学校飼育小屋 劣悪 ふん

うさぎもモルモットも学校飼育を廃止に 「情操教育」に苦しめられる動物たち

うさぎやモルモットの適正飼育の啓発と、学校うさぎの廃止をもとめ活動する「スモール アニマル レスキュー」にPEACEのメンバーも参加しています。学校飼育の現場で実際に起きていることをもとに、レポートを寄稿してもらいました。
ぜひ皆さまの地元でも同じようなことが起きていないか調べ、声を挙げてみてください。
※学校で飼育されるうさぎに関する実例集はこちらをご覧ください。
学校うさぎ実例集

2025年6月1日公開病変があっても治療されない小学校のうさぎ学校で飼育されているうさぎやモルモットの飼育改善の啓発や里親探しを行っている有志のチーム「スモールアニマルレスキュー」から情報をいただきました。ブログ掲載のレポートと[…]

学校飼育動物廃止 ウサギ

学校で小動物の適正飼育は不可能

昭和の時代より続いてきた学校でのうさぎの飼育は、いまや廃止すべきとの声が高まっています。温度変化や湿度に弱く、繊細で臆病なうさぎは、学校での適正飼育は不可能です。モルモットも同様に飼育は簡単ではなく、小さな体のわりに大食漢で排泄物も多く、毎日のお世話や掃除が不可欠です。

近年、さらに気候変動により気温差が激しくなっており、酷暑・酷寒は年々厳しさをましています。もはや屋外で動物を飼ってよい時代ではありません。うさぎやモルモットは室内で飼育し、エアコンやヒーターなどで適正温度の18~24℃、湿度40~60%を保つ、24時間の温度管理が必要です。

日本の夏は高温多湿で、彼らがもともと住んでいた地域の気候とは条件が異なります。また、小さく狭い小屋には、自然界のように、居場所を探したりつくったりする選択肢がないのです。犬や猫も屋内飼育が主流になっていますが、なぜか学校の小動物は動物飼育の意識の変化や動物福祉から取り残されています。

屋外飼育の場合、冬は小屋をビニールや段ボールなどで覆う対策がとられても寒さをしのぐには不十分ですし、夏の暑さには対応できません。屋内飼育でも、放課後や休日はエアコンを切られてしまいます。

うさぎやモルモットは毎日の運動が健康のために欠かせませんが、飼育小屋で暑さや寒さに耐えてじっとしているか、室内のケージに閉じ込められています。時々児童に「うさんぽ」をさせている小学校もありますが、うさぎにリードをつけて散歩させるのはうさぎの習性にはあっておらず、危険なだけです。必要なのは毎日十分な運動ができるスペースです。

学校飼育動物 ウサギ
室内のケージに入れたままで運動をさせてもらえない。休日の冬は毛布をかけられて真っ暗なままの状態だった

昨年、2024年9月には文部科学省初等中等教育局教育課程課に学校うさぎ廃止を求める署名58,708名分が提出されました。提出の際にPEACEもお手伝いをさせていただきました。

署名提出報告

9月12日、学校ウサギ廃止署名の主宰者の方が文部科学省に署名を提出されました。提出に際してPEACEもお手伝いをさせていただいたので、同席をしてきました。署名は58,708名分が提出され、非常に多くの方々が関心を寄せている問題である[…]

学校飼育動物

「命の大切さ」よりも優先される、予算とスペースと大人の都合

動物の飼育は毎日の世話と運動が大切なのは言うまでもありません。うさぎもモルモットも香りに敏感なので、主食の新鮮な牧草を毎日食べ放題に与える必要があります。自然界では捕食される動物なので、狙われないように弱っていることを隠そうとするため、不調に気がついたころには手遅れの場合もあります。毎日の観察も不可欠です。

しかし、週末の土日や連休などの休みには世話を担当する先生や生徒が不在となります。多くの小学校が問い合わせに対して「警備が世話を行っています」と回答しますが、適切な世話が行われているかは疑わしいですし、動物の飼育は水と餌を与えればいいというものではありません。

屋外の小屋にいるうさぎは室内に入れること、室内ではサークルなどで十分な運動スペースを確保して温度管理をすることも、再三お願いするのですが、児童が増えて教室が足りない、予算が限られている、などで対応してもらえません。

病気になっても高額な費用と人手不足を理由に治療されず放置されるケースも多々あります。硬いコンクリートの上で病気に耐え、死ぬのを待つばかりのようなうさぎもいました。

一緒にいたうさぎが亡くなり、いつもひとりぼっちでうずくまっている

学校飼育は廃止へ そして温かい里親のもとへ

大人の都合が動物の命より優先される、これが「命の大切さ」を学ぶことや「情操教育」になりえるのでしょうか。まずは動物の幸せを考え、快適な環境を提供する姿勢を大人が示すべきです。触らせる、飼育させる、それは体験を動物に丸投げにして負担をかけているだけではないでしょうか。

学校は、飼育しているうさぎの年齢や、オスかメスかすら、わかっていないこともあります。これはうさぎの不調や健康診断などのために病院に連れていったことがない、ということを表しています。

学校から保護されたうさぎがまたレンタルで学校に貸し出される事例もあるようですが、これでは児童は「動物はレンタルで借りてよい」と学んでしまいます。

日本の動物福祉は国際社会から大きく後れをとっており、国際団体による評価は最低ランクです。動物を教材として扱い、人間に都合よく扱っている姿を子どもたちに見せてしまっては、いつまでたっても動物の権利や福祉、保護などの意識が育たず、ますます後れをとってしまいます。動物たちに負担をかける教育のまえに、大人が動物倫理や生態を学ぶ必要があります。

学校飼育は廃止にし、動物たちは、あたたかい里親に迎えられて穏やかに安心して暮らせることが最善です。その際は、虐待目的の里親詐欺や、不適切な保護団体には注意が必要です。

教育委員会も小学校も、うさぎやモルモットなどの動物たちは取り換えのきく教材ではないことを認識し、学校での飼育を終了する決断を願います。

糞尿のたまった不衛生な飼育小屋

スモール アニマル レスキューからの実例レポートもご覧ください

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