国立第二小学校のうさぎ小屋新築中止の要望は残念な経過 7月29日教育委員会定例会傍聴報告

国立市教育委員会定例会2025年7月29日 傍聴報告

うさぎ飼育の問題を理解しつつも プランは変更しない 学校の意向を尊重する

東京都の国立市立国立第二小学校では、屋外のうさぎ小屋の新築計画があります。気候変動による暑さや寒さの厳しさに加え、デリケートなうさぎは学校での適正飼育は不可能です。屋外うさぎ小屋新築計画の中止と、学校飼育の廃止を求めて、PEACEはスモールアニマルレスキューと共に国立市教育委員会に陳情、要望書を提出しました。

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提出した要望書は7月29日の国立市教育委員会の定例会(令和7年度第7回)の議題に取り上げられることとなり、定例会を傍聴しました。

結果としては一度決めたプランは変えられない」「学校の意向を尊重するという残念なものでした。

動物のふれあいへの過剰な消費と期待

教育委員の意見の中に「デジタル化の現代は、子どもが動物にふれあう機会が少ない。そのため学校飼育は必要」というものがありました。そうでしょうか。むしろ各地のイベント会場では移動ふれあい動物園が利用され、動物園や水族館もふれあいや餌やりをさせており、海外には類のないほど街中に動物カフェやペットショップがあふれています。現代では動物のふれあいや消費がむしろ過剰といえます。

野生動物との接触による事故も増えています。動物をさわりたい、見たい、という欲求の前に、動物との距離を考えなおす必要があります。気候変動や動物の過剰消費は、人と動物とのかかわりの新たな局面をみせています。

その中で、昔のような飼い方が現代では不適切飼育に該当するということは、教育委員もわかっているようでした。

人の決定の重さ うさぎの命の軽さ

学校での動物飼育の理由の一つに「動物の死を経験することで、命の重さを知る」というものがあります。それは人任せにしないで、日々欠かさずに適正飼育をした上の話です。学校のうさぎがある日いなくなっても児童は気がつかず、「そういえば最近見ない」「死んだんじゃない?」という程度の認識なのは実際の小学校でもある話です。うさぎ数匹の飼育から、その命と死の重さをどれだけ学校全体で共有できているでしょうか。

「文部科学省が薦めている」「学校は適正飼育できている」とのことでしたが、アップデートされてない権威や価値観が、うさぎ飼育の知識と経験、そして動物福祉を根拠とした市民の意見よりも尊重されたのは非常に残念です。

委員の発言には、以下のようなものがありました。

要望書に書いてあることはもっともだと思う。
昨今の尋常ではない暑さは小動物には負担、もう昔とは違う。
要望書を書いた人はうさぎにとても愛着を持っている。傾聴に値する。
学校でうさぎを飼うならば、一般家庭での飼育と同じレベルが要求される。学校ではハードルが高いのでは。
改築プランが作成されてから日数が立っている。見直しも必要では。

と、要望書に対して一定の理解を示していました。しかしながら、最終的には国立第二小学校の改築マスタープランによる屋外うさぎ小屋新築は、市民や有識者の意見を取り入れたもので変更はできない、学校に飼育の意向を尊重する、という結論です。つまり、一度決めたことは変えられない、ということです。

しかし、その後、学校に問い合わせると、国立第二小学校の先生方はうさぎ小屋新築の計画をよく知らず、建つのかどうかわからなかったり、計画を知らなかったりしていました。市民や有識者の意見を取り入れ、学校の意向を尊重するといいながら、現場の先生には何も知らされていないまま、屋外うさぎ小屋の建築が進められようとしています。

国立第二小学校のうさぎ小屋は令和8年(2026年)4月ごろに建設予定です。校舎改築のために、屋外飼育していたうさぎを現在は室内でケージ飼育しています。うさぎ小屋が新築されればまた外に出し、そのころにはうさぎはさらに高齢化しています。外気の温度差や騒音は、年をとったうさぎにはさらに過酷なものになります。

人間の決定や都合の前に、うさぎの幸せも命も軽いものなのでしょうか。大人がうさぎを尊重できないのに、教材にされたうさぎから児童が学ぶものは何でしょうか。

議論、検証、認識 まだまだこれから

学校でのうさぎの飼育にはどのような効果があったのか。また、やめた学校にはどのような影響が出たのでしょうか。やはり調査と検証が足りていません。

そもそも、なぜうさぎなのか。鳴かない、飼いやすい、入手しやすい。どれも飼育の正しい理由にはなりえません。デリケートなうさぎは決して飼いやすくなく、鳴かないから異変にも気が付きにくいです。

大人までもが「かわいい」「癒されたい」「さわりたい」という気持ちを優先させ、動物の福祉や幸せをないがしろにして消費しています。人間の都合や気持ちの満足に終始し、動物の感情や飼育環境への理解や想像力が育まれてこなかったのです。

おそらく、国立市では今まで飼育動物が議題にあがることがなかったため、委員会の認識や議論がまだ不足しているのだと思います。一度決まったことを変えることは容易ではありませんが、今後も要望と対話を続けたいと思います。

国立市教育委員会には、PEACEとスモールアニマルレスキューから要望書を提出しています。小動物の学校飼育の問題の詳しくは、下記をご覧ください。

教育委員会に意見を送ってくださった皆さま、ありがとうございました。
今後も働きかけをしていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

追記

SARが国立第二小学校校長宛の署名を立ち上げました。ぜひご協力ください!
Change.org

国立第二小学校へ:屋外うさぎ小屋建築の即刻中止と学校うさぎ廃止を求めます…

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