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野生動物のアニマルカフェ 衛生管理不備とふれあいの危険性が明らかに

野生動物のアニマルカフェ
衛生管理不備とふれあいの危険性が明らかに

昨年、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWF)が東京近郊の野生動物のふれあいを提供するアニマルカフェの25施設を調査しました。その結果、「野生動物の保全上のリスク」「人への傷害リスク」「感染症リスク」があり、対策が不十分であることが判明しました。

WWFジャパン

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下 WWFジャパン)は、北海道大学(北海道札幌市、…

野生動物のペット利用は、生息環境から動物が持ち出されることによる生態系へのリスクがあり、しばしば密猟や密輸などを伴います。

またそれだけでなく、直接野生動物と接触することで人獣共通感染症の感染リスクも増大します。WWFの調査では、一部の野生動物のアニマルカフェから腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌、薬剤耐性菌が検出されました。

一方で手洗い場の設置や退店時の消毒などが不十分である実態も浮き彫りになっています。

この調査は、こうした業態に対する規制強化を求める目的で行われたものです。

報告書概要

  • 複数の分類群(哺乳類、鳥類、爬虫類など)を同時に取扱う野生動物カフェは全体の64%
  • 野生動物カフェで展示されていた個体のうち、IUCNレッドリストで絶滅のおそれがあるとされる(CR、EN、VU)種は31種(15%)、ワシントン条約(CITES)附属書(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)に掲載されているのは、131分類群(1目、3属、127種)(64%)を占めた
  • 接触には高い危険性が伴うと認識されている動物種を展示していた施設は23施設(92%)、該当する分類群は79分類群(1亜目、2属、76種)(39%)、個体数439頭(26%)にのぼった
  • 野生動物と接触するにあたり、接触方法と傷害リスクの説明の両方を実施していた施設は12施設(48%)ある一方で、両方とも実施していなかった施設は11施設(44%)であった
  • 一部の施設から腸管出血性大腸菌(16%)・サルモネラ属菌(8%)・薬剤耐性菌(28%)といった病原性細菌が検出された
  • 感染対策として基本となる手指衛生について観察、聞き取り調査を実施した。24施設(96%)において消毒液が設置されていた一方、手洗い場を設置していたのは14施設(56%)にとどまっていた。また、入店時にスタッフが手指消毒を指導する割合は23施設(92%)と高かったが、退店時にそれを指導するのは14施設(56%)だった(表1)。なお、感染症対策として、施設で実施している清掃や換気、ワクチンの接種状況など具体的な説明を表示している施設はわずか2施設(8%)のみだった
  • 動物愛護管理法で求められる事業者の標識掲示をしていたのは約半数(48%)にとどまった

この調査結果について、朝日新聞、東京新聞などが報道し、先日も産経新聞が取り上げました。

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「触りたい」から「飼いたい」へ カフェで刺激される所有欲

PEACEでは、このWWFのアニマルカフェの実態調査の際に、業登録関連の情報提供を行いました。

第一種動物取扱業の登録をもとに、ここ数年の大都市のデータをたどっていくと、アニマルカフェの入れ替わりが激しく、新規開店がある一方で、閉店も相次いでいることがわかります。

また生体をふれあいに使うだけでなく、販売を行っている事業者もあり、逆に、そもそも販売業者が開業したアニマルカフェもあります。ふれあいカフェからは撤退して販売のみになる業者もありました。

つまり、アニマルカフェで動物をさわらせることで利用者の購買意欲を煽り、生体販売も目的として開業していると言えるのではないでしょうか。エキゾチックアニマルは取引価格も高額で、販売を行えは大きな収入になります。

しかし、家畜化されていない野生動物とのふれあいや飼育は、噛まれる、引っかかれるなどの危険と隣り合わせです。一見ペット化し、人なれしたように見えても、突発的な行動は予想がつきません。幼いころは庇護が必要であるような動物たちも、性成熟すれば自立するのが野生動物です。

野生動物にさわり、えさをやって楽しむのではなく、彼らの本能を尊重して近づかないこと、まして飼おうなどと思わないこと、そして野生動物は自撮りや「映え」の材料ではないことを学ぶべきでしょう。

韓国で野生動物のアニマルカフェが禁止になりましたが、公衆衛生の観点からの調査があったことなどが背景としてありました。

日本も新規出店や業登録の更新ができなくなるような厳しい規制が必要です。開業しては消えていくアニマルカフェは、廃業後の動物たちの行方も不透明です。

消費者が「可愛い」や「癒し」に惑わされず、動物の福祉や保護の意識を高め、動物や生息環境を守ることが求められます。

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