国立市役所

小学校のうさぎ小屋新築の中止の要望書を提出しました 国立市教育委員会に意見をお送りください

屋外うさぎ小屋新築の中止を、そして学校飼育は廃止へ

気候変動により暑さや寒さが厳しくなり、屋外での動物の適切飼育はもはや不可能です。加えて、うさぎの習性にあわない飼育方法や、休日に世話がされていないことなどから、学校うさぎの廃止を求める声が高まっています。

にもかかわらず、東京都の国立市立国立第二小学校では、屋外のうさぎ小屋の新築計画があります。完成予定は令和8年4月ころで、下図の位置に計画されています。(国立市が公開している工事工程計画の表には載っていませんが、全工期の最終段階で設置されるとのこと)

国立第二小 ウサギ小屋 図面 設計図 配置図

PEACEでは、国立第二小学校の屋外のうさぎ小屋の新築中止、および国立市の小学校における動物の飼育の終了を求め、国立市の教育委員会に望書を提出しました。陳情では、スモール アニマル レスキュー(SAR)の皆さんとご一緒しました。

国立市教育委員会に陳情

皆さまからも国立市教育委員会に、屋外うさぎ小屋の新築の中止や、学校飼育廃止を求めて意見を送ってください。

室内に入れたうさぎを再び屋外へ出さないで!

国立第二小学校では現在、校舎改築にともない、これまで屋外で飼育していたうさぎ2匹を屋内に移してケージ飼育しています。しかし、うさぎ小屋が新築されると、室内に入れたこのうさぎたちを、また屋外に出すことになります

うさぎたちを再び寒暖差のある外気にさらし、台風や害虫、騒音もある屋外に出すのは、うさぎにとって過酷すぎ、配慮に欠けています。完成予定の令和8年4月ころには、うさぎはさらに高齢化しています。

体の小さなうさぎは体温調節にとても体力を使います。特に暑さと湿気には弱く、適正温度の18~24℃、湿度40~60%を保つ必要があります。近年、人間でも長時間屋外にいることが耐えがたい気候となっており、当然ですが、うさぎにも適切に管理された安定した環境が必要です。

さらに台風や大雨などの被害も年々大きくなっており、屋外飼育では安全が確保できません。強い雨や強風の中で、うさぎは不安におびえながら耐えることになります。

国立市のほかの小学校では、うさぎ飼育はなくなる

国立市には8校の小学校がありますが、このうち、うさぎ飼育を継続する予定なのは国立第二小のみです。

国立市で現在うさぎを飼育している小学校はほかに2校ありますが、それらの小学校も、モルモットを飼育していた小学校も、今後は小動物を飼育しない方針です。第二小のみ、うさぎ小屋を新築してまで小動物の飼育を継続しようとしています。

うさぎ小屋が新築されてしまうと、現在のうさぎが亡くなった後も、新しくうさぎが導入されてしまうのではないかと強く懸念します。学校飼育が不適切であるだけでなく、「ペット」として取引される小動物の多くが劣悪な繁殖施設から来ていることも問題です。新たに税金で動物を購入することによって、学校飼育がそのようなペット産業を支えることにもなります。

学校うさぎは廃止しよう

SNSでは連日のように、小学校で飼育されているうさぎがかわいそうだ、救いたい、という訴えが各地域から投稿されています。市民の保護活動により、埼玉県志木市ではうさぎを飼育している小学校はなくなったそうです。国立市も、これに続いてほしいと思います。

動物を人が利益を得るための道具とみなし、低福祉状態に置いても問題ないと考える身勝手な態度を小学校教育で教えるべきではありません。うさぎは、小屋やケージに閉じ込めたまま運動させなくてもよい、長時間目を離してもよい、屋外でも室内でもどんな飼育環境でも大丈夫だ、など、児童に間違った認識を持たせてしまいます。

うさぎは丈夫だという誤解もあるようですが、とても臆病で繊細な動物です。現在も学校で飼育されているのは、たまたま生き延びることのできたうさぎであり、環境になじめなかったうさぎは亡くなり、先生の異動や児童の卒業で忘れ去られてきたのではないでしょうか。

うさぎの飼育環境の改善と、一般家庭への譲渡を

現在うさぎを飼育している小学校については、飼育環境を早急に改善し、適切な飼育者に譲り渡すことも要望しました。

屋外飼育している学校は屋内飼育へ切り替え、24時間の適切な温度管理と、温度計の設置を要望しました。室内飼育に切り替えた後は、ケージに閉じ込めずに、一日2回2時間ごとの運動時間の確保、あるいは運動スペースの確保もお願いしています。室内飼育していても、ケージに閉じ込めたままで運動はさせていないのが現状だからです。

また、明らかな異変があっても予算を理由に病院に連れていかない場合も多く、小動物を診ることのできる動物病院での健康診断も要望しました。

過酷な状況を耐えているうさぎたちを適切な飼育のできる家庭に譲り渡し、学校飼育を終わらせてほしいと思います。うさぎたちには、安定した環境が必要であり、安心した暮らしを与えてほしいです。その動物にとって命はひとつ、生涯は一度きりです。校長自らうさぎを一般家庭に譲り渡す決意をし、児童に動物の幸せについて話をした小学校の事例もあります。

国立市教育委員会へ意見をお願いします

PEACEでは、以下の4つの要望を提出し、正式に教育委員会で検討してもらえることになりました。

  1. 国立市立国立第二小学校改築時の屋外うさぎ小屋新築を中止してください。
  2. 国立市の小学校における動物の飼育を終了してください。
  3. 国立市の小学校の動物飼育終了に至るまでは、現状の飼育環境を改善してください。
  4. 現在国立市の小学校で飼育されているうさぎを適切な家庭に譲渡してください。

より前向きな結論が出るよう、ぜひ皆さまからも国立市教育委員会へ意見を届けてください。

要望先メールフォーム

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