日本のライフサイエンス関連の研究費の規模は?
動物実験も含め、日本ではライフサイエンス分野にどれくらいの研究費が投下されているのでしょうか。
■民間も含めたライフサイエンス関連の研究費動向
毎年総務省統計局が「科学技術研究調査」を行っています。これは、公的資金(税金)だけではなく、企業等の民間の研究費も含めた研究開発費に関する調査です。また、そのデータ等をもとに、経済産業省産業技術環境局技術政策企画室が「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-」を毎年公表しています。2つの最新版からピックアップしました。
平成26年総務省「科学技術研究調査」より
- 平成25年度の科学技術研究費の総額は,18兆1336億円(対前年度比4.7%増),2年ぶりに増加
- 企業の研究費が12兆6920億円(研究費全体に占める割合70.0%),大学等が3兆6997億円(同20.4%),非営利団体・公的機関が1兆7420億円(同9.6%)
- 企業の研究費を主な産業別にみると,「輸送用機械器具製造業」が2兆4972億円,「情報通信機械器具製造業」が1兆6708億円,「医薬品製造業」が1兆4371億円
注)上記については,企業の研究費全体に占める割合の上位3産業について列挙 - 第3期科学技術基本計画(平成18年3月28日閣議決定)に定められていた重点推進4分野の研究費をみると,ライフサイエンスが3兆336億円(研究費全体に占める割合16.7%),情報通信が2兆3771億円(同13.1%)などとなっており,ライフサイエンス及び情報通信の研究費全体に占める割合が高くなっている。
経済産業省産業技術環境局技術政策企画室「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-第15版 平成27年6月」より
● 日本の分野別研究費の推移を見ると、2009年度を境にライフサイエンス分野が情報通信分野を逆転。他の主要分野は概ね横ばい。
● 日本の大学等の分野別研究費の推移を見ると、他の主要分野と比べライフサイエンス分野の研究費だけが突出しており、かつ増加傾向にある。同分野の研究費は2012年に1兆円を突破した。
・産業部門では最も研究費が多いのは情報通信分野だが、2007年度以降減少傾向。一方で第2位のライフサイエンス分野は増加傾向にある。ライフサイエンス分野は、2013年には1兆6,455億円となり、10年前の1.5倍程度となった。
ライフサイエンス分野の研究費のすべてが動物実験に使われるわけではありませんが、巨大な産業・研究分野であることは間違いないと思います。
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