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イルカ・シャチのショーを禁止したフランス
フランスでイルカショーが禁止されたことは、日本でも報道されました。
2026年12月1日から、イルカ・シャチのショー、観客との直接の触れ合い、水槽内での飼育・繁殖が禁じられます。ただし、捕獲された野生動物のためのシェルターもしくは保護区において、または科学研究の一環としてならば、イルカ・シャチを飼育・繁殖させることが認められるという法律になっています。
追加作業中イルカ飼育を廃止もしくは禁止した主な国(新規飼育禁止を含む)下記以外にも、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、コスタリカ、クロアチア、ノルウェー、アイスランドなど、イルカの飼育展示を禁止したり、止めたりした国[…]
この法律が成立した時点で、これに該当する水族館は、フランスにはプラネット・ソバージュ(Planète Sauvage)とマリンランド・アンチーブ(Marineland Antibes)の2か所しかありませんでした。
その片一方の施設、マリンランドで、いま大きな問題が起きています。
所有するシャチ4頭を、日本で建設中の神戸須磨シーワールドに移す計画があるというのです!
須磨海浜水族園は取り壊し、民間企業が経営する神戸須磨シーワールドが新たに開業する
神戸市は、市営の水族館であった須磨海浜水族園(すでに閉園)を取り壊し、そこにあらたに民間企業の経営による水族館を誘致する計画を立てました。公募で選ばれたのは、フジサンケイグループの株式会社サンケイビルを代表とする7社の共同事業体で、シャチショー・イルカショーなどを伴う商業型の水族館が建設されることになってしまいました。
この新水族館の名称が神戸須磨シーワールドになることが公表されたのは、つい先月です。
株式会社グランビスタ ホテル&リゾートのプレスリリース(2023年5月16日 14時00分)「須磨海浜水族園・海浜公園再…
この公表の直前の5月9日、PEACEは神戸市経済観光局観光企画課から下記の回答をもらっていました。
また、新水族館でのシャチの飼育に関しましては、施設を運営する株式会社グランビスタ ホテル&リゾートが所有しているシャチを飼育することになりますが、何頭のシャチを飼育することになるかは、現在のところ未定です。
株式会社グランビスタ ホテル&リゾートとは、鴨川シーワールドを所有し、運営するホテル会社です。
鴨川シーワルドには4頭のシャチ(ラビ―、ララ、ラン、ルーナ)がいますが、施設は既に老朽化しています。また、名古屋港水族館のシャチのうち、ステラは貸与であり、所有権は鴨川シーワールドにあります。(シャチの一覧はこちら)
神戸市の回答から、これらのシャチが神戸に移される候補だと、思い込んでいました。
神戸での開業を止められないのであれば、鴨川シーワルドから全てのシャチを移し、鴨川のシャチショーを終了するのが、現状の日本において最も妥当な選択だと考えられます。
フランス、マリンランドのシャチが神戸に移送される!?
そこへ、フランスから驚くべきニュースが入ってきました。フランスのマリンランドで飼育されているシャチ4頭を神戸に移送するという、とんでもない計画があるというのです。
日本ではまだあまり大きな声になっていませんが、海外では飼育下の鯨類をサンクチュアリ(海域を利用した保護区)に解放する動きがあり、支持を得ています。
フランスのシャチたちも、狭い水槽から解放されるべきです。日本に移されてしまったら、死ぬまで狭いプールで、ショーのために利用され続けることになります。
この問題を報じる、フランスの動物権利団体One Voiceの記事の翻訳を下記に掲載します。特にイヌークという名のシャチは健康問題が指摘されており、日本までの長距離輸送に耐えるか、わかりません。
One Voiceはシャチの日本への移送を止めるべく、オンライン署名を立ち上げていますので、そちらにもぜひご協力ください! 署名文・署名欄の翻訳も下記に掲載しましたので、送信する際、参考にしてください。署名の拡散もお願いいたします。
One Voice s?oppose au projet du Marineland d?Antibes d?envoy…
また、2023年12月に残りのシャチたちの健康状態についての新たな情報がフランスで公表されました。こちらをご覧ください。
さらに、2024年3月29日、健康状態が悪かったイヌークが死亡ました。
以下の記事は、4頭であった当時のままの記載にしていますが、マリンランドのシャチは、現在2頭になっています。
2024年11月26日、フランスの大臣が、マリンランドの2頭のシャチたちを日本に輸出することに反対すると公表しました! これをもってフランスCITES当局へのメールアクション呼びかけを終了いたします。詳しくはこちらをご覧ください。皆さま[…]
翻訳:@mijikanoko
2023年5月24日(水)
フランス、マリンランドのシャチを日本の水族館に移送する計画:
団体One Voice は抗議する構え
2023 年 6 月 1 日更新
私たちはそのニュースを知り、怒りを感じました。
イヌーク、モアナ、ウィキー、ケイジョを搾取し続けてきたマリンランド・アンチーブは現在、年次閉鎖期間中の2023年末か2024年初めにこの4頭を日本に送る計画を立てています。このシニカルな計画を放棄し、4頭の「フランスの」シャチが最終的にサンクチュアリという、飼育以外の環境下に置かれるよう、私たちと共に計画廃止の声をあげてください。
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2019年末時点で、既にマリンランド・アンチーブは、イヌーク、モアナ、ウィキー、ケイジョを中国に送ることを検討していました。4年経った今もなお、マリンランドはシャチによって最後の利益を得ようとしています。私たちと直接連絡を取った内部告発者及び私たちのパートナーである団体ティリクムズ・スピリットからの情報によると、4頭のシャチは輸送用担架のサイズの測定もされたようです。
多くの水族館を所有するレウニドスパークグループは、今度はシャチを日本に輸送する予定です。(- 5月24日午後4時更新 たとえレウニドスグループが否定しても、マリンランドはこの情報を「肯定も否定もしない」とフランスの地方紙ニース・マタンに伝えました。2021年11月30日に動物虐待に関する法律が強化され、その文脈の中で「これらの動物の移籍」に多様な可能性を研究すると付け加えました。)兵庫県の須磨海浜水族園は最終的に神戸須磨シーワールドに改名し、現在再建中です。そして間違いなく、より有利な取引をするために、マリンランドはウィキーの避妊を中断しました。これは、わずか8歳で人工受精させた個体に対する新たな強制生殖を示唆しています。
国はシャチを放棄
国が言うところの「2030年までにシャチの搾取をなくす」というのはこういうことなのでしょうか? フランスの水族館が約束したようにサンクチュアリに動物たちを解放するのではなく、国外に動物たちを排除し、そこで息絶えるまで搾取し続けるということなのでしょうか?
マリンランド・アンチーブは国と地方自治体、双方から公的援助を受けています。誰からの責任を負われることなく、フランスのシャチを好き勝手に操る権限を持つことは容認できません。
新たな搾取ではなく、聖域を!
One Voice は、ホエール・サンクチュアリ・プロジェクト(Whale Sanctuary Project)と協力して、飼育下のシャチをサンクチュアリでの生活に備えるための手順を開発しました。運動不足によって失われた筋肉を6カ月で取り戻し、エサをもらうための芸をせずとも自由に食べることを覚えさせます。徹底的な獣医師の診察と必要なケアがあれば、イヌーク、モアナ、ウィキー、ケイジョはサンクチュアリに定住し、初めて半自由を味わうことができるのです。子供が両親と過ごすのと近い環境で、生涯必要な保護と医療を受けながら、カナダの沖合で泳ぐ彼らの姿を見ることができたら、どんなに喜ばしいことでしょう。
彼らの終わりのない監禁と調教を、今からでも回避できます!
私たちは国に対して、当初からそうあるべく、この種の保護区に資金提供し、他の水族館への移送を反対するよう、求めます。そして終わりのない搾取に反対するとともに、イヌークの不安定な健康状態を心配しています。この長い商業旅行をイヌークにさせたら、生きて日本に到着することさえできるか、わかりません。保持するシャチを考慮し、ニーズを尊重したサンクチュアリにシャチを移送するよう、マリンランドが私たちと協力することを望みます。たとえ日本に売られることになったとしても、私たちはこの決定を決して忘れず、アンチーブで4頭のシャチのために闘い続けるでしょう。イヌークとモアナに関しての専門的鑑定を得るため、6月19日には、エクスアンプロヴァンスの控訴院で訴訟が行われます。
イヌーク、モアナ、ウィキー、ケイジョを日本へ送らず、保護するよう、署名活動にご協力ください!
署名ページ日本語訳
シャチを救おう! 日本での搾取ではなく、聖域を!
マリンランド・アンチーブは、ウォーターパークの再建が進められている日本にイヌーク、モアナ、ウィキー、ケイジョを移送する予定です。
同水族館は、館内で生まれたシャチに対して責任を負っています。シャチ専門の生物学者イングリッド・ヴィッサー博士がOne Voiceのために作成した2つの報告書で証言したように、シャチの健康状態が悪いことを無視することはできません。特にイヌークの健康が心配です。
国もまた、国内で生まれ過ごしてきたシャチに対して責任を負っています。特にエコロジー省は、2030年までにシャチの保有を廃止すると2020年に発表、提案されたサンクチュアリへの解決策を考慮すると約束しています。
日本に行けば、イヌーク、モアナ、ウィキー、ケイジョは、生涯サンクチュアリでの生活を経験することなく、死ぬまで残酷に搾取され続けることになります。
フランスのシャチの日本への移送を阻止するため、One Voice はマリンランド及びその親会社レウニドスパークとの仲裁をエマニュエル・マクロン共和国大統領に要請します。
私たち、下記署名者は、One Voiceに賛同します。
マリンランドは、イヌーク、モアナ、ウィキ、ケイジョのサンクチュアリへの移送を促進すべきであり、それが同水族館の発展への基礎となるプロジェクトである。
署名欄(日本語訳)
- 私は One Voice キャンペーンの情報を常に入手し、その闘いを支援したいと考えています。私は、この目的で情報を受け取ることに同意することを宣言します。
- 私は、フォームに入力された情報が私のリクエストの処理の一環として協会によって保存および使用されることを承諾し、私が 16 歳以上であることを証明します。*
個人データの処理の詳細については、このページの詳細をご覧ください。
※送信後、「Votre signature a bien été validée ! Merci pour votre soutien.(あなたの署名が認証されました! ご協力ありがとうございました。)」の文字が表示されれば、署名は完了しています。
嘆願書に署名する(フランス語版) 嘆願書に署名する(英語版)
シャチたちの受け入れ先について
シャチたちは、カナダのノバスコシア州で進められているサンクチュアリが受け入れを表明しています。詳しくはこちらのページをご覧ください。
飼育下の鯨類を、海洋を利用した保護区域(サンクチュアリ)に解放するための海外のプロジェクト「 Whale Sanctuary Project」が定期的にウェビナーを開催しています。先日開催されたウェビナーは、サンクチュアリに関するQ&Aでし[…]
日本企業にも意見を!
この件で鴨川シーワールドに問い合わせると、株式会社グランビスタ ホテル&リゾートのマーケティング部(広報)に問い合わせるよう言われます。
同社マーケティング部は、もちろん、この件について何も言えないと回答します。
しかし、日本国内からも、フランスのシャチを苦しめないで!の声を届ける必要があります。ぜひ、ご意見をお願いします。
株式会社グランビスタ ホテル&リゾート
メールフォーム:https://f.msgs.jp/webapp/form/20283_daeb_81/index.do
電話:03-5209-4149
神戸須磨Parks + Resorts共同事業体を構成する企業
株式会社サンケイビル(代表取締役社長:飯島一暢)
https://www.sankeibldg.co.jp/inq/
〒100-0004 東京都千代田区大手町一丁目7番2号
本社代表(総務部)電話:03-5542-1300
9:30~17:45(土日祝除く)
三菱倉庫株式会社(代表取締役 社長:斉藤秀親)
https://mlc-hp-inquiry-official.spiral-site.com/other?_ifbs-other=s1_Input
〒103-8630 東京都中央区日本橋1-19-1
JR 西日本不動産開発株式会社(代表取締役社長:藤原嘉人)
https://www.jrwd.co.jp/inquiry.html
〒530-0005 大阪市北区中之島二丁目2番7号 中之島セントラルタワー
株式会社竹中工務店(取締役社長:佐々木正人)
https://www.takenaka.co.jp/j_contact/anfrage/
〒541-0053 大阪市中央区本町4丁目1-13
阪神電気鉄道株式会社(代表取締役社長:久須勇介)
https://www.hanshin.co.jp/inquiry/
〒553-8553 大阪市福島区海老江1丁目1番24号
芙蓉総合リース株式会社(代表取締役社長:織田寛明)
https://www.fgl.co.jp/contact/
〒102-0083 東京都千代田区麹町五丁目1番地1 住友不動産麹町ガーデンタワー
株式会社グランビスタ ホテル&リゾート(代表取締役社長:須田貞則)
https://f.msgs.jp/webapp/form/20283_daeb_81/index.do
〒101-0047 東京都千代田区内神田二丁目3番4号
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