和歌山県太地町内のクジラ目取り扱い事業者別イルカ生体販売数・死亡数・年度末所有数(2020年以降)
2019年に動物愛護法が改正され、犬猫以外の動物を扱う業者にも「動物販売業者等定期報告届出書」の提出が義務付けられました。それにより、和歌山県太地町で実施されているイルカ追い込み猟(鯨類追込網漁業)で捕獲された鯨類のうち、生体販売に回っている数がわかるようになりました。
イルカ追い込み猟で捕獲された鯨類のうち、何頭が食用になり、何頭が生体展示に回っているかは、以前は水産庁が毎年数を公表していましたが、2015年から、その区別がなくなり生体捕獲分が何頭かが不明になっていました。2020年の改正法施行に伴い、ようやく正確にわかるようになりました。
2022年度分から和歌山県の方針が変わり、民間事業者の数字と公的機関の月別の数字が非開示になってしまいました。よって、現時点で詳細まで判明しているのは、2020~21年度分のみです。
(単位:頭)
猟期 | 生体捕獲 (動物販売業者等定期報告届出書より計算) | 食肉用 (水産庁公表数-生体捕獲) | 計 (水産庁公表数※) |
2021年~22年猟期 | 134 | 440 | 574 |
2020年~21年猟期 | 68 | 680 | 748 |
※水産庁公表数は「捕鯨をめぐる情勢」の各年度板による。
事業者別表の見かた
下記に事業者別の数を取りまとめた表を掲載しました。注意点は以下の通りです。
この組合に所属する「太地いさな組合」が追い込み猟によりイルカを捕獲していますが、第一種動物取扱業の登録は「太地町漁業協同組合」で行われています。下記表の「所有」欄は捕獲による所有を意味します。毎年9月に猟期が始まるので、9月から数字が立ち始め、全て売却されています。
捕獲されたイルカ類は、主に一般財団法人太地町開発公社、太地町立くじらの博物館、ドルフィンリゾート(株式会社大阪海洋研究所)に販売されていますが、数が合わないため、それ以外への売却があることがわかります。数の比較をするため、太地町漁業協同組合の数を除いた計を計算して載せています。
事業者が「動物販売業者等定期報告届出書」に記入したままを載せています。扱った種を全て報告しなければいけない形にはなっていないので、細かく書かれていなくても仕方がない状況です。野生から捕獲される可能性があるのは、捕獲枠が設定されているカマイルカ、スジイルカ、ハンドウイルカ、マダライルカ、ハナゴンドウ、マゴンドウ(コビレゴンドウ)、オキゴンドウ、シワハイルカ、カズハゴンドウの9種です。
2021年度
2020年度
※動物愛護法改正が、この年の6月施行だったので、届け出の数も6月以降になっています。
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