました。

マイクロチップについて県から園に指導中

ほか、堀井動物園が滋賀県に個体識別措置の有無について届け出ておらず、マイクロチップ番号についても県が把握していないため、羽村市動物公園にはマイクロチップの有無についても聞きました。

結果、チップは入っているとのことだったので、動物商が堀井動物園に伝えていない可能性を疑いましたが、どうも堀井動物園は知っていて届け出ていないようで、現在、このことも県から指導中です。

しかしさらに驚いたことに、滋賀県が所有している、危険な動物にも使えるタイプのマイクロチップリーダー(離れたところから読み取れるもの)が壊れているとかで、サーバル導入時に読み取りを行っていないとのことでした。しかも、1年以上経った今もまだ機械は壊れているというのです!

いつ動物を逃がすかわからない動物展示業者が県内にいるにもかかわらず、これはまずいのではないか…と思いますが、どうも滋賀県は警察等にもリーダーが配備されておらず、マイクロチップ自体にあまり実効性がある地域ではないようです。

確かに、県内に1匹しかいないような外来動物が逃げた場合はチップを確認するまでもないでしょうし、「動物が逃げていれば堀井動物園」という地域なのかもしれません…。

羽村市に抗議書を送付

実は、羽村市動物公園のサーバルやカラカル、ヤマネコなどを見たときに、「旧態依然の檻であまりにかわいそうだ」と感じたのですが、今のめっちゃさわれる動物園の狭いガラス張りで湿気のこもった空間を思うと、羽村市動物公園の檻も少々マシに思えてくるから不思議です。

サーバルは、ほとんどのネコ科の動物と同じく、基本は単独での生活ですが、めっちゃさわれる動物園では、床面積とガラスの2階を合算しても2.5メートル×2.8メートルのところに2匹入れられており、闘争を起こすと1匹は小さいケージに入れられるそうです。

本来ならばアフリカのサバンナで、高い運動能力を生かし、狩りをして暮らすサーバルたち。アニメがもたらした流行によって不幸な個体が増えるのではないかと懸念します。

そして、動物園などが余剰個体を生み出し、行き先を動物商に任せている限り、堀井動物園のようなところにその不幸な動物が集まります。

一昨日、羽村市長にあてて、今回の無責任な余剰動物放出について抗議書を送りました。人知れず死んでいったレンのために、そして、今も自由を奪われ生きるリンとレンのために―。(全文はこちら

とてもかわいいですけど、彼らはイエネコではありません。

自由が似合う、野生動物です。

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こちらは抗議書の全文です。詳細はこちらをご覧ください。補足説明もあります。追記:8月8日付で回答をいただきました。こちらでご報告しています。 2017年7月17日羽村市長 並木心 様PEACE […]

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追記:補足説明をこちらにアップしています。
追記2:羽村市から回答がありましたので、こちらに掲載しました。

▼羽村市動物公園のサーバル

羽村市動物公園への質問と回答

1.サーバルキャットは特定動物ですが、貴園では個体識別措置はどのような方法で行っていますか?

・マイクロチップを挿入しております。

2.2016年に動物交換されたリンとレンには、マイクロチップが入っていたでしょうか?

・はい、挿入しております。

3.マイクロチップが埋め込まれた個体を動物交換で動物商に渡す場合、登録番号等の情報も一緒に動物商に渡しますか? 病歴・治療歴や飼育上の注意事項など、個体の情報についてはどうでしょうか。

・はい、個体情報(生年月日、病歴、治療歴、チップ№、給餌内容等)を書類、データでお渡ししております。

4.リンとレンには、引き取り手がなかなかつかなくなるような病気や障害などがあったのでしょうか?

・ありません。

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