【壱岐市議会 会議録】和歌山県太地町のイルカ追い込み猟からイルカを購入することを決定
市議会の9月定例会で、イルカの購入のための補正予算が組まれましたが、それに対し、反対討論が行われたことが会議録からわかります。しかし、購入賛成派の市長(前市長)や議員がおり、補正予算はそのまま通ってしまいました。
会議録の該当部分を抜粋しましたので、ぜひ読んでみてください。イルカの死亡が相次いでいることに問題意識を持っているのに、イルカの捕獲や飼育に反対の世論があることをわかっているのに、壱岐市はイルカを購入したのです。
・文中の「IKI PARK MANAGEMENT」は、壱岐イルカパーク&リゾートの指定管理者で、代表者が未成年に飲酒をさせた問題についても質問が出ていたので、併せて抜粋しました。
・赤字はPEACEによる。敬称等は会議録のままです。
令和5年 壱岐市 議会定例会 9月会議会議録(第5日)〔抜粋〕
〔市長(白川 博一君) 登壇〕
○市長(白川 博一君) おはようございます。 相次ぐイルカの死亡について申し上げます。3日前、9月25日に、イルカパークのイルカ、 名前をジェリービーンズと申しますが、死亡いたしました。
このイルカは、壱岐イルカパークを、学生の実習先としている学校法人福岡安達学園専門学 校ビジョナリーアーツの所有で、令和3年4月21日に「IKI PARK MANAGEM ENT」が預かって以来、2年5か月、推定年齢は18歳であります。
死因等については、昨日、獣医師が病理解剖を行い、現在検査中ではありますが、死亡前は肝 機能に異常が見られ、顧問獣医師、スタッフ、トレーナーにより、懸命な治療を続けておりまし た。市所有のイルカではなく、餌代等も負担はしていなかったとはいえ、本年2月と6月、そし て今回と、相次ぐイルカの死亡に大変な危機感を覚え、予算特別委員会においても、議員各位 から様々な厳しい御意見等をいただいたところであります。
その折にも御説明いたしましたとおり、死亡の原因が分からないという中で、原因の仮説を 立てて検証を重ね、今後も引き続き、海洋環境の改善と健康管理の徹底、飼育技術の向上に向 けて取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、御指摘を踏まえ、再度、海底汚泥の 成分検査や飼育エリア内の潮流調査、また、海水をポンプでくみ上げての海水の入れ替えの検討など、市としても今後御意見等をお聞きする委員会を設けることを含め、検討いたします。 さらにイルカの飼育、健康管理に積極的に関わってまいります。
また、今回、購入搬入予定のイルカについては、事前に十分な体調や健康の確認を行った上 で購入等対応することといたしております。
イルカパークは、本市の観光振興をはじめ、本市にとってなくてはならない施設であること は議員各位も十分御認識のことと存じます。イルカあってのイルカパークであり、そのことが 本市の振興発展につながるものであります。
現在、イルカパークには、平成24年4月搬入以来、11年5か月を経過している推定年齢 30歳の雌、あずきだけとなります。あずき1頭だけになりますと、当然ながら過重な負担を かけることになり、運営上も厳しい状況になってまいります。このような現場の状況にあって、 先ほど来申し上げました対応策について、今後、議会とも十分な協議を重ねながら、取り組ん でまいりますので、何とぞ御理解賜りますようお願いを申し上げます。
〔市長(白川 博一君) 降壇〕
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日程第1.議案第45号~日程第16.認定第8号
○企画振興部部長(塚本 和広君) おはようございます。
先週、9月22日の予算特別委員会において、森議員から発言がありました壱岐イルカパークにおける、IKI PARK MANAGEMENT高田社長の未成年学生との飲酒事案につきまして調査いたしましたので、御報告いたします。
まず、森議員が言われております、未成年学生との飲酒については、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律に基づいてのことと思いますので、二十歳未満ということで御報告いたします。
先日の予算特別委員会終了後、高田氏と面会を行いまして、その事実を確認いたしました。事案の概要といたしましては、IKI PARK MANAGEMENTが授業の契約を行っております専門学校の生徒を受け入れた際、その際に学生が飲酒することを止めなかった事実があると確認できました。その事案について、SNSのグループ内で情報が共有され、そのグループ内に市職員が入っていたことから、壱岐市は、その事案を知っておきながら、何も対処しなかったのかとの御指摘がありましたが、まず当該市職員は、飲酒が確認されている現場に出席していませんでした。また、当該市職員を交えて、そのSNSの内容を確認した結果、確かに法令遵守を促す内容はありましたが、その中で飲酒を示唆する文言等がなく、具体的なやり取りもなかったことから、その場に出席していなかった職員は内容が分からなかったとのことでございました。
本飲酒事案は、壱岐市が指定管理を委託している業務外のことではございますが、管理施設内でそのような行為が行われたことは誠に遺憾でございます。このことを受けまして、顧問弁護士にも相談の結果、高田氏には厳重注意と、二度とこのようなことがないよう強く要請することといたしております。
市民皆様には、本件によりましてお騒がせしたことをお詫び申し上げます。このようなことが二度とないよう指導管理を徹底してまいります。
以上でございます。
○議長(小金丸益明君) 森議員、よろしいですかね。いいですね。森議員。
○議員(1番 森 俊介君) 今の発言の内容だと未成年との飲酒というのは、イルカパークの内部での1回というようなニュアンスを受けたんですけども、市が把握してるのはそれだけということでしょうか。
○議長(小金丸益明君) 塚本企画振興部長。
○企画振興部部長(塚本 和広君) ただいま申し上げたとおりでございます。
○議長(小金丸益明君) 森議員。
○議員(1番 森 俊介君) 僕のところに、その他の複数回の事案が上がってきていますけれども、そちらについて、改めて公というか、報告したときに、市としての対応は変わるというようなことはありますか。
○議長(小金丸益明君) 塚本企画振興部長。
○企画振興部部長(塚本 和広君) 現在のところ、森議員が今言われますような事案は確認できておりません。もしそのようなことがあるようであれば、確認をいたしまして、またそのときに対処してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小金丸益明君) 次に、予算特別委員会委員長報告を求めます。武原由里子予算特別委員会委員長。
〔予算特別委員長(武原由里子君) 登壇〕
○予算特別委員長(武原由里子君) 令和5年9月28日、壱岐市議会議長、小金丸益明様。
予算特別委員会委員長、武原由里子。
委員会審査報告書。
本委員会に付託された議案は審査の結果、次のとおり決定しましたので、壱岐市議会会議規則第110条の規定により報告します。
議案第49号、令和5年度壱岐市一般会計補正予算(第4号)、審査の結果、原案可決。
委員会意見。イルカパーク管理費について、壱岐イルカパークは重要な観光資源であり、将来にわたり持続可能な施設とするために専門家を含む委員会等を開催し、イルカの死亡原因特定に努めること。また、具体的改善策を早急に検討し、飼育エリア内のさらなる海洋環境改善とイルカの徹底した、適切な管理を求める。なお、イルカの購入費用、輸送費用については、縮減に努めること。
以上です。
○議長(小金丸益明君) これから、予算特別委員会委員長報告に対し、質疑を行います。
質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小金丸益明君) 質疑がありませんので、これで予算特別委員会委員長報告を終わります。
〔予算特別委員長(武原由里子君) 降壇〕
~・~・~
○議員(4番 山口 欽秀君) 議案第49号、令和5年度壱岐市一般会計補正予算(第4号)に対する反対討論を行います。
(中略)
次に、反対の第2の理由は、イルカパーク管理費1,128万円に関する問題点です。今日、市長から新たにイルカ1匹の死亡の報告がありました。このようにイルカの死亡が立て続けに続いている現実を直視しなければならないと思います。安易にイルカがなければならない、イルカが観光の面で重要だ、その点だけで今後のこのイルカ購入を進めることは大きな原因究明をしないまま突き進む、行政としてあってはならない、立ち止まるべき事案であると考えます。
今後、イルカの購入に当たって、死亡を防ぐための方策もないまま、水質検査や、小手先の具体策では、また死亡事故を起こしかねない。しっかりとした計画が必要です。無計画な購入はあってはなりません。このようなずさんなやり方を正すことが、今こそ求められていると、ここで一旦立ち止まり、イルカの死亡原因をしっかり究明し、今後確かな計画をもって、イルカの購入に当たることこそ長期的な壱岐市の観光としての位置づけになるのではないかと考えま
す。
しかし、このイルカパークの問題ですが、大きくもう一つ反対理由があります。世界の観光の中で、イルカはどのような存在であるかを見る必要があるからです。市長は、イルカは壱岐市の観光の目玉と言われました。しかし、世界、そして日本の状況はちょっと違う。
まず国際自然保護連合は、イルカの飼育自体は可能、合法だと言っておりますが、ショーは禁じられているとしています。イルカの飼育は動物愛護管理法が適用され、動物の健康と安全を確保することを努めなければなりません。
今、世界中で動物愛護に関する考え方が急速に変化しつつあります。世界の中で、イルカショーが厳しい視線にさらされているわけです。世界的な旅行予約サイトでは、イルカや鯨のショーを含む旅行プランの販売を中止いたしました。北欧最大規模の動物園では、12頭いるイルカのショーの展示を、今後、終了すると発表いたしました。欧米諸国にとどまらず、インド、チリ、コスタリカ、ブラジルなどでもイルカの商業利用が禁止や制限に行われております。そ
して隣の韓国でも、昨年、娯楽目的でのイルカの利用を禁止する法案が国会で可決され、今年、施行される予定であると聞いております。
動物保護団体から、ショーはイルカに必要以上にストレスをかけると指摘も受けています。日本国内でもイルカショーの廃止を求める声が広がっている。東京のしながわ水族館では、リニューアルに合わせて、イルカのショーをどうするかも検討するとしています。
このような世界、そして日本の状況の中で、壱岐市はイルカパークをどう考え、イルカを必要だ、イルカを購入すると、このような今までどおりの考え方で進んでいいのでしょうか。
世界、そして日本の状況をしっかり見て、今後のイルカパークの方向性をしっかり考えることを求めて、反対討論といたします。
○議長(小金丸益明君) ほかに討論はありませんか。中田議員。
○議員(13番 中田 恭一君) 私は賛成のほうで討論をいたしたいと思います。
しかし、先ほどから話にあっております市長の挨拶なりありましたように、イルカが、ここ二、三年で立て続けに死亡しております。反対討論の中にありましたように、水質の検査、特に今年は高温で水温も上がっていると思います。ただ、原因が分からないと、なかなか次のイルカを入れることが非常に考えるところでありますが、現在、いろんなツアーの中で、壱岐のイルカパークをメインとしたツアーも組んでおられます。イルカがいないからと言って、即刻中
止というわけにはいきませんので、今回までは、イルカの導入は私は賛成していいと思っておりますが、これだけ二、三年で立て続けに死ぬと、やっぱり風評被害も出てくると思うんですね。イルカパークにイルカをやれば、全て死んで帰ってくるというような風評被害も出てきますし、動物愛護の観点からも、ぜひ長生きをさせて、かわいがりながら、ショーは減らす分でも、イルカとの触れ合いを主にイルカパークを続けていっていただきたいと思いますので、そ
の辺をお願いしたいと思います。
今後、市長が言われたように、いろんな対策をするということでございますので、ぜひ早急に、逆に言うなら新しいイルカが入ってくる前に調査なりして、その対処ができれば最高だと思っておりますので、ぜひともそういう対策を急いでいただいて、いい環境の中でイルカとの触れ合いができることをお願いをして、賛成討論とします。
○議長(小金丸益明君) ほかに討論はありませんか。森議員。
○議員(1番 森 俊介君) 議案第49号、令和5年度壱岐市一般会計補正予算(第4号)、イルカパークの件について、反対討論行わさせていただきます。
今日、市長から、またイルカが1頭亡くなったという御報告がありました。また、中田議員の今、賛成討論の中で、イルカがやっぱり必要なんだと、壱岐の観光にはという話がありましたが、イルカは必要だとか、観光の目玉になるとか、そういう話では全くないと私は思っておりまして、今、イルカが亡くなっている現状について、できることまだやっていない状況だなと思っているんですね。
イルカを、ずっと見てくださっている獣医さんが、今、幾つもあるイルカの死因の可能性について、いろいろ考察をされておりまして、その中で一番可能性が高いのは、泥の話なんじゃないかという話を獣医さんの見解として聞いております。
その中で、イルカを飼う、飼わないという話ではなくて、先に順番があるよねという話を思っておりまして、先に泥の調査をした上で、そこで改めて問題がないというか、この環境でイルカを飼って平気だなということであれば、イルカを飼うという順番でいいのかなというふうに思っております。
なので、できることをやってから、イルカの死因で、ひとつ可能性が高いものがあるのであれば、そこを調査してから飼うということで、何も問題ないのかなというふうに思っておりますので、その順番を間違えずに先に可能性の高い調査を行ってからイルカを飼うという順番で行っていただければというふうに思っております。
ずっとイルカが亡くなり続けておりますし、3日前にも新しく、新しくというか、3日前にもまた亡くなったということで、本当に由々しき事態だと考えておりますので、反対討論なんですけども、仮にここで予算を通したとしても、イルカを購入する前にひとつ調査を行ってから購入するとか、そういう形にしていただけたほうがいいのかなというふうに思っております。
以上、反対の討論とさせていただきます。
○議長(小金丸益明君) ほかに討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小金丸益明君) 討論なしと認め、これで討論を終わります。
これから、議案第49号を採決します。この採決は起立によって行います。
本案に対する委員長の報告は可決です。委員長報告のとおり決定することに賛成の方は起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(小金丸益明君) 起立多数。よって、議案第49号は原案のとおり可決されました。
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