日本が最大の消費国 ジャコウネココーヒー「コピ・ルアク」の取り扱い中止を求めるアクション

高価な希少コーヒーのために飼育されるジャコウネコたちの悲劇

日本では、居ながらにして世界中のコーヒーを味わうことができますが、そのなかにひとつ、動物を苦しめていることで知られるコーヒー豆があります。

コピ・ルアク」という、コーヒーの実を食べたジャコウネコが排泄した糞から採取するコーヒー豆です。独特の香りと希少性により高値で取引され、コピルアク、コピルアック、コピルワク、シベットコーヒー、ジャコウネココーヒーなどの名称で日本でも売られています。(インドネシア語でコピはコーヒーのこと、ルアクはマレージャコウネコ(Paradoxurus hermaphroditus)の現地名。シベットはジャコウネコの英名です)

以前は「幻のコーヒー」とされ、一般に流通するようなものではありませんでしたが、現在は、お金さえ払えば買えるようになってしまいました。

こうした消費の拡大を支えているのが、野生のジャコウネコを捕獲して檻に入れ、コーヒーの実を与えて糞を採取するようになってしまった、工場式の生産方法です。

そうした生産農場で飼育されるジャコウネコたちの悲惨な実態について、動物の権利団体であるPETAがレポートを公表しましたので、送っていただいた日本語版を下記に掲載しました。ぜひお読みください。

コピ・ルアク生産のために飼育されているジャコウネコたちは狭くて汚い檻に閉じ込められ、獣医による治療を受けられず、コーヒーの実を大量に含む不自然な食事を与えられ、栄養失調で体毛が抜け落ちているそうです。また、多くのジャコウネコがぐるぐると歩き回り続ける異常行動をしたり、自傷行為に及んだりと、極度の精神的苦痛を示していました。毛皮の養殖場とよく似ています。

日本語の動画もあります。

動画(日本語版)

ヨーロッパ、アジア、アメリカのさまざまな国がコピ・ルアクの常連客となっているそうですが、インドネシアの宣伝サイトでは、特に日本がコピ・ルアクの最大の消費国だと書かれていました。ショックです。

ということは、日本で商業ベースでコピ・ルアクが消費されることで、間違いなく、囚われのジャコウネコがふえています。本来は、野生動物に食べられたコーヒーの実さえも無駄なく使い、味わう、現地の人々の知恵だったに違いありません。それが、商業ベースになってしまうと、とても悲しいことになってしまいます。

PETA Asia

Kopi luwak is often advertised as "wild-sourced," but the in…

野生のジャコウネコの糞由来の、本物のコピ・ルアクは、実際にはごくわずか採取することができず、その程度の量では、本来ビジネスレベルには達しないそうです。コピ・ルアクが商品流通のルートに乗ってしまうと、ジャコウネコを虐待飼育してまで利益を得ようと、偽物をつくる人々が後を絶たたないことになってしまいます。しかも、偽物も本物だとして売られているのですから、区別がつきません。

2013年にもBBCが実態を暴いた

コピ・ルアクについては、2013年にも、イギリスのBBCによって、その飼育の劣悪さが暴かれたことがあります。嘘がはびこっているので、野生かどうかということはコントロールできないとも報じられました。ハロッズは、扱っていた「野生の」コピ・ルアクの生産農園で、実際にはジャコウネコが飼育されていたことを暴かれ、取り扱いを止めました。

BBC News

Animal cruelty during the production of one of the world's p…

コピ・ルアクを初めて買い付け、西側先進国社会に紹介したコーヒーコンサルタントのトニー・ワイルドも、このとき、自分がやったことが間違っていたと認め、本物の野生由来のコピ・ルアクを見つけることは事実上不可能だと記しました。(有名人の排泄物からとったコーヒー豆を売ればよいとも書いています!)

the Guardian

Tony Wild: When I introduced civet coffee to the UK it was a…

ナショナルジオグラフィックの記事もあるので、参照してください。

Animals

Kopi luwak is made from coffee beans plucked from civets’ fe…

今回、調査結果を公表したPETAは、日本の販売事業者に対し取り扱いを止めるよう求めるメールアクションを呼びかけています。

PEACEからも、各事業者にお願いのメールを送りました。取り扱いをしないとお返事くださった、心ある事業者の方もいます。一方、仕入れ先からレポートとは状況が違うと回答があったとする事業者もありました。それが事実か確かめられないことが、根底にある問題です。どうか、取り扱いを止めてくださいますよう、心からお願い申し上げます。

皆さまも、ぜひ周囲の人や、取扱店に、「動物を苦しめてまでコーヒーを味わいたくない」との思いを伝えていただければです。

PETAの調査報告

PETAの調査員がコピ・ルアク農場を訪ねたところ、どの農場でも驚くべき残酷な行為が行われていました。人間を恐れる夜行性のジャコウネコが安心して眠れる暗い寝床もない小さな金網の檻に閉じ込められ、常に人間との望まない接触にさらされていました。檻の中は糞や腐った実などの汚物であふれ、暑さの中、ひたすら喘いでいました。多くのジャコウネコには、ぐるぐる歩き回ったり、自身を噛んだりするなど、極度の精神的苦痛を感じている症状が見られました。血まみれの傷が開いているものもいましたが、動物病院での治療を受けていないようでした。少なくとも1匹は目が見えないようでした。

自由、運動、空間、そして本物の食べ物まで、彼らにとって自然で重要なものすべてを奪われ、逃げ場がないため、ひたすらぐるぐる回り、発狂しています。夜行性の動物は、昼間はひっそりとした樹冠の中で休むのが好きです。しかし、農場では、主に屋外の檻の中で飼われ、暗くて静かな場所で眠ることはほとんどなく、彼らの惨めさと健康状態の悪さに拍車をかけています。ジャコウネコは、農場の利益を最大化するために、コーヒーの実を大量に使った不健康な食事を与えられていました。栄養失調で体毛が抜けてしまう者も少なくありません。

PETAに寄せられたメッセージの中で、ある企業は「100%野生から倫理的に調達されたコピ・ルアクコーヒー」だけを販売していると主張しています。コピ・ルアクコーヒーの販売者は、一般的に同様の謳い文句を掲げていますが、業界関係者は、このコーヒーを生産するのに十分な量の野生のジャコウネコの排泄物を集めることは、ほぼ不可能であるとPETA調査員に語っています。

PETAアジアの調査員は、フィリピンとインドネシアのシベット・コーヒー農園を訪れ、「天然または野生由来」の主張について労働者に質問しました。ある生産者は「マーケティングのため」と断言し、コーヒーの実が入っているかどうかわからないジャコウネコの糞を探してジャングルを歩き回るのは現実的でないと述べました。「自然のものはあまりない」「ジャングルで採集しても年間20kgが限度」と断言する生産者もいます。この量は、ジャコウネコを金網に閉じ込め、コーヒーの実を強制的に食べさせ年間400kgを生産する農場に比べれば微々たるものです。 消費者の需要に応えるためにジャングルでジャコウネコの糞を探すことは、生産者にとって利益にならないことは、常識的に考えればわかることです。

また、生産者が “野生由来 “と表示するのは簡単で、買い手はそのことに気づかないという話も聞いています。ある生産者は、ジャングルで希にジャコウネコの糞に出くわすと、檻飼育のジャコウネコのコーヒーに少量混ぜ、「もちろん我々のコピ・ルアクは野生由来のコピ・ルアクだと言っていい」などと主張してきます。 この業界は、背後にある残酷さを隠すために、嘘とごまかしで成り立っているのです。

ジャコウネコが何年も狭い檻の中で正気を失うまで幽閉され、病気や怪我の治療を受けられず、コーヒーの実ばかりの不自然な食事を強いられ、栄養失調で苦しむことがないようにするための唯一の方法は、コピ・ルアクを完全に断つことです。

また、ジャコウネコは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」で保護されている種であるにもかかわらず、通常生後6ヶ月頃に捕獲され、コピ・ルアクを生産するために、コーヒーの実以外ほとんど何も食べさせてもらえません。さらに、動物を自らの排泄物だらけの檻に閉じ込め、ストレスを与えることは、人獣共通感染症の温床になり、致死率15%と言われるSARSは、ジャコウネコから人間に感染が広がりました。

PETA Asia

Kopi luwak is often advertised as "wild-sourced," but the in…

追記 PEACEがコーヒーについて思うこと

コピルアクを買うのを止めることで、現地の人が収入を得られなくなってしまうと思う人もいるかもしれません。でも知っていますか。そもそもコーヒー豆自体が、先進諸国によって安く買い叩かれていることを。

仕入れ業者は、コピルアクにお金を出すのではなく、普通のコーヒー豆に現地の人が暮らしていけるだけの適正な価格を払って仕入れを行うべきでしょう。

もしコーヒーに高いお金を出せる財力があるのなら、コピルアクではなく、適正な価格で継続的に取引する「フェアトレード」のコーヒーを選んでください。フェアトレードは、それがふつうのことになるくらいに広めていかなければならない取引のあり方です。

経過報告

2023年7月8日追記 但馬屋珈琲店がコピ・ルアクの取扱いを止めました。引き続き、ほかの事業者へ向けアクションを継続中です。

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