イルカを飼育禁止にした国など、主な海外の動向

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イルカ飼育を廃止もしくは禁止した主な国(新規飼育禁止を含む)

下記以外にも、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、コスタリカ、クロアチア、ノルウェー、アイスランドなど、イルカの飼育展示を禁止したり、止めたりした国は多数ある。

イギリス

1993年以降、イルカを飼育する水族館はないが、市民は鯨類の保護に熱心。つまり、飼育が教育や保護の意識につながるわけではない。

インド

2013年、クジラ目の動物を「ノンヒューマン・パーソン(人格を有する存在)」と認め、飼育を禁止した。

韓国

2018年から、イルカの輸入は事実上禁止されている。また、新たにつくられる水族館ではイルカの飼育を禁止し、動物などに乗ること、触ることなど、動物福祉を害する行為も禁止する等の計画が公表された。

違法に捕獲されたイルカ4頭を自然の海に戻すなど、保護活動も活発。

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カナダ

2019年6月10日、イルカ及びクジラの飼育廃止法(the Ending the Captivity of Whales and Dolphins Act (法案S-203))が可決された。イルカ・クジラを飼育すること、繁殖させること、妊娠させること、精子・胚等を所有すること・入手しようとすることは違法とされた。ただし、負傷によるリハビリが必要な場合や、当局からの認可があった場合は例外とされている。

また、すでに飼育されている鯨類については、これまで通り飼育できる。州からライセンスを受けた場合に限り、科学研究や娯楽目的での鯨類の展示が許可される。違反した者は、最高20万カナダドル(約1千800万円)の罰金。

カナダでイルカ類を飼育しているのは、ナイアガラの滝の「マリンランド」(Marineland)と「バンクーバー水族館」(Vancouver Aquarium)の2か所のみだったが、バンクーバー水族館が2018年1月にイルカ類の飼育・展示終了を決定した。また、マリンランドは、ライセンスを受けていなったことが刑事事件となっている。

フランス

2021年11月18日、イルカショーの禁止や、サーカスでの野生動物の使用の禁止、ペットショップでの犬猫店頭販売の禁止などを含む、新たな動物福祉法案が可決された。これにより、2年後に野生動物のショーが、5年後にイルカショーが禁止となり、7年後にはこうした施設での野生動物の所有自体が違法となる。

この法案の検討が進行中だった2021年1月、パリ郊外の「アステリックス・パーク」(Parc Astérix)はイルカショー廃止を宣言。8頭のイルカのうち、7頭がスウェーデンとスペインの計3カ所の施設に移され、1頭がクッシング病(ストレス指標としても用いられるコルチゾールが過剰に分泌される病気)により安楽殺された。
法案可決時点で、フランスには、「プラネット・ソバージュ」(Planète Sauvage)と「マリンランド」(Marineland)の2カ所に計21頭のイルカとシャチが飼育されている。

その他の主な国の動向

ロシア

中国の水族館に売却するため、違法に捕獲された11頭のシャチと87頭のシロイルカがナホトカ沿岸の狭い生簀(いけす)に閉じ込められていた「イルカ監獄(クジラ監獄)」が、2018年から国際的に問題になった。全頭解放され、漁業会社には罰金が命じられた。

この事件を受け、法規制の動きが出ている。回遊型のシャチは絶滅危惧種に指定され、捕獲禁止となった。(これにより水族館向けの捕獲は実質的に禁止された)

また、ロシアは日本にもシロイルカを多数輸入してきたが、シロイルカも輸出を禁止する方向の動きがある。

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アメリカ

海洋哺乳類保護法(MMPA) の規制により、イルカの捕獲は行われていないが、禁止されているわけではない。アメリカの水族館等のイルカの飼育は、ほぼ繁殖により維持されている。(けがなどで保護され、野生復帰させられなかったイルカを除けば、野生からの導入はない)

動物福祉法(AWA)の下に、飼育下の海洋哺乳類のケアに関する基準が定められているが、スペースに関する数値が恐ろしく狭いままである。

映画「ブラックフィッシュ」の影響により、シャチショーで有名な「シーワールド」がシャチの繁殖やショーの廃止を決定した。

カリフォルニア州は2016年にシャチの繁殖を禁止している。


参考

>動物の搾取のない世界を目指して

動物の搾取のない世界を目指して

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