有害な擬人化とは何かを考える
マスメディアなどが動物について表現するとき、しばしば表面的な擬人化(superficial anthropomorphism)が行われます。表面的な見た目に基づいて動物の行動を人間の行動に似ていると解釈することであり、その予測はしばしば間違っていると指摘されています。たとえば、実際には恐怖を感じしかめっ面しているのに、チンパンジーの顔を笑顔だと宣伝したりする等のことを言います。
動物の内面を理解しようとする試み自体は責めらるべきではありませんし、現在の科学的知見や解釈が間違っていることもあるかもしれません。しかし、現実の動物が理解しているはずのないことにまで話を広げるなど、あり得ないファンタジーが堂々と報道などで述べられることがあります。
人間が気持ちよくなることを優先して、間違った解釈を広めるような擬人化は有害です。そうした有害な擬人化は、回り回って動物への無理解を広め、保護や福祉を阻害することにもつながります。
このページでは、目に余る間違った擬人化について、事例を掲載していこうと思います。
動物たちもふだんとは違う園内の風景に興味津々の様子で、ブチハイエナは子どもの動きに合わせて展示スペースの中を走り回り、テナガザルは大きな声を上げて声援を送っているような姿を見せていました。
子どもたちはたくさんの動物たちの応援を受けながら最後まで元気いっぱいに走り抜けました。
NHKは公共放送であるのに、なぜこのような嘘で子どもや市民をよろこばせようとするのでしょうか。おそらくNHKは、「動物園の動物は人間を楽しませるための道具として飼育れているものだ」程度の認識でしょう。嘘を言って人々を喜ばせればいいと思っているのです。
こんないい加減な報道をしているのに、動物園はNHKに抗議もしません。見解を問いましたが、有益な回答は得られませんでした。本当に動物について理解させようとしているのでしょうか。
実際に放映された動画に映っていたテナガザルの叫び声は、普段と違う園内の様子に確かに反応していました。どちらかといえば警戒やネガティブな反応と見るべきでしょう。
参考文献
Brooke Harris “Media and Human Portrayal of Animals” Medium, https://beh273.medium.com/media-and-human-portrayal-of-animals-60ceabd25892