化粧品の動物実験廃止へ向けた国会質疑<1>

日本でも化粧品の動物実験の法的禁止を実現するために! 社民党・福島みずほ議員が国会で化粧品の動物実験禁止について質問をしてくださいました!

※1回目の質問です。2回目はこちらをご覧ください。
※国会会議録からそのまま転載しています。
※答弁者である神田裕二氏の当時の肩書は厚生労働省医薬食品局長です。

第189回国会 参議院厚生労働委員会 10号 平成27年05月12日

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。

 まず冒頭、動物実験による化粧品についてお聞きをいたします。
 EU、イスラエル、インドでは既に化粧品の動物実験が法律的に禁止されております。韓国では代替法が存在する試験のみ化粧品の動物実験を禁止する方向にあり、ニュージーランドでは国内での化粧品の動物実験の禁止を可決をしました。このような流れがある中、日本ではなぜ動物実験禁止ができないのでしょうか。

○政府参考人(神田裕二君) 医薬品医療機器法に基づきます化粧品につきましては、製造販売の届出に当たりまして動物試験のデータの提出を求めていないところであります。
〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕

 一方で、医薬部外品に当たりますいわゆる薬用化粧品の承認申請においては、OECDテストガイドラインとして採択された代替法の試験の結果があれば動物試験のデータを求めていないところであります。

 一方で、人での使用経験がないような新規の有効成分の場合には、それを含有します薬用化粧品の場合には、現在確立されている代替法だけでは人での安全性を確認することが困難であるため、最低限必要な動物試験のみを求めているというところでございます。

○福島みずほ君 ただ、EU、イスラエル、インドがやっていて、ニュージーランド、韓国などもどんどんその方向に、世界的には動物実験、化粧品については禁止する方向にあります。日本の名立たる化粧品会社も動物実験を禁止しているというところもありますし、また、日本の製品でEUに輸出するものは動物実験していないわけですよね。だとしたら、やれるんじゃないですか。

○政府参考人(神田裕二君) 日本では、日本動物実験代替法評価センター、JaCVAMと言っておりますけれども、そこにおきまして、民間企業の研究機関、大学、公的研究機関が開発した代替法の評価を行っているところでありまして、厚生労働省としては、その活動を支援するとともに、安全性評価に利用できる代替法の活用に関する留意点をガイダンスとして整備をして、業界における利用促進を図っているところであります。

 また、医薬部外品に当たる薬用化粧品の承認申請に関しましても、動物の愛護及び管理に関する法律に基づく3Rの原則に基づきまして、代替法で置き換えられるものについてはできるだけ置き換えると。また、やむを得ず動物試験を実施する場合であっても、動物の苦痛や動物数を減らす試験法を採用するよう、これまでも化粧品会社の実務担当者に対する説明会等の場を通じて指導してきているところでございますけれども、今後、企業に対する一層の指導に努めてまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 でも、例えばウサギの目に七十二時間以上点眼を継続したりラットやマウスの口に強制的に物資を投与したりとか、そういうことをやっていると。今おっしゃった国の体制も非常に弱くて、専門職員は一人だけ、年間予算も約二千五百万円にすぎないと言われています。これに比べて欧州の代替法評価センターは、人員、予算共に日本の百倍以上というのがあります。ヨーロッパでは、ボディショップとかあるいはラッシュとかいろんなところも含め、もうだから動物実験しない、全て化粧品やっていないわけですよね。

 日本の化粧品会社も、輸出するときは動物実験をやっていない製品でやっているわけだったら、やれるんじゃないか。あるいは、もっと代替法についてしっかりやるように予算と人員を確保する。つまり、この管轄はどこかと言ったら厚生労働省なんですね。厚生労働省がはっきりと化粧品の動物実験をできるだけ少なくしていく方向にしっかりかじを切るべきではないですか。

○政府参考人(神田裕二君) 先ほども申しましたように、日本の化粧品会社でも、代替法の開発などを行った場合には、先ほど申し上げた動物実験の代替法評価センターで評価をいたしまして、必要な場合にはそれをOECDの方に推薦するというような取組をしっかり行ってまいりたいと思っております。
〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕

 それから、日本でも全面的に禁止すべきではないかという御意見でございますけれども、カナダですとか欧州、それから米国の化粧品の規制当局が参加いたします化粧品規制協力の国際会議におきましても代替法についての議論が行われているところでございますので、引き続き、会議における議論ですとか各国の動向について注視しながら検討してまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 代替法ももちろん重視するとか、例えばリプレース、動物を使わない、リダクション、動物使用数の制限、リファインメント、苦痛の削減とか、もちろん必要なんですが、今日私が質問しているのは、EU、イスラエル、インドで既に化粧品の動物実験が法的に禁止され、韓国でも代替法が存在する試験のみ化粧品の動物実験を禁止する方向、ニュージーランドでは国内での化粧品の動物実験の禁止を可決した、そういう方向があるのだから、日本も少なくとも検討をもう少し始めたらどうか。いかがですか。

○政府参考人(神田裕二君) 確かに、先生御指摘のように、ニュージーランドですとかヨーロッパ等ではそのように進んでいることは確かでございます。ただ一方で、カナダですとか米国ではまだそのようになっておらないわけでございます。こうした全体的な世界におけます規制の状況について、先ほど申し上げたような国際会議におけます場の議論というものも踏まえて今後検討していきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 実際どういう動物実験をやっているのか、把握していらっしゃいますか。

○政府参考人(神田裕二君) 今手元で把握しているもので申しますと、試験項目について、医薬部外品として動物試験の結果を求めている項目、十数項目の試験項目のうち代替法が開発されているものはまだ三項目ということでございます。

 したがいまして、先ほど申し上げたような具体的な代替法の開発であるとか評価を進めまして、できるだけ動物試験を行わないようにということをまず進めていきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 医薬品はちょっと置いておいて、化粧品に関して、やっぱり動物実験を本当にしていかない。白斑の化粧品が問題になりましたが、あれはラットとかいろいろやっても出てこなかったんですね。ですからやっぱり違うし、それから、今だと人工的に何か物を作って、そこに点眼してどうかなんということもできるわけですから、できるだけ代替法を活用して、その進展をしていただきたい。いかがでしょうか。

○政府参考人(神田裕二君) 先ほども申し上げましたけれども、官民それぞれの研究機関等を通じて代替法の研究開発も進んでいるところでございます。具体的に民間企業からもそのような開発も進められて提案もございますので、先ほど申し上げたような評価をいたしまして、できる限り代替法が広く行われるように、我々としても業界に対して指導をするということも含めて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 日本の大手化粧品会社は既に動物実験をやめています。そしてまた、外国に、ヨーロッパに輸出する場合は動物実験をしていないという製品を輸出していると。ということは、やれるではないかということを私は思っているんですね。是非、動物実験、本当になくしていく方向で、代替品でやれるものをもっともっとやっていただきたい。
 大臣、これ、厚労省管轄なんですよ、このテーマ。いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 動物実験をできる限り減らしていくというのは、その方向性で私もそのとおりだろうというふうに思いますし、世界は流れとしてもそういうふうになっているんだろうと思います。

 したがって、今いろいろお話がございましたけれども、代替法をできる限り開発をして、そういう方向でいくということに関しては、今、局長との議論を聞いてもそうだろうというふうに思いますし、私も動物愛護の精神に満ちた人間として、そうした方がいいかなというふうに思っております。

 ただ、人間の安全ということもよく考えないといけないので、そこをどうするかということで代替法が重要になってくるということだろうと思います。

○福島みずほ君 大臣の動物愛護精神だという力強い答弁、本当に心強いです。

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