日本などの水族館のシロイルカ(ベルーガ)や中国で娯楽利用されるシャチの供給源となっていたロシア。
「イルカ監獄」事件を経て鯨類の商業捕獲は禁止されていましたが、ロシア連邦議会機関紙「議会新聞」ウェブサイト2023年7月5日の記事によると、捕獲禁止は教育・文化教養目的にも拡大していました。施行は来年(2024年)9月1日です。
Ловлю морских млекопитающих в учебных и культурно-просветите…
ただ、記事の内容を読む限りでは、委員会の許可を受ければ捕獲できるようで、禁止の実効性がどの程度かについては、まだ未知数のところがあるように思います。法律案第40333-8号は、「連邦法『漁業および水生生物資源の保護に関する法律』の改正について」ですが、条文本文が掲載されているサイトがずっとアクセスできないので、正確なところは把握できていません。実効性がどの程度かは施行待ちかもしれません。(情報あり次第、修正します)
商業目的での捕獲禁止までの経緯は過去記事をご参照ください。
昨年、ロシアが回遊型のシャチを絶滅危惧種に指定したことをこちらでご報告しました。これにより、シャチの水族館向けの捕獲・輸出については可能性がほぼなくなっていましたが、シロイルカについては、懸念が残っていました。日本の水族館は、これま[…]
日本語訳 ※まずロシア語から英語に翻訳依頼し、それをもとに和訳したものであることをご了承ください。
教育目的のクジラおよびイルカの捕獲が禁止される
トピック:2023年7月5日のロシア連邦連邦院本会議
記者:ニキータ・ビャチャニン(Nikita Vyatchanin)
法案:第40333-8号
教育および文化教養目的の海棲哺乳類の捕獲は禁止されることになる。この関連法は、7月5日の連邦議会本会議で承認された。
今回の改正により、採取したそれらの水生生物資源を文化団体が娯楽イベントに使用する権利は失われた。それらの団体は、文化および教育活動の実施においてのみ、それらの生物資源を使用する権利を有する。
同時に、政府委員会の承認がない限り、教育および文化教養目的の海棲哺乳類の捕獲は禁止される。この委員会の構成と実施の手続きは政府によって決定される予定であり、水生生物資源の採取(狩猟)の詳細も明確にされる。
この連邦法は2024年9月1日に発効する予定である。
原文
Китов и дельфинов запретят ловить для использования в учебных целях(ロシア連邦議会機関紙「議会新聞」サイト、2023年7月5日、https://www.pnp.ru/social/kitov-i-delfinov-zapretyat-lovit-dlya-ispolzovaniya-v-uchebnykh-celyakh.html)(英訳はこちらに掲載)
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