跛行牛 足の不自由な牛 曲がれない

株主総会で聞いてみた2026年① 森永乳業 アニマルウェルフェアポリシーへの準拠状況の確認は?

森永乳業株主総会投稿用画像

2026年6月25日、森永乳業株式会社の第103期定時株主総会がありました。
酪農場で働かれていた方が参加し、質問をされました。

質疑はウェブサイトでも公開されるとのことだったそうですが、公開されたものを見てみると、かなり短いです。

森永乳業株主総会質疑アニマルウェルフェア部分抜粋

もう少し詳しい報告をInstagramにアップしたものを、ブログにも転載します。

株主総会での質問と回答

質問

乳牛のアニマルウェルフェアについて質問させていただきます。

私は、森永の商品に使われる生産しているいくつかの酪農場で働きました。

そこでは牛を蹴ったり、掃除道具や竹の棒で叩いたり突いたりするといったことが日常的に行われていました。牛の動きはゆっくりです。でも作業者の多くは「ほら行け!」と怒鳴りながら牛を急き立て殴ったり蹴ったりするのが当たり前になっていました。

乳牛は産後に起立が難しくなることがありますが、子供を産んだばかりでなかなか立てない乳牛の背中を、スコップで何度も何度も叩いて、尾の付け根から出血した牛もいました。

また跛行の牛も多かったです。跛行と言うのは牛が足を痛めて引きずる症状のことです。私の観察したところ搾乳牛の1/3が足を引きずっていました。

こういう牛は足が痛いので立ったり座ったりという日常的な動作も困難になります。そのため一日中立ったまま過ごして、ガリガリに痩せていくということもありました。私は責任者に対してこういった牛の足を治療しないのかと聞いたことがあります。責任者は「この牛は潰すから治療しない」と言いました。潰すというのは屠殺場へ運ぶということです。結局その牛は一か月そのままで、足を引きずりながらガリガリに痩せて屠殺場へ運ばれていきました。

跛行は牛の責任ではありません。管理者がアニマルウェルフェアに配慮しない不適切な環境で牛を飼育していることが原因です。そのため海外では跛行は動物虐待だとも言われています。しかし私が働いた酪農場では足を痛めて寝床から降りられない牛がいると、スコップで何度も何度も叩いたりすることがおこなわれている状況でした。

こういった牛の扱いは、森永が掲げるデイリーアニマルウェルフェアポリシーに反するだけではなく、動物の愛護及び管理に関する法律にも反するのではないかと思います。

そこで質問なのですが、森永では国のアニマルウェルフェア指針にも言及したデイリーアニマルウェルフェアポリシーを掲げていらっしゃいます。

そのポリシーに調達先酪農家が準拠しているのかどうかということを農場ごとに確認していただけないでしょうか? 他社食品メーカーのキユーピーさんは卵をたくさん使っていますが、採卵養鶏場に対してヒアリングや現地視察を行い、アニマルウェルフェア指針の準拠状況の確認を進めているということです。

酪農の場合、戸数が多くて大変だとは思いますが、少しずつでもいいのでそれぞれの農家さんに森永のポリシーへの準拠状況を確認していただけないでしょうか?

回答

議長をしていた大貫陽一代表取締役社長から回答がありました。

・アニマルウェルフェアというのは重要だというのは認識している。アニマルウェルフェアポリシーも掲げており、強化していきたい

・生産者と乳業者からなる団体に森永も入っており数年前に牛の虐待が問題になったことがあった。

・日本の場合は酪農と乳業が別々になっているので、酪農についてメーカーがいろんなことを直接やり取りするのが非常に難しい面がある

・酪農場ごとに確認するのは難しいが酪農組合らが一堂に会する場に定期的に出席しているのでそこで確認することはできるので、今話してもらったことを確認させていただきたいと思う。

🐄💔🐄💔🐄

質問された方の印象としては、ふわっとした回答しか得られなかった、とのことでした。

乳牛たちの置かれた状況は苦痛にみちたものです。そして酪農でも、若くして牛たちは肉にされます。メーカーに声を届けるとともに、ライフスタイルを見直しましょう。

補足情報

社長の回答にある、数年前に牛の虐待が問題になったことがあったというのは、茨城県畜産センターのことかもしれません。私たちは当時、畜産センターの件で連携して動いていたARC、JAVA、PETAアジアと連名で質問書を送り、森永乳業からも回答を得ています。

森永 茨城県畜産センター 回答

回答の最後に、回答時点で茨城県産生乳の搬入がないことが書かれていますが、茨城県畜産センターの生乳卸先であった「ひので酪農業組合」のサイトには、当時、販売先として森永乳業の名称が載っていましたし、今現在も載っています。

ひので酪農業協同組合HP

ほかにもコープが取り扱う「森永のおいしい牛乳」の生乳産地として茨城が挙げられている資料などもあったので、森永乳業において茨城県産の取り扱いがないわけではないと感じました。

そこで、回答があってから、協力してくださっている方が森永乳業のお客様相談室に問い合わせたところ、以下のような回答だったとのことです。

茨城から近い森永の東京多摩工場における牛乳の産地は、山梨、埼玉、群馬、栃木、千葉、静岡、長野で、需給状況に応じて、茨城、北海道、宮城、岩手のものも使用するということでした。
またデイリーアニマルウェルフェアポリシーについては、「指定生乳生産者団体に伝えている」という回答のみでした。
常時の取り扱いではないので、回答時点で搬入がなかったのも、間違いではないのでしょう。
今年の株主総会の回答も、当時の回答と同じような内容です。産業構造上の問題によって、乳業メーカーによるアニマルウェルフェアには取り組みに限界があるようにも思います。
私たちとしては、少しでも改善事例が目に見えるとよいと思いますし、誰かが動物福祉の観点から査察を行う仕組みが必要だと考えますが、根本的に、気候変動、飼料の価格高騰等によっても生乳の生産には限界が来ています。乳業メーカーにも植物性飲料へのシフトチェンジが必要です。

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