生後たった8か月の小さな体で、母親や生まれた国から引き離され、日本のデパートの屋上に吊り上げられた、かわいそうなゾウ「タカちゃん」を知っていますか? デパートの狭い屋上で、4年間も飼育されました。
8月末日まで日本橋高島屋で、そのかわいそうな生涯や日本におけるゾウ利用の悲惨な歴史についての展示会が行われています。

やっぱりゾウが好き――デパートの屋上にゾウがいた!
会期:2026年3月13日(金)→2026年8月31日(月)公式サイト
開館時間:午前10時30分〜午後7時30分
入 館 料:無料
場所: 高島屋史料館 TOKYO 4階展示室
(東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋S.C.本館)
休館:第2⽕曜(祝⽇の場合は開館し、翌⽇休館)、8月19日(水・全館休業)
主催:高島屋史料館 TOKYO
監修:木下直之(静岡県立美術館館長、東京大学名誉教授)
グラフィックデザイン:原田祐馬、山副佳祐(UMA/design farm)
施工・設営:HIGURE 17-15 cas
展示デザイン:株式会社中山英之建築設計事務所

唯一、高島屋が何か言い訳したそうだったのは下記の小さな掲示です。
(写真が撮れないので、読み上げた録音から文字起こししたため、一部不明です)
会場にはたかちゃんの骨が展示されていましたが「おかえりたかちゃん」との掲示。てっきり生まれた本国に返還されていたのかと思い、ワシントン条約の規制があるのに再度輸送できたのか?と疑問に思いましたが、違いました。上野の科博に収蔵されていた骨を引っ張り出してきただけでした。
死してなお、見世物にされるたかちゃん。
たかちゃんは、4年間高島屋の屋上にいたあと、動物園へ移されますが、最後に移された多摩動物園では、別の子ゾウが連れてこられたが、なじめないので動物商に返却したことなどが書かれていました。恐ろしい時代です。
まだワシントン条約もなく、ゾウの輸入ラッシュの時代。いかに動物園や事業者が身勝手なことをしており、福祉のカケラもないような飼育がされてきたか。そうしたことも、解説がなければ理解できない人も多いでしょう。
そして1990年、その多摩動物園で、飼育場の空堀(モート)に転落し、たかちゃんは死亡しました。
SNSでフォローでシールを進呈とあったので、フォローしたところ、このようなシールをもらいました。一番かわいそうな場面から順番に写真を選んだのもありますが、これを見て何か楽しい気持ちになれるでしょうか。これがグッズになることが、まず感覚としておかしいと思います。

たかちゃんが高島屋の屋上にいたのは、生後8か月以降の4年間で、まだ子どもでした。屋上から降ろすために、階段を歩いて降ろさせるという危険なことも行われました。そのとき使った階段がまだ高島屋にあり、会場から出るとすぐ写真のような展示がしてありました。



まだ子どものゾウだというのに、多くの人を背中に乗せたことがわかります。ゾウライド(象乗り)はゾウの体を変形させ、調教訓練もゾウを苦しめます。まだ成長期のゾウにこんなことをさせていたのだと驚きました。
インドネシアは2025年末、国内のすべての施設でのゾウライドを禁止しました。
バングラデシュ政府も同年、民間所有下にある飼育・使役されているゾウを集め、保護された森林の生息地へと戻してリハビリを行う計画に着手しました。
マレーシアでは、ゾウが天王寺動物園へ送られたことへの反対運動が展開されています。マレーシア市民のほうが動物園はゾウから自然を奪う施設だということを理解しています。
タイでも、利用より自由を与えてほしいという世論が形成され始めていることが日本でも報道されています。そもそも、もうタイは日本にゾウは送りません。
日本人は、いつまでゾウは見て楽しむもの、乗るもの、人間に従うものと考えるのでしょうか。
日本人は動物園のゾウしか知らないから、こんなことになっているのではないでしょうか。
トークイベント 使役ゾウの調教方法を知らない監修者!?
トークイベント企画も行われています。第2回を視聴したメンバーからの情報です。
6/27(土) 高子の部屋_第2回 荒俣宏(作家・博物学研究家)× 木下直之(本展監修)
たかちゃんはたくさんの人を乗せたとか、ゾウは人の言葉や偉い人を理解するとか、前半は予想通りのダメな展開でした。荒俣氏が擬人化するたびに木下氏が「そのように躾されているから」と補足を入れていました。躾って何なんでしょう?!
終わりぎわは、ゾウの単独飼育の問題など、いく分、今の問題にふれる部分もありました。
木下サーカスはサラッとふれて飛ばした感じです。時間が押していたせいもあるかもしれませんが。
ゾウを使役動物として使う前に、人間に逆らえないことを教えるため、子ゾウを母親から単独で引き離し、木枠に縛り付けたうえでブルフックなどで滅多打ちに叩きまくるなど、暴力行為で子ゾウの心を折る「パジャーン」(タイ語)という行為が行われていますが、それはいつ頃から始まり、どの地域で行われているかを質問したら、木下氏も荒俣氏も「パ、パジャーン?」という反応でした。
アジアゾウ利用の歴史を調べた監修者である木下氏がパジャーンを知らないとは思えないですが、企業の企画であるためにしらを切ったのか、本当に知らなかったのかはわかりませんでした。
ちなみに、展示会場でもたかちゃんにパジャーンが行われたかどうかを質問しましたが、過去のことで記録もないしわからないとのことでした。しかし、たかちゃんが大人しく人間を背中に乗せたのであれば、パジャーンで調教済みだったとしか思えません。
結局、都合の悪いことは伝わらないし、記録にも残らない。おそらく動物園も本当のことは知らずにゾウを飼ってきたのです。展示にも価値や意味がある、研究のためだなどといった主張がよくなされますが、動物利用に都合のよい記録や「研究」しかなされないのであれば、研究不正をやっているようなものです。
そもそも飼育自体が不自然な人工的環境で、動物を拘禁状態に置いているのです。拘禁反応が出ている囚人の行動やデータを研究して、これが人間の健康な行動や平均的なデータだと主張することはできますか? 動物ではなぜかそのようなことがまかり通っているのです。
私たちは、人間が動物を苦しめてきた現実を直視し、変えていくことに取り組むべきでしょう。
高島屋意見先
住所
〒542-8510 大阪府大阪市中央区難波5丁目1番5号
株式会社 高島屋
代表取締役社長 村田 善郎 様
電話
日本橋高島屋S.C. 本館
TEL:03-3211-4111(代表)


かつて、たかちゃんのいた日本橋高島屋屋上
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