生態系への深刻な打撃~イルカ追い込み猟で毎年何頭捕獲されている?
イルカの繁殖への影響
水族館が買うのは主にキズのない若いメス。仮に生体捕獲だけ行っても群れは壊滅し、繁殖にも打撃を与える。ショーによく使われるハンドウイルカは近年数が獲れず、水族館が生息数の減少に手を貸している。
イルカは母親を主体とした母系の群れを作り、仲間のメスがベビーシッターの役目をする。オスが子育てに参加することはない。ハンドウイルカが繁殖可能になるのはメスは5歳から、オスは9歳をこえてから。妊娠の周期は2年から3年に1度。1回の妊娠で1頭を出産、妊娠期間は約1年。乳離れにさらに1年半ほどかかる。
イルカ追い込み猟はイルカの繁殖速度をはるかにうわまる周期で捕獲・捕殺している。

減少するイルカの捕獲数
水族館で主にイルカショーをさせられているのは、ハンドウイルカだ。これだけ顕著に獲れなくなってきていても、まだまだ捕獲は止まらない。
その他の種についてもグラフを準備中

2020~21年は事業者別の取扱数が判明した。こちらのページをご覧ください。
2019年に動物愛護法が改正され、犬猫以外の動物を扱う業者にも「動物販売業者等定期報告届出書」の提出が義務付けられました。それにより、和歌山県太地町で実施されているイルカ追い込み猟(鯨類追込網漁業)で捕獲された鯨類のうち、生体販売に回ってい[…]
1961年(昭和36年)開館の伊東水族館に展示のため、安良里で捕獲されたハナゴンドウ3頭のうち2頭は原因不明で死亡、残る1頭は台風で生簀ごと行方不明になった。ハナゴンドウがいなくなったため、川奈で捕獲したハンドウイルカ60頭を川奈港に蓄養したが、食中毒や敗血症、尿毒症などで次々と死亡して4頭しか残らなかった。伊東水族館は1985年(昭和60年)頃に閉館。
1968年(昭和43年)3月14日、福島県いわき市の照島ランド開園のためにカマイルカ27頭が捕獲された。イルカのプールはまだ完成されていなかったため、幅20×8メートル、水深2メートルのアシカのプールに27頭を過密飼育した。そのため約1か月後の4月20日の開園時には5頭しか生き残らず、翌年には2頭になっていた。照島ランドではイルカの火の輪くぐりも行われていた。1975(昭和50年)に閉園。
出典
鳥羽山照夫『海豚博士見聞録 イルカいないか?』マリン企画
『いわき民報 昭和43年3月15日』7面「やっとカマイルカとらえる いっぺんに30頭も 日本で初めて 照島ランド開き間に合う」
『いわき民報 昭和44年7月30日』7面「“火の輪”くぐり成功 照島ランドのイルカ」
ハンドウイルカが動物園のえさに
ハンドウイルカの硬くて肉はまずいとされ、あまり食べられてこなかった。水族館の生体展示の需要と、1980年には動物園のライオンのえさにもされ、捕獲頭数が急増した。人間が食べるようになったのはそれからだという。
イルカ肉は伝統食だからとイルカ追い込み猟を擁護するならば、ハンドウイルカは捕獲してはならないはずだ。
出典
粕谷俊雄「イルカ概論」東京大学出版会
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