2019年改正動物愛護法:衆議院環境委員会議事録

2019年改正法 2020年、2021年施行 動物愛護管理法 まとめ

2019年の動物愛護法改正時の国会質疑の記録です。参議院の環境委員会はこちらをご覧ください。

第198回国会 環境委員会第7号 令和元年(2019年)5月31日

この日は、一般質疑の後に、動物愛護法改正法案提案についての審議が行われました。一般質疑では、堀越啓仁議員(立憲民主党)と古屋範子議員(公明党)が動物愛護法改正に関する質問を行いました。

法案審議では、まず生方幸夫議員(立憲民主党)から趣旨説明があり、続いて質疑的発言として堀越啓仁議員(立憲民主党)、西岡秀子議員(国民民主党)、田村貴昭議員(共産党)から質問が出され、法案提出者である生方幸夫議員(立憲民主党)と小宮山泰子議員(国民民主党)、原田義昭環境大臣、環境省の正田寛自然環境局長が答えました。採決では全会一致で可決され、次に決議についても採決され、最後に環境大臣から発言がありました。

✅主な発言内容の概要 ※衆議院「環境委員会ニュース」より

堀越啓仁議員(立憲民主党)

(1) 二酸化炭素による動物の殺処分が国際的な動向に沿うものであるかについての動議提出者及び環境省の見解
(2) 改正法附則第2項における幼齢犬猫の販売制限の激変緩和措置廃止の特例となる指定犬の対象範囲
(3) 犬猫のマイクロチップの装着義務付け関係
ア 装着義務付けは個体識別だけでなくトレーサビリティーの確保も必須であるとの考えについての動議提出者の見解
イ 装着義務付けによる登録データの引継ぎ方法についての動議提出者の見解
(4) 畜産関係のアニマルウェルフェアに関し改正法第41 条の4における各機関との連携強化として想定している内容
(5) 動物愛護管理法の7年ぶりの改正に向けた動議提出者の思い

西岡秀子議員(国民民主党)

(1) 今回の法改正により特定動物の愛玩目的の飼育が禁止されることの確認
(2) 所有者不明の犬猫の引取り関係
ア 今回の法改正により所有者不明の犬猫の駆除目的の引取りがなくなるか否かについての確認
イ 所有者不明の猫の引取りについて要件を限定した運用をすることに対する動議提出者の見解
(3) 現行の二酸化炭素による動物の殺処分が諸外国における国際的動向に沿うか否かについての確認
(4) 動物福祉に基づく動物の飼養の在り方に関する今後の取組の方向性についての動議提出者の見解
(5) 動物虐待の防止に向けた環境省の今後の取組

田村貴昭議員(共産党)

(1) 今回の法改正が犬猫の殺処分ゼロに向けて果たす役割についての動議提出者の見解
(2) 8週齢規制の施行期日が公布の日から起算して2年を超えない範囲内とされた理由
(3) 多頭飼育崩壊の場合の都道府県知事の立入検査に当たっては飼い主の人権にも配慮し福祉専門職との連携が必要であるとの考えに対する動議提出者の見解
(4) 愛護動物の殺傷に対する罪の法定刑を5年以下の懲役又は500 万円以下の罰金に引き上げた理由及び厳罰化しても動物虐待はなくならないとの意見に対する動議提出者の見解
(5) 犬猫のマイクロチップ装着の義務化の理由及びマイクロチップ未装着の犬猫の殺処分が早まるとの懸念に対する動議提出者の見解
(6) 国の責任で動物愛護管理センターに必要な職員の確保や地方自治体職員定数の増員の措置を図る必要性に対する動議提出者の見解
(7) 残忍な事件の発生を踏まえ社会全体の病理を正すための方策についての動議提出者の所見

※以下は会議録より、該当部分のみをそのまま抜粋しています。

(略)

秋葉委員長 次に、堀越啓仁君。

堀越委員 立憲民主党・無所属フォーラム、自然系国会議員の堀越啓仁でございます。

 本日も質問の機会をいただきまして、改めて感謝を申し上げます。

 それでは、きょうたくさん聞いていきたいことがありますので、質問に入らせていただきたいと思います。

 まず最初に、私のライフワークとして何度も環境委員会の中でも取り上げさせていただきましたアニマルウエルフェアについて伺いたいと思います。

 現在、国の食肉検査等情報還元調査によると、二〇一七年度に食鳥処理された肉用の鶏の二十九万一千八百四十五羽、そして、採卵鶏として使われていた鶏、つまり成鶏の十八万二千八百二十羽、合計で四十七万四千六百六十五羽、すごい数字ですけれども、これが放血不良で全廃棄又は処理禁止になっています。

 放血不良というのは、ネックカット、首を切る際に鶏が動いてしまって、頸動脈をきれいに寸断することができず、そして放血、血を抜くことができない状況のまま、つまり生きた状況のまま、次の処理である熱処理、お湯の中に入れられていってしまう。こうすることによって、生体反応によって皮膚が当然赤くなってしまうわけです。こういう状況の鳥肉というのは市場に出回ることができませんので、これを処理、全廃棄されてしまうという状況になっています。

 これは、何のために殺されたのかという人道的な問題もありますが、こういう状況は、イギリスでは、こういう事態が判明した場合には、食鳥処理場の経営者は、不必要な苦痛を与えたとして有罪判決を受けている、こういう事例もあります。このときの報道によれば、鶏たちは、二分間生きたまま熱湯の中で苦しんで死亡したという調査結果が出ておりますが、やはりこれは当然日本でも同じ時間でありますし、同じ状況であるというのは間違いなく存在しているわけです。

 そして、国内の食鳥処理場は気絶処理を行わないことが多いと聞いておりまして、そのため、首を切るのに失敗する確率が高くなっているというふうに思われます。さらに、本来、湯漬け直前にそれをチェックする監視員が立っているべきですが、それがないなど、管理や意識も不十分であるということが原因の一つだと言わざるを得ない状況だと思っています。

 この解決方法、たくさんあると思いますが、やはり意識をしっかり高めていくということ、そして監視を増員させるなど、当然必要だと思います。こういったことで、欧米では、施設自体を失敗がより少ない施設へと更新していくことでこれらの事例は大幅に減らしていくことができるわけです。

 そこで、いつも私が比較し取り上げているOIEの動物福祉規約の七の五章には、動物の屠畜の部分には、意識ある又は生きた鳥が液体加熱タンク処理装置に入ることがないよう最大限の努力が払われるものとすると禁止事項に強く訴えられているわけですが、先ほどお話しさせていただいた事象は、これはもう動物愛護管理法に違反していると私は考えています。しかし、現在、この日本では、放血不良で苦しんで死んだ鶏の数が過去十年間見ても減少していないんです、変わっていない。先ほどお話しさせていただいた、二〇一七年度には四十七万羽が熱湯に生きたまま入れられて、苦しみながら死んでしまう、そしてそれが食べられるわけではなく廃棄されてしまう、こういう事態がまさに今起こっています。

 この食鳥処理場の中で起こっていること、環境省は厚生労働省の管轄であるというふうに言われておりますが、厚生省は、過去の委員会答弁の中で何度も、動物福祉に関しては環境省の所管だ、つまり、責任は環境省にあるんだ、そういうことを訴えております。

 放血不良は、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、非常に人道的な観点から見てもこれは看過できるようなものではありませんし、国際基準に照らし合わせても、現在の国内法違反であろうものとして、これはゼロにするべきだというふうに思っております。

 しかも、このように死んだ鶏が市場に出回らないということは、別の観点からいえば、先日も食品ロス削減推進法が可決いたしました、私も消費者問題特別委員会の中で質問に立たせていただいたり、決議文を各党根回しをさせていただいて提出させていただいたという観点からもありますので、こういった観点からもやはりこれはゼロにしていくべきだというふうに思っております。

 この件について、環境省として改善の意思はあるのか、さらに、現在も連絡会議等を行っておりますけれども、各関係省庁と連携をして早急に改善に取り組むべきだと思っておりますが、環境省の見解を伺いたいと思います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 環境省では、動物愛護管理法に基づきまして、産業動物の適正な取扱いを確保するために、飼養者等が遵守すべき産業動物の飼養及び保管に関する基準を定めるとともに、動物を殺処分しなければならない場合については、その動物にできる限り苦痛を与えない方法によることを動物の殺処分に関する指針において定めているところでございます。

 また、産業動物への対応につきましては、関係省庁との連絡会議を設けまして、情報共有等を通じてその連携を図っているところでございます。

 御指摘のございました廃棄処分になる鳥の放血不良の件につきましても、定期的に実施してございます関係省庁との打合せにおいて情報共有されたところでございます。

 引き続き、産業動物の適正な取扱いが浸透していくよう、関係省庁との密な連絡体制を確保してまいりたいと考えております。

堀越委員 正田局長、ありがとうございます。

 動物福祉に対して大変理解していただいている局長でございますので、これからも連絡会議の中で、実効性が保たれる、そういった制度をしっかりつくっていただきたいというふうに思っています。

 この食鳥処理場での処理の方法に関して、やはりこれはもう一度改め直さなければいけないというふうに思っております。

 やはり、意識を失わせていない状況の中で、ベルトコンベヤー式に運ばれる装置の中に足をひっかけて、そして運ばれるという状況では、当然鶏はばたばた動きますから、ネックカットが失敗するということは当然考えられるわけでございますので、まず、これは作業をされている方々の精神的な負担、身体的な負担、労務負担を軽減するということにもつながりますし、そして、さらに動物福祉も保たれ、さらに生産性の向上にもつながる。これは、農林水産だけではなく、厚生労働省、環境省、全てにとって、各関係省庁にとってウイン・ウインになることにつながると思います。

 そして、更に言えば、EPAの中で求められておりますけれども、アニマルウエルフェアに対してしっかり取り組んでいかなきゃいけない、これはもう世界の潮流ですので、日本の畜産業、一次産業を守っていくためにも、これはやはりアニマルウエルフェアに取り組んでいかなきゃいけないということにもつながりますので、そこを牽引していくのが私は環境省であると思いますので、引き続き、これは実効性の保たれるものに変えていただかなければいけないというふうに思っております。

 そして、この放血不良のように、改善策が十分あるにもかかわらず、なかなか改善してこない、これは産業動物の現場には多々あるように見受けられております。この不適切な飼養管理についてはどうしても見過ごされている部分があると思います。屠畜場では、長時間水が飲めないこと、あるいは絶食、絶水の強制で羽を抜かれてしまう、不適切な淘汰方法など、数多く見受けられます。

 幾ら動物取扱業から産業動物を除外しているからといっても、この動愛法遵守徹底、周知徹底は環境省の役割であると考えております。これはやはり、この不適切な飼養管理についても、注意喚起、何も指導しない、これはあってはならないことだと思います。残念ながら、環境省策定の産業動物の基準は曖昧で、十億頭の動物について規定するには余りにも短いものになっていて、それを見ても、実際に何をすれば、わからないという現場は私はあると思っております。

 この中で、しかし、そうはいっても、広い世界ですから、私も何度も言っておりますけれども、畜産動物の福祉に関しては、やはり国際基準のOIEの基準というのがもともと存在しますので、この基準をしっかり遵守していくということは非常に重要なことだと思っています。

 このOIEの基準の中で、採卵鶏についてはまだ確定しておりませんが、そのほかの畜種、輸送、屠畜、豚コレラのような防疫対応時の殺処分について、詳細に記載された、しかも科学的根拠を伴った基準があります。

 先日、農林水産委員会における私の質問に対して農水省は、このOIEの動物福祉規約について、批准したときに、各都道府県に対して、OIE基準の精神にのっとってやるようにということで周知を徹底していると明言されました。

 同じように、動物福祉等に関しては、動物愛護担当職員の知っているべきものであるというふうに思います。しかし、私が把握している限りでは、このOIEの動物福祉規約を各都道府県の動物愛護担当職員はなかなか熟知されていないという状況があると思います。

 今後、このOIEの動物福祉規約に対して、講習会を行うであるとか、あるいは資料をしっかり配付して意識向上を図るであるとか、そういったことが私は必要だと思っています。図るべきだと思っています。この件について環境省の見解を伺いたいと思います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 環境省におきましては、毎年、地方公共団体の担当職員が動物愛護管理をめぐる課題や基本的考え方等の専門的知識を習得できるよう、動物愛護管理研修を行っているところでございます。

 引き続き、こういった研修を通じまして、地方公共団体の職員の専門性向上のための研修の実施等に努めるとともに、あわせまして、こうした場を活用いたしまして、御指摘ございましたOIEの動物福祉規約等の国際的な動向につきましても周知に努めてまいりたいと考えております。

堀越委員 ぜひこれも更に広げていっていただきたいと思います。

 動愛法は、畜産関係、屠畜関係となると、各省庁、厚生労働省、農林水産省、所管が分かれるところではありますが、やはり動物福祉というものに関して、動物愛護に関しては、唯一の法律である動物愛護法によって担保されるものであって、それを所管する環境省の仕事というのは私は大きいと思いますので、ぜひ私は応援させていただきたい、その立場でお願いを申し上げたいと思っております。

(中略)

秋葉委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、動物愛護管理をめぐる諸課題について質問をしてまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 犬や猫などの動物虐待、悪質なブリーダーによる劣悪な環境下での飼育など、動物に関する悲惨なニュースが後を絶ちません。動物の愛護及び管理に関する法律、通称動物愛護管理法ですけれども、動物の虐待防止などを定めた法律でございます。しかし、動物愛護団体などから現行の法律が不十分であるという指摘がございまして、超党派で改正案が議論をされ、今国会、成立を目指しているということでございます。

 公明党におきましては、動物愛護管理推進委員会、委員長の中野洋昌衆議院議員を中心にいたしまして、動物虐待を犯した者に対する厳罰化、また、犬、猫の飼い主を特定するマイクロチップ装着の義務化等々、動物愛護管理法の改正に積極的に取り組んでまいりました。きょう起草が予定をされているわけでございますけれども、この改正案の一刻も早い成立が期待をされているところでございます。

 現行法の七条、これは、動物の所有者又は占有者の責務等が規定をされております。第一項には、動物のその種類、習性等に応じた適正な飼養、また第二項には、感染症、疾病について正しい知識を持ち、その予防のために必要な注意を払うよう努めなければならないということが規定をされております。

 しかし、命あるものであるにもかかわらず、工場のように大量生産をしている、そういう繁殖業者もおります。また一方で、捨て猫を飼っていて、不妊、去勢をせずに、繁殖の繰り返しで徐々に数がふえて、飼育不能、ごみ屋敷化、近隣とトラブルを起こすなどなど、多数の動物を劣悪な環境で飼育をしている、異常に繁殖をしてしまう、いわゆる多頭飼育崩壊と呼ばれるような、飼育ができない数の動物を集めてしまうという事件も起きているわけであります。

 所有者等が動物を適正に飼養管理しないことが原因で、動物の健康や安全が保持されず、また生活環境の保全に支障を起こすということが起きております。

 そもそも、ペットの飼い主等動物の所有者において適正飼養とは一体どういうことなのか、こうした具体的な理解が進んでいないことが問題だと思います。

 適正飼養とは何か。動物の衣食住がどうか、きちんとしているかなど、最低限必要なことを示していく必要があると思っております。また、近隣住民に迷惑を及ぼさないような、そういう飼い方というものが必要であります。

 こうした予防について、飼う前に適正な飼育のための講習会を受講させる、こうした取組も重要であります。

 初めに、適正飼養とは何か、飼い主等における適正飼養を確保するための基本的な考え方を伺います。

 また、一般の飼い主が不適切な飼養管理を行わないようにするために、適正飼養を飼い主に浸透させる取組、不適切な飼養に対する対策の強化についてお考えを伺います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 まず、適正飼養についてでございますが、適正飼養とは、動物の健康及び安全を保持しつつ、その生態、習性及び生理を理解し、愛情を持って動物がその命を終えるまで継続して飼養することでございまして、その趣旨を動物愛護管理法に基づく基準に定めているところでございます。

 そうした適正飼養を浸透させるためには、飼い主の意識の向上による飼い主責任の徹底が重要と考えておりまして、環境省におきましては、そのためのパンフレットやパネルを作成、配布し、自治体や関係団体の取組を支援しているほか、動物愛護週間に合わせまして、自治体や関係団体と共同でイベントを開催するなどの取組を進めております。

 また、虐待等の不適切な飼養に対しましては、自治体の職員が適切に対応できるように、事例集の作成でございますとか研修の実施などにより、その対応力の強化を図っているところでございます。

古屋(範)委員 私も犬が好きで、今は飼っておりませんが、かつて飼っておりましたが、飼い主によって何が適切な飼い方かという基準がやはりさまざまであるなという気はいたしております。ですので、法律に動物の所有者等が遵守すべき責務規定を明確化することが必要なのではないか、このように考えております。

 次に、マイクロチップの義務づけについてお伺いをしてまいります。

 確実な所有明示を進めるために、やはりマイクロチップの装着の義務化ということが効果的だと考えております。マイクロチップは、家庭動物の遺棄、盗難を予防しますし、保護動物の飼育者への返還率の向上から、処分数を削減していくことが見込まれております。さらに、生産、流通、飼育履歴に関するいわゆるトレーサビリティーを確保する上で、最も効果的な方策であると思っております。

 一方、狂犬病予防法においては、飼い犬の取得後、一生に一回の登録、また、毎年一回の予防接種の実施が義務づけられております。

 まず、厚生労働省に、狂犬病予防法における登録の現状等についてお伺いをしたいと思います。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 狂犬病予防法におきましては、狂犬病発生時に発生拡大を防止するために的確な措置が講じられるよう、明示することが重要であると考えてございます。

 このため、法律に基づきまして、犬の所有者は、犬を取得した場合、犬の所在地を管轄する市区町村に犬の登録を申請することが義務づけられているところでございます。

古屋(範)委員 狂犬病予防法については、そのように規定をされているということでございます。

 さらに、環境省の方にお伺いをしてまいりますけれども、マイクロチップを装着することによる効果、また、マイクロチップの装着率を向上させていく、この取組についてお伺いをしたいと思います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 まず、マイクロチップの装着による効果につきましては、犬、猫の盗難及び迷子の防止に資するとともに、所有者不明の犬、猫や非常災害時に逸走した犬、猫の返還が容易になることでございますとか、管理責任の明確化を通じて所有者の意識向上等につながり、動物の遺棄や逸走の未然の防止、適正飼養の推進に寄与することなど、こういったことが挙げられると考えているところでございます。

 マイクロチップの装着率向上に向けての取組でございますが、まず、マイクロチップの装着の現状でございますが、一般社団法人ペットフード協会が行った平成三十年度の実態調査、これは推定値でございますが、犬、猫への装着率でございますが、全国で飼育されております犬約八百九十万頭のうちの一七・四%、猫につきましては約九百六十万頭のうち四・一%となっているところでございます。

 こういった現状を踏まえまして、環境省では、マイクロチップの装着率向上に向けまして、関係機関等からの情報収集を行うとともに、平成二十六年度から二十九年度にかけまして、人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトにおきまして、五つの自治体でマイクロチップの実態把握や意識調査等のモデル事業に取り組んできたところでございます。

 さらには、マイクロチップへの理解を促すリーフレットやポスターを作成いたしまして、地方自治体や関係団体等の協力を得て広く配布しているほか、動物愛護週間行事や各種シンポジウム等においても普及啓発を図ってきているところでございます。

古屋(範)委員 御答弁いただきましたように、厚労省の方では、飼い主に犬を登録させて狂犬病の予防接種を受けさせる。そうすると証明書が送られてきて、その証明書を私も家の玄関あたりに張るということを毎年やってきているわけなんです。

 一方で、マイクロチップを装着するということを進めていく上で、マイクロチップの装着義務化ということを、狂犬病の予防接種の方と、犬の所有者に対して二重の負担となってしまわないように、この狂犬病予防法に基づく犬の登録制度と、また、こちらのマイクロチップの装着の義務化の方と、これを一本化する必要があるというふうに思っております。ぜひ、これをリンクさせることによって、飼う側にとって負担にならないよう、そして、その動物の、逃げ出したり、そういったときの所有者を適切に捜していくということにもしっかりと役立てていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 次に、多頭飼育等、適切でない飼養の予防対策についてお伺いをしてまいります。

 動物愛護管理法の目的には、動物による人の生命また身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止するということが掲げられております。

 冒頭でも触れましたが、多数の動物を劣悪な環境で飼育するいわゆる多頭飼育崩壊のニュースが後を絶たないわけなんですが、この多頭飼育崩壊を引き起こす飼い主というのは、周囲や動物自身に対し悪影響を及ぼしているんだという自覚がない場合が多いんですね。こうした多頭飼育崩壊の飼い主については精神疾患との見方もありますし、保健師や精神保健福祉士等の専門家との連携による対応が必要なケースが多いとの指摘もあります。

 動物による深刻な生活環境の支障を引き起こしている飼い主、ネグレクトなど動物虐待の状態で飼育をしている飼い主等に対して、現状把握また未然防止、再発防止のための仕組みづくり、専門家や自治体福祉部門との連携等が重要であると考えます。抜本的な解決に向けてどのような対策が必要か、この点についてのお考えを伺いたいと思います。

 また、さらに、勧告措置の対象が動物取扱業者だけではなく、一般の人、特定動物の飼養者も含まれているんですが、実際に都道府県知事による報告徴収や立入検査は認められておりません。こうした現実に対してどのような見解を持っていらっしゃるかについてお伺いをいたします。

正田政府参考人 お答え申し上げます。

 多頭飼育問題につきましては、平成二十四年の動物愛護管理法の改正によりまして、地方公共団体は、条例により、多数の動物の飼養、保管に関し届出をさせることができること、都道府県知事は、多数の動物の飼養、保管が適正でないことにより動物虐待のおそれがある事態を生じさせている者に対し、改善のための勧告、命令をすることができることが追加されたところでございます。

 これを受けまして、現在、自治体によりまして取組が進められているところでございますが、問題を引き起こす飼い主は届出を行わないとの指摘があるほか、勧告、命令の発動件数は、まだ数件という形で、少ない状況にございます。

 こうした中でございますが、昨今、飼い主が犬や猫をふやし過ぎて世話ができなくなる、いわゆる多頭飼育崩壊が全国的に問題となってございます。この問題につきましては、地域から孤立した単身高齢者などがかかわるケースが多いことが明らかになってきておりまして、対応に当たりましては、社会福祉分野との連携が重要と考えておるところでございます。

 このため、環境省におきましては、本年の三月に、動物や社会福祉の専門家による社会福祉施策と連携した多頭飼育対策に関する検討会を立ち上げたところでございまして、厚生労働省と連携いたしまして、予防策を含めたガイドラインの策定等に取り組み、適切な対応が推進されるよう努めてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 やはり、こうした高齢者の孤立というような問題もはらんでいるというふうに思います。やはり、現行法だけでは私は不十分であるというふうに思っております。都道府県知事による指導助言、そして報告徴収、また立入検査等、こういうものができるような法律に改正をすべきというふうに考えております。その意味でも、この改正案の早期成立を望むところでございます。

 次に、悪質な業者に対する立入り権限の強化についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 現在、ペットショップ、またブリーダーなど、営利目的で動物を販売したり展示したりする、いわゆる第一種動物取扱業を営む場合には、事業所を管轄する自治体へ登録が必要となっております。悪質な業者につきましては、都道府県知事などが登録更新の拒否や登録の取消し、業務停止の命令措置をとることができます。

 行政には、強制的な立入り権限がございません。そこで、実際、業務停止命令や取消しが行われたということがほとんどない。環境省の報告によりますと、平成二十九年度における全国の第一種動物取扱業に対する業務停止命令数、登録の取消し命令数ともゼロでございます。このため、より行政の権限のある繁殖業者の許可制の導入が必要なのではないかとの指摘もございます。

 こうした動物取扱業者による不適切な飼育、保管についても、地方自治体が、こうした取扱業者に対する立入調査というものを積極的に行って、勧告、命令、また取消し等の行政処分、刑事告発についてももっと適切に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

正田政府参考人 お答えいたします。

 環境省が地方自治体を対象に行いました動物愛護管理法の施行状況調査、この全体の数値が、データが整ってございます平成二十八年度のものでございますが、都道府県等が動物愛護管理法に基づく立入検査を行った施設数は二万五千五十三件、このうち、指導を行った施設数は四千八百九十九件となってございます。

 また、飼育施設や飼育方法の基準を遵守していない業者に対して行われます勧告件数は十八件、勧告に従わない場合に行われる措置命令の件数はゼロ件でございました。

 さらに、動物取扱業者が措置命令に違反したとき等は、登録を取り消し、又は業務の停止を命ずることができるとされておりますが、平成二十八年度におきましては、業務取消し命令と業務停止命令は各一件でございました。また、告発件数はゼロ件という結果でございました。

 都道府県等が立入検査において問題を発見した場合には、まずは指導を行い、指導に応じない場合に、改善に係る勧告、命令を行うという対応をしてございます。このため、立入検査と指導が、業者による取扱いの改善にかなりの効果を上げていると受けとめてございます。

 環境省といたしましては、このような自治体による指導、勧告、命令、取消し等の行政処分、刑事告発等が一層効果的に行われますよう、引き続き、自治体の職員を対象とした動物愛護管理研修や、動物虐待を科学的に評価できる人材を評価するための研修を実施することとあわせまして、さらに、平成三十年三月に設置いたしました動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会におきまして、自治体の取組がより一層適切に推進されるよう、現行の基準の具体化等を図ってまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 最後の質問に飛ばさせていただきます。

 今回、きょう起草される予定でございますが、改正によって諸施策を着実に実行していくために、動物愛護行政を担う都道府県、政令市、中核市などの体制整備が必要であります。この動物愛護の行政は、非常に幅広い、先ほども言いました取扱業者の取締りであるとか、ペットをめぐる地域社会のトラブル解決、また、すぐれた飼い主を育成するための普及啓発、非常に職務が多いわけであります。こうした諸施策を着実に実行するために、自治体が法律に従って有効な行政を行えるよう、必要な体制また職員の充実に向けても国として最大限支援をしていただきたいと思います。これについて見解を伺います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘ございましたとおり、動物を取り扱う業者等に対する規制の運用でございますとか、犬、猫の引取り等、動物愛護管理法に基づく各種の事務につきましては、都道府県を始めといたします自治体の自治事務として行われているところでございます。

 環境省におきましては、飼養管理に係る基準の策定でございますとか、自治体に対する技術的な助言、さらには、自治体の担当職員がさまざまな課題や基本的な考え方の専門的な知識を習得できるよう、毎年、動物愛護管理研修を開催してございます。さらには、各種課題に応じた研修会等も実施してきたところでございます。

 環境省といたしましては、こういった取組を通じまして、引き続き、自治体において実効性のある円滑な実務が展開できるように取り組んでまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 本日起草予定でございますけれども、この改正案が成立することによりまして更に動物の愛護、管理が向上することを期待して、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

(中略)

    ――――◇―――――

秋葉委員長 次に、動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、とかしきなおみ君外三名から、自由民主党、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案により、お手元に配付いたしております動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案の起草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。生方幸夫君。

生方委員 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案の起草案につきまして、提案者を代表して、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 動物は、我々人類にとって利用の対象であるとともにかけがえのない伴侶であり、大切に取り扱われなければならない存在であると同時に、適切に管理されなければならない対象でもあります。これまで、動物の愛護と管理の取組を車の両輪として進めていくことを通じ、人と動物が共生する社会の実現に向けて、国、地方自治体、民間の団体など、多様な主体による連携、協働が図られてまいりました。

 このような動物の適切な取扱いについて規定する動物の愛護及び管理に関する法律は、昭和四十八年に動物の保護及び管理に関する法律という名称で議員立法により制定された後、平成十一年、同十七年及び同二十四年にいずれも議員立法で改正され、現在に至っております。過去三回の改正により、ブリーダーやペットショップに代表される第一種動物取扱業に対する規制が大幅に強化され、罰則も段階的に引き上げられてまいりました。

 平成二十四年の前回改正では、同改正法の附則において、施行後五年を目途として、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされ、特に、幼齢の犬、猫の販売時の日齢に関する規制や、マイクロチップの装着義務づけに向けた検討については、同附則においても、必要な検討を加えるものとされていたところです。

 他方で、劣悪な飼育環境下で極端な多頭飼育を行う動物取扱業者による不適正飼養の問題は依然として数多く報告されております。動物の福祉の観点から動物の適正な飼養環境の確保が求められる中、動物取扱業のさらなる適正化を求める声も高まっています。

 また、動物愛護センター等における犬、猫の殺処分頭数については、地方自治体による引取り数の削減や動物愛護団体等による譲渡に向けた不断の努力の結果、平成二十四年度の約十六万二千頭から、平成二十九年度には約四万三千頭にまで大幅に減少いたしました。平成二十四年の法改正では、引き取った犬、猫について、殺処分がなくなることを目指して、返還又は譲渡に努めるものとすることが明記されたところであり、さらなる努力が望まれているところであります。

 さらに、動物をみだりに殺し、又は傷つけるといった動物虐待も、依然として後を絶たない状況にあります。

 こうした状況を踏まえ、動物取扱業のさらなる適正化や、動物の不適切な取扱いへの対応の強化を図るため、本起草案を得た次第であります。

 次に、本起草案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、動物の所有者等が遵守すべき責務規定の明確化を行うこととしております。

 第二に、第一種動物取扱業による適正飼養等の促進等を進めるために、登録の際の拒否事由の追加、飼養又は保管に係る遵守基準の明確化、出生後五十六日を経過しない犬、猫の販売等の制限などを規定しております。

 第三に、動物の適正飼養のための規制の強化として、犬、猫の適正飼養が困難な場合の繁殖防止の義務化、都道府県知事による不適正飼養に係る指導、助言、報告徴収及び立入検査等の実施、特定動物に関する規制の強化、動物殺傷罪、虐待罪等に対する罰則の引上げなどを規定しております。

 第四に、都道府県等の措置等の拡充として、動物愛護管理センターの業務、動物愛護管理担当職員の位置づけ、所有者不明の犬、猫の引取りを拒否できることなどを規定しております。

 第五に、犬猫等販売業者にマイクロチップの装着、登録を義務づけることなどを規定しております。

 その他、獣医師による虐待の通報の義務化などを規定しております。

 なお、この法律は、マイクロチップの装着義務化など一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

秋葉委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。堀越啓仁君。

堀越委員 立憲民主党・無所属フォーラムの堀越啓仁でございます。

 私は、議員になる以前からこの動愛法に関して関心が高いものでございますので、こうして質疑的発言の機会をいただきましたこと、まず心から感謝を申し上げたいと思います。

 それでは早速、動議提出者の生方先生に伺いたいと思いますが、まず最初に、動物を殺す場合の方法についてでございますけれども、第四十条第三項に、動物を殺す場合の方法に関し、必要な事項を定めるに当たっては、できる限りその動物に苦痛を与えない方法についての国際的な動向に十分配慮しなければならないとあります。

 そこで、今でも多くの動物を二酸化炭素により殺処分しておりますけれども、これはこの国際的な動向に沿うものなのかということについてお伺いしたいと思います。

生方委員 我々がこの法律をつくるときに、二〇二〇年にオリンピックが開催されることが決まっております、二〇二〇年までに日本から動物のいわゆるガス室による殺処分を何とかゼロにすることができないかということで、ずっと議論を進めてまいりました。

 今回、この条文にあるように、国際的動向を踏まえということは、当然、国際的動向の中では動物に多大な苦痛を与えて殺処分をするということは禁止をされておりますので、今のようにガス室で殺処分を行うことは、当然、そこで処分をされる犬、猫にとっては大変な苦痛を与えるわけでございますから、この趣旨は、日本からガス室による処分をなくすということが目的であるということを明記しているものだというふうに私たちは解釈をいたしております。

堀越委員 最近、インターネット等々で、やはり、ガス室に送られる犬や猫たちがおびえている動画等々、あるいは写真等々が出回って、それは大きな波紋を呼んでいます。生方先生おっしゃるように、私も、これは二〇二〇年、オリンピックを契機として取り組んでいかなければいけない喫緊の課題だと思いますが、この点につきまして、環境省の見解を伺いたいと思います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 動物を安楽死させなければならない場合における安楽死の方法につきましては、現行法上、できる限り動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないこととされており、環境省におきましては、動物の殺処分に関する指針においてその方法を定めているところでございます。

 今回、環境省におきまして、殺処分の方法を定めるに当たっては、国際的動向に十分配慮されるよう改正が行われるものと承知をしているところでございます。

 例えば、アメリカの獣医師会委員会が獣医学的知見に基づき取りまとめられました報告書におきましては、二酸化炭素につきましては、麻酔作用のある吸入薬として、犬、猫に対しては条件付で容認される方法として紹介されているなど、海外においてはさまざまな動向がございます。

 環境省といたしましては、このような海外におけるさまざまな動向を調査し、参考にするとともに、さらには自治体における現場の課題も踏まえながら取組を進めてまいりたいと考えております。

堀越委員 各国のデータ等々は多々あるとは思います。二酸化炭素そのものが私は全て悪いかと言われると、やはり、生体の月齢にあっては、小さい子猫なんかでは麻酔薬が効きにくいですとか、いろいろな問題も生じるんだろうと思います。しかし、二酸化炭素を仮に用いる場合であっても、高濃度な状況にその施設がなっていないのであればそれはやはり是正していかなければいけないということもあわせてぜひ検討しながら、これを、やはりアニマルウエルフェア全体を国際的な水準にまで高めていくということをお願いを申し上げたいというふうに思っております。

 次に、このたびの改正案における附則第二項、指定犬に係る特例、いわゆる日本犬の除外規定となる条文の中に「専ら」というふうに書かれておりますが、その対象範囲は一体どのあたりを指すのかについてお答えいただきたいと思います。

生方委員 今回の法改正では、平成二十四年改正時の激変緩和措置を削除し、出生後五十六日未満の販売等を禁止する、いわゆる八週齢規制を完全施行することになっております。

 その中で、特例として、天然記念物として指定された日本犬については、出生後四十九日未満の販売を禁止する現在の規定を維持することとしております。

 八週齢規制の特例の適用範囲についての御質問ですが、この特例は、天然記念物として指定されている日本犬を繁殖している単犬種ブリーダーが一般の飼養者に直接販売する場合に限って適用されることを想定しております。

 他方、日本犬以外の犬種を繁殖しているブリーダーや、ペットショップの販売を行っているブリーダーについては特例の対象外であり、出生後五十六日未満の販売等が禁止されることになっております。

堀越委員 この件については、生方先生、大変苦しい中での今御答弁だったと思いますが。

 やはりこれは、七週齢で規定対象外になる場合には、一般の飼い主に直売する場合、あるいは一つの犬種に限って繁殖している業者、これも天然記念物を扱うということ、これが規制の対象外になり、そして、同業者やペットショップに販売の場合や、一つの犬種に限って大量繁殖をしている業者に関しては規制の対象になるということでありますけれども、七年かけて、やはりこの八週齢規制を完全に実施するんだという一歩手前のところまで来たにもかかわらず、これが急転回したということに関しては、やはり、この立法過程において、私は正直、疑問を持たざるを得ない状況であると思います。

 議員立法だからと言われてしまえばそうなのかもしれませんが、立法事実として、なぜ八週齢の除外規定をつくらなければいけないのかということについては、やはりもっと成熟した議論が私は必要になるのだと思っております。

 このことについては国民の皆さんも非常に関心が高くて、この八週齢の除外規定はおかしいという声が多々上がり、そして、ネットでの反対署名に関しては、四十八時間で二万筆以上、今は恐らくそれを上回っている数字になっていると思いますが、かなり大きな反響を呼んでおりますので、このことについて、私は疑問を持たざるを得ないことでありますし、どうもすっきりしないということを所感として述べさせていただきたいと思います。

 そして、次に、装着が義務づけられているマイクロチップについて伺いたいと思いますが、マイクロチップの装着がペットショップから一般の飼い主への販売時とされるのであれば、装着の目的は、犬の登録同様、個別識別と迷子対策にとどまり、トレーサビリティーとは全く関係ない制度となってしまいます。

 遺伝的疾患を有する個体が市場に流通することを防ぐために、トレーサビリティーシステムの確保は必須であると考えますが、いかがでしょうか。

生方委員 今回の法改正では、ブリーダー等がマイクロチップを装着し、登録する義務を負っており、当該登録を受けた犬又は猫を取得した者も変更登録の義務を負うことになっております。

 このため、マイクロチップが装着されている犬又は猫に関しては、流通や所有者の変遷の過程を把握できることから、トレーサビリティーは制度上確保されているものと思います。

 政府においては、トレーサビリティーが確実に確保されるように、マイクロチップの装着及び登録に係る制度を広く国民に周知徹底することが求められております。

堀越委員 所有者明示、そしてトレーサビリティーもこれによって担保されるということでございましたので、実効性のあるものになっているかどうか、この後、法施行後の取組についてぜひ注視をしていただきたいというふうに思っております。

 そして、やはり、マイクロチップを装着した後のデータの引継ぎ等についても非常に重要な観点だと思っております。

 この改正案成立後のマイクロチップに係るデータの引継ぎは、現在と比較してどのように変わるのかについてお伺いしたいと思います。

生方委員 現在、マイクロチップの登録は複数の団体によって行われており、それぞれの団体がそれぞれの目的のために独自の仕組みができ上がっております。

 そこで、今回の法改正では、マイクロチップの登録情報を一元的に管理し、迷い犬、迷い猫の所有者への返還等に役立てるため、国の責任の下、犬及び猫の登録制度を設けることにいたしました。

 実際の登録事務につきましては、環境大臣が指定する機関に行わせることを想定しております。複数の機関が指定を受けることもあり得ますが、今回の法改正では各指定登録機関が相互に連携しなければならない旨を定めており、マイクロチップの登録情報が一元的に管理され、より一層有効に活用されることを期待をいたしております。

堀越委員 ありがとうございます。

 やはり、このマイクロチップに係るデータの引継ぎ、そしてデータの保管というのは非常に重要な観点であり、トレーサビリティーや所有者明示にとってもこれは有効な手段であると思いますが、やはり、データが常に上書きされてしまって、その以前の所有者、以前の登録状況等々がわからなくなってしまうということであれば、これは追って把握することというのはできませんので、先ほど御答弁いただいたところで担保されるとは思いますが、これも引き続き、具体的、実効性のあるものにしていただきたいというふうに思っております。

 そして、次に、私の先ほどの一般質問でもさせていただきました、そして二〇二〇年オリンピックを迎えるに当たって、やはり我々が無視することができない畜産関係のアニマルウエルフェアについてでございますけれども、第四十一条の四項にある各機関との連携の強化は、今後どのようなことを想定しているのか、お伺いしたいと思います。

生方委員 地方公共団体で産業動物に関する業務を担当する部局としては、家畜伝染病の予防に関する業務を所管する畜産担当の部局、屠畜等に関する業務を所管する衛生担当の部局等がございます。

 産業動物の適正な飼養を確保するためには、動物愛護を担当する部局と、さきに述べた畜産担当や公衆衛生の部局との間で連携し、それぞれの部局が、その職務に応じて適切に対応することができるようにしておくことが重要であるというふうに考えております。このような観点から、今回の法改正では、連携の強化を図る対象となる機関について、畜産等の担当部局を追加することとしたものでございます。

 アニマルウエルフェアについては、この後、動物福祉基本法というようなものをぜひつくって、動物全般に対するアニマルウエルフェアを確保していきたいというふうに私個人は考えております。

堀越委員 ありがとうございます。

 この連携の強化、本当に重要だと思っております。先ほど一般質問でもさせていただきましたが、やはり動物を管理する所管行政というのは多岐にわたっておりますので、農林水産、厚生労働、そして環境省、これが一体となる、そこの軸にやはりなるのがこの動物愛護管理法であるというふうに思っております。

 昨今大変な問題となっています、まだまだ終息していない豚コレラの問題に関しても、やはり、殺処分の現場で働く皆さんの精神的負担、あるいは作業的負担、そして動物に対する苦痛を最大限なくしていくということに対しても、やはりOIEを始めとする規定の遵守というのが非常に求められてくるわけでありますので、こうしたところからも、今、世界が注目されているということでもあると思いますので、これから更に厳格に守られるようなものにこの動物愛護管理法がなされていくことを私は期待をしております。

 豚コレラのことに関して言えば、まだまだ、アフリカ豚コレラ等も控えているということもありますので、我が国日本において、この島国の中でしっかりとそれを、疫学的なところからも、このアニマルウエルフェアを進めていくことの重要性というのは大きくあると思っております。

 最後になると思いますが、生方先生におかれましては、前回の改正時に環境委員長をされていたこと、承知しておりますが、本日の七年ぶりの法改正に向けて、起草を迎えるに当たって、ぜひ思いを伺いたいと思いますが、よろしくお願いします。

生方委員 御質問ありがとうございました。

 五年ごとに改正をするということでございますので、本来であればおととし改正をされなければいけないということでございましたが、去年一年間、我々も非常に努力をしておりまして、よりよいものをつくらなければいけないというふうに考えて、時間がたってしまったんだというふうに思っております。

 そもそも、私が当選してすぐに、犬、猫の殺処分を禁止するという議員連盟をつくりまして、何とか殺処分だけはゼロにしなければいけないということで、私も努力をしてまいりました。

 私も犬を昔飼ったことがございまして、それは、私は独立犬というふうに呼んでいたんですけれども、要するに、普通に言えば野良犬ですよね。いろいろな人から餌をもらって生きてきた犬がおりまして、その犬を飼って、本当にいい人生の一部分を共有をさせていただいたというふうに思っておりまして、かけがえのないものでございますので、私は、その犬が亡くなってから、ちょっとその別れはもう一回やるのは耐えがたいなということで、飼いたいのはやまやまなんですけれども、今は飼っていないという状況でございます。

 やはり、命あるものですから、生まれてきた以上はその生を全うするというのが当たり前でございまして、産業動物や実験動物に関しては、本当に残念ながら、それをゼロにするということは、人間の側のエゴかもしれませんが、でき得ないというふうに思いますが、それ以外の動物に関してはきちんと生を全うする、そのためには我々人間がきちんとサポートもしなければいけない。

 よき伴侶としてきちんと動物を位置づけるための、まあ、今回の法改正が全てだというふうにはもちろん思いませんが、次に向けて少しは飛躍できたかなというふうに考えておりますので、一緒にまた頑張っていきたいというふうに思います。

 ありがとうございました。

堀越委員 発言時間、終了いたしました。

 この動物愛護法の中には、動物は命あるものであると記されています。あたかも物かのように思われておりますが、実際はそうではないということをこの動物愛護法によって更に進めていくことを私も心から祈って、発言を終了とさせていただきます。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、西岡秀子君。

西岡委員 国民民主党、西岡秀子でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 ただいま起草のありました動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。

 まず、提出者である小宮山泰子議員に、以下四問質問させていただきます。

 まず、特定動物について質問させていただきます。

 動物愛護法では、専門的な知識を持つ者以外飼育することが大変難しく、政令で定められているものを特定動物と定義をいたしております。現在、六百五十種が指定をされております。特定動物を飼育又は保管する場合は、当該施設を管轄する知事等の許可を受けなければならないとされております。

 近年、個人が無許可で特定動物を飼育する事例が大変多く見られ、そのことによる事故も多く起きております。また、近年、自然災害が多発しており、災害時に逃げ出した場合に大変その把握をすることが難しく、危険を伴うということが大変懸念をされております。

 今回の改正において、特定動物の愛玩飼育、つまりペットとして飼育することが禁止をされたという理解で間違いがないかということについて御確認をいたします。

小宮山委員 西岡議員にお答えいたします。

 愛玩目的の飼育は禁止という理解、そのとおりでございます。

 現行法では、特定動物の飼養の目的については特段の規制は設けられておりません。しかしながら、愛玩目的で飼養されていた特定動物による死傷事故の事例があること、災害発生時には特定動物の逃亡のおそれがあること及び同行避難が極めて困難であるということが問題になっており、議員連盟でも特定動物の飼養について議論をいたしました。その結果、今回の法改正により、動物園そのほかこれに類する施設における展示そのほかの環境省令で定める目的に限って特定動物の飼養の許可を与えることとしており、法改正の施行後は特定動物の愛玩目的での飼養はできなくなるものでございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 それでは、引き続きまして、犬、猫等の引取り等についてお尋ねをいたします。

 平成二十四年の改正時に、委員会決議におきまして、引取り数の減少が殺処分の減少に寄与するということを鑑み、引取り要件を厳格化するということを目指すということが明記をされました。

 引取りにつきましては、平成二十九年度には犬、猫合わせて十万一千頭となっております。犬、猫ともに官民の努力により減少しておりますけれども、依然として猫の引取り数が多いという現状がございます。

 今回の改正によって、第三十五条第三項には、周辺の生活環境が損なわれている事態が生じていない場合に引取りを拒否できることと記されております。ここで言う生活環境が損なわれている事態ということを定義することは大変難しいというふうに承知をいたしておりますけれども、例えば、庭に何度か猫からふんをされたですとか、何度かごみを荒らされたなど、このような猫による被害があるからといって、その都度引き取ってもらうということがもし起こると、際限がなくなってしまうという事態が起こってまいります。また、官民で取り組んでおります地域猫の活動の有効性からも、大変この要件の厳格化が必要ではないかと考えます。

 今回の改正で、駆除目的の取引はなくなるという理解でいいのかどうか、小宮山議員にお尋ねをいたします。

小宮山委員 今回の法改正における、委員御指摘の第三十五条第三項の改正の趣旨は、地域において適切な方法によって避妊、去勢した猫を管理する地域猫活動が行われている場合などには、動物の愛護と周辺の生活環境の保全のバランスがとれているため、都道府県等が引き取らなくてもよいとすることにあります。

 取引を拒否するか否かは、個別のケースに応じ、都道府県等で判断することとなりますが、今述べた趣旨を踏まえれば、提出者としては、できるだけ地域における適切な管理を促す等の方法により、動物の愛護と周辺の生活環境の保全のバランスをとることが望ましいと考えております。

 また、所有者が判明しない場合についての規定もありまして、所有者がいると推測される場合については、都道府県等は、第三十五条四項、これは今までもございますが、所有者を確認し、返還するよう努めることとされております。

西岡委員 小宮山議員、これは通告をいたしておりませんけれども、複数の自治体においては、所有者が不明の猫の取引について、要件を三つ指定をしているという都道府県もございます。

 一つとして、負傷している猫、二として、遺棄されたことが明確な場合、また、三、大変幼齢で母親がいない子猫に限って運用をしているということを聞いておりますけれども、このように所有者不明の引取りについて要件を限定するということについて、小宮山委員としてどのようなお考えがございますでしょうか。

小宮山委員 お答えいたします。

 要件を限定してでも、やはり所有者が判明をしている場合かどうかというのはありますが、所有者が不明な場合におきましても、やはりこの場合に関しては、法としては、所有者がいない場合というのでも引取りをしないことは望ましいかと思っております。

西岡委員 ありがとうございます。

 引き続きまして、先ほど堀越委員からも質問がありましたけれども、第四十条第三項に、動物を殺処分する場合の方法について、必要な事項を定めるに当たっては、できる限りその動物に苦痛を与えない方法についての国際的な動向に十分配慮しなければならないと記載されております。

 近年、地方自治体における殺処分の方法は、先ほどもございました二酸化炭素と麻酔薬の注射の両方が用いられております。特にこの二酸化炭素については、苦痛を与えない方法としては適当ではないのではないかという御意見も多数あると承知をいたしております。

 現在、殺処分の現場で使われておるこの方法について、他国の事例と比べて国際的な動向に沿うものと認識をされるかどうか、このことについて見解をお尋ねいたします。

小宮山委員 お答えいたします。

 動物を安楽死させなければならない場合における安楽死の方法は、現行法上、動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないこととされ、環境大臣には、動物に苦痛を与えない方法に関し必要な事項を定めることが求められております。今回、環境大臣がこの方法を定めるに当たっては、国際的動向に十分配慮するよう改正を行うものでございます。

 例えば、世界動物保護協会が公表している「犬猫の安楽死のための方法」では、犬、猫の安楽死のために用いられている手段は、推奨、許容、条件付許容、許容できないの四つに分類されており、二酸化炭素による安楽死は許容できない方法に位置づけられております。

 また、アメリカ獣医師会委員会の報告書においては、炭酸ガスについては、麻酔作用のある吸入薬として、犬、猫に対しては条件付で容認される方法として紹介されております。

 環境大臣は、動物を安楽死させなければならない場合における安楽死の方法に関し、必要な事項を定めるに当たっては、このように海外におけるさまざまな動向を調査し、参考にしながら、取組を進めていただく必要があるということであります。

 ですので、今回も国際的動向に十分配慮する改正となっております。

西岡委員 ありがとうございます。

 それでは、引き続きまして、動物福祉についてお尋ねをいたします。

 小宮山議員は、動物愛護法についても大変熱心に取り組まれておりますし、動物福祉についても大変造詣が深いと認識をいたしております。

 国際的な動物福祉の基本原則である五つの自由ということは、一九六〇年代に英国において、家畜の劣悪な飼育環境を改善させるために提唱されたものです。現在では、家畜のみならず、あらゆる人間の飼育下にある動物の福祉というものが基本となっております。

 諸外国においては、動物福祉に基づいて、この五つの自由の理念に基づいてさまざまな法整備、施策が行われております。

 平成二十四年の改正によって、この五つの自由の趣旨が基本原則に明記されたものとされているものの、実際は、恐怖、抑圧からの自由、また本来の行動がとれる自由は盛り込まれておらず、法律に盛り込むべきとの指摘があります。

 この動物福祉について、動物の飼養のあり方や政策分野において今後我が国としてどのように取り組んでいくか、その方向性について小宮山議員にお尋ねをいたします。

小宮山委員 国際的な動物福祉は、委員御指摘のように、基本原則として定着しております五つの自由は、平成二十四年の法改正により、基本原則に既に反映はされております。

 この動物福祉の理念をより一層推し進めるため、今回の法改正では、動物の所有者の責務を明確化するとともに、動物取扱業者が遵守するべき飼養、飼育の管理、飼養施設の構造等に関する基準の明確化と規制の強化、不適正飼養に対する知事による指導の拡充等の適正飼養のための規制の強化等を行うこととしております。

 今後も、動物福祉の考え方をよく踏まえ、人と動物の共生する社会の実現に向けて引き続き取り組んでいきたいと思っておりますが、まだまだ、委員御指摘のとおり、今改正におきましても、全ての動物福祉や、また動物の命を守ることも含めて、満足のいくところというのはまだ達していないのは事実ではございますが、今回の法改正で、一歩でも動物の福祉に近づくこと、そして、必要であれば、やはり、また新たな法を施行することも検討していきたいと思っております。

 どうぞ、委員におきましても、引き続き、動物愛護そして動物福祉に御尽力いただきますことをお願いいたします。

西岡委員 小宮山議員、ありがとうございます。

 今後とも、動物福祉というこの理念に基づいて、動物愛護の政策について、ともに進めてまいりたいと思います。

 以上で、小宮山議員への質問を以上とさせていただきます。

 時間があと残り少なくなっておりますので、あと一問、質問させていただきます。

 近年、動物虐待については、凶悪化、また、インターネットを使った虐待の動画配信など、大変深刻な状況がございます。

 動物虐待と凶悪な暴力事件との関連性も指摘をされており、動物虐待防止は、国民生活の安心、安全にもつながる重要な問題です。虐待がエスカレートする前に早急に対応することが求められております。

 そのためには、警察などの関連機関や民間団体との連携が極めて重要だと考えております。また、そもそも虐待を防止していくためには、虐待の定義を明確にする必要がある、このことも大変重要な視点ではないかと考えております。

 今後、このような虐待防止についてどのような取組をされていくのか。今回の法改正で獣医師による通報が義務化をされたということは、実効性の面からも、大変、通報というものが多くできるような体制になったのではないかと理解をいたしておりますけれども、今後の取組についてお尋ねをいたします。

正田政府参考人 お答えいたします。

 まず、関係機関等との連携でございますが、本改正法案におきましては、地方公共団体の部局が連携を強化すべき関係機関といたしまして、これまでの都道府県警察に加えまして民間団体についても規定されているところでございまして、国は必要な情報提供や技術的な助言を行うこととされてございます。

 環境省といたしましては、本改正法案の趣旨が広く理解され、実効性を伴う施策に反映されますよう、各機関、団体間の連携のあり方につきまして、必要な助言等を行っていきたいと考えてございます。

 また、普及啓発等の観点でございますが、本改正法案におきましては、愛護動物に対する虐待につきまして、みだりに、その身体に外傷が生じるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、飼養密度が著しく適正を欠いた状態で飼養、保管することなど、例示の追加によりさらなる具体化が図られているものと承知してございます。

 環境省におきましては、動物虐待の防止のための普及啓発につきましては、これまでも、警察庁との連名によるポスターを全国の自治体等に通算で十万部以上配布してきたところでございます。

 さらに、自治体へも、動物虐待に関する知識及び技術の習得を目的といたしました職員向け研修会の開催や、指導等の業務の参考となります動物虐待等の事例を収集した報告書の作成、公表等を行っているところでございます。

 環境省といたしましては、今回の改正の趣旨について周知を図るなど、虐待の防止に向けた取組が適切に進められるよう、引き続き、地方自治体との連携を図ってまいりたいと考えております。

西岡委員 今後とも、人と動物の共生する社会の具体像というものをしっかりと示して、動物愛護、この法改正を契機に一層進めていくことを、心から、ともに私も取り組んでいくことをお誓い申し上げまして、質問といたします。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 提出者、それから環境省の方に質問をします。

 動物愛護、管理の問題を考えるときに、私は、やはり殺処分を減らしていく、殺処分ゼロ、これを目指す取組が何よりも大事であると考えております。

 今回の法改正は、殺処分ゼロに向けて、なくす方向に向けてどのような役割を果たすものとなっていくんでしょうか。

生方委員 御質問ありがとうございました。

 今回の法改正は、動物取扱業のさらなる適正化と、一般の飼い主の飼養も含めた動物の不適切な取扱いへの対応を強化しようとするものであります。

 例えば、第一種動物取扱業者が遵守すべき基準の具体化により、第一種動物取扱事業者による不適正飼養を防ぐことができる、また、適正な飼養を行うことが困難な飼い主については、繁殖を防止する措置を義務づけることにいたしております。さらに、マイクロチップを利用した犬、猫の登録制度の導入により所有者が判明しやすくなるほか、所有者不明の犬、猫の引取りについて、一定の場合、都道府県等が拒否できることを明記しております。

 これらの制度を設けることにより、不適切に飼養される動物や所有者が判明しない動物が減少し、その結果として殺処分が減少していくことになるというふうに期待をいたしております。

 また、殺処分の方法についても、原則、先ほども述べましたが、ガス室での処分は禁止ということになります。ガス室では、一度に大量の犬、猫を殺処分することができます。それが禁止されることによって大量に処分することができないということは、限りなくゼロに近づいていくことができるのではないかというふうに期待をいたしております。

田村(貴)委員 生方議員、私も、地方議員をしているときに、大分前なんですけれども、動物管理センターで、その場を見る機会がありました。多数の犬、猫が一気に殺処分されるということは、本当に胸が苦しくなり、何としてでもこの状況をなくさなければいけないと、その当時の思いは今に生きております。この法律によって殺処分が減らされることを願ってやみません。

 出生後五十六日を経過しない子犬や子猫の親からの引き離しを禁じている八週齢規制でありますけれども、これも一日も早く実施すべきであります。

 なぜ本改正案では、施行期日が公布の日から二年を超えない範囲とされたのでしょうか。そのことについて説明をいただきたいと思います。

生方委員 いわゆる八週齢規制に関する激変緩和措置の廃止については、犬、猫等販売業に対する影響が少なからずある可能性も否定はできません。

 このことから、円滑に八週齢規制を導入できるように、施行を二年を超えない範囲内としたものでございます。

田村(貴)委員 それが、今まで長い期間これが実施されなかったという期間も含めたら、なぜまだ二年もなのかということの課題は残るかなというふうに思います。

 多頭飼育の崩壊の問題もあります。多頭飼育崩壊の場合は、飼っている人が、例えば認知症や失業などで社会的に孤立を深めてしまったり、動物に依存する例が典型的との指摘もあるわけであります。

 したがって、都道府県知事による立入検査については、飼い主の人権にも配慮した対応が必要だというふうに考えます。そうした問題の解決に向かっては福祉専門職との連携が不可欠と私は考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

小宮山委員 質問ありがとうございます。

 今回の法改正では、不適切飼養について立入検査の規定を設けましたが、それにあわせて、緩やかな指導又は助言を行うことができる旨を法律上明記いたしました。これは第二十五条一項になりますが、これにより、より人権に配慮した手段を設けたと考えております。

 これは、個々の飼い主の事情に応じて細やかな対応をする必要性を踏まえたものでもあり、加えて、今回の法改正では、動物愛護に関する部局と公衆衛生、福祉に関する部局との連携の強化について新たに規定することとしており、御指摘の動物の適正飼養と福祉の関連性にも留意した改正となっております。

田村(貴)委員 わかりました。

 続いての質問でありますけれども、動物の殺傷、虐待に対する罰則についてであります。

 懲役五年以下、罰金五百万円以下に引き上げた理由について説明をいただきたいと思います。

 また、その虐待等に対して、また殺傷に対して、厳罰化してもこうした動物虐待はなくならないとの意見もあります。この点について、提出者はいかがお考えでしょうか。

小宮山委員 我が国において、犬、猫、動物愛護は、今や多くの家庭において、家族の一員としてかけがえのない存在となっております。そして、人とのつながりが以前よりも強くなっている中、愛護動物を殺傷する行為に対する社会的非難も強くなっていると認識しております。

 昨今の残虐な事例を踏まえますと、動物殺傷罪の保護法益は、動物を愛護する気風という、公序良俗という意味においては大変変わってきているところではありますが、動物もやはり命でありまして、物でもございません。そのようなことを考えますと、今回の法改正では、動物殺傷罪の法定刑を五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金とすることと、大幅に刑罰を重くすることによって、この一定の抑制効果が期待できるものと考えております。

 今までよりも罰を大きくすること、また、これに関しましては、やはり刑罰だけではなく、先ほども言いましたが、動物を愛護する気風という、秩序、良俗というところにおいてもしっかりと、動物虐待、そうしたものがなくなることを願っております。

田村(貴)委員 厳罰化をもってしてこの問題は解決できないというところ、もうちょっと時間があったら、最後、生方議員にもお尋ねしたいと思うんですけれども、その前に、マイクロチップの装着の義務化について、マイクロチップの装着がなぜ必要なのか、そして、ちょっと通告にないんですけれども、もしマイクロチップを装着していない犬や猫がいた場合に、これはやはり殺処分が早まってしまうんじゃないか、優先されてしまうんじゃないかというような懸念も、そういう声もあるんですけれども、そういうことについてはいかがお考えでしょうか。

小宮山委員 まず、犬、猫の所有者が判明しやすくなるという効果が挙げられます。マイクロチップが装着され、犬、猫の登録が行われるとき、また、これは、例えば災害時など、引き取った、また逃げた犬、猫の返還が効率的に行われる。その結果、犬、猫の殺処分数が減少することも期待されております。

 また、所有者が明らかになることで、犬、猫について管理責任を負う者が明らかになることで、適正飼養の確保につながり、その結果、犬、猫の遺棄などが減少することも期待しております。

 加えて、登録を受けた犬、猫を譲り受けた者は変更登録を受けなければならないこととしており、このことにより、トレーサビリティーの確保にも期待をしているところでもあります。

 ただ、今委員が御指摘のとおり、マイクロチップの装着がないことによって所有者が判明をしない。しかし、それも、これまでの法の中にもございますけれども、都道府県の対応等にもかかわりますが、殺処分につながるのではなく、やはり引取りをしないこととか、そういったことも法改正の中で示しておりますので、殺処分に対応することには直接つながらないように法改正がされたというふうに認識をしております。

田村(貴)委員 そのチップの装着の有無をもってして悲劇が生まれないということを私は望みたいというふうに思います。

 それから、動物愛護センターの設置など都道府県等における業務拡充が図られること、これは非常に重要だというふうに考えております。必要な職員の確保、それから自治体職員の定数の増員を含めて、国の責任でやはり保障する措置というのを図っていかなければ。施策を前に進めていく、そして愛護と管理のこの法律を本当に実践するためには、やはりマンパワーが必要だ、それから支援する人たちとの連携も必要だというふうに思います。こうしたところの措置について、いかがお考えでしょうか。

生方委員 今回の法律改正の目玉の一つに、動物愛護管理センターの位置づけを変えるというのがございました。動物愛護管理センターという名前でありながら、その中に殺処分の施設、大規模なものを持っているということになると、名前とやっていることが矛盾しているんじゃないかということもございましたので、今回の法改正の中で、本来の動物愛護センターの役割を果たせるようにしていこうではないかというのがこの法律をつくった一つの目的でございました。

 殺処分をするガス室をなくすということになれば、これはやはり多くの予算措置をとらなければいけないということでございますので、環境省において、これから先、その措置をしてもらわなければいけないというふうに考えております。

 また、委員が今御指摘になったように、今回の法改正では第一種取扱業者に対する規制強化などが盛り込まれておりますが、本改正案の内容を実効的なものにするためには必要な体制をとることが重要であり、また、人員を確保するということが何よりも大事だというふうに思っております。

 そのためにはやはり予算措置が必要であり、今、動物愛護関連予算は大変少ない額でございますので、我々も、額を十倍あるいは百倍ぐらいに引き上げるように、議員としても努力をしていきたいというふうに思いますので、御指摘、大変ありがとうございました。

田村(貴)委員 私は、動物の殺傷、それから虐待、遺棄等々の行為はやはり許されないというふうに思います。これをなくすためには、やはり知恵を寄せなければいけないと思います。厳罰化もその方法の一つかもわかりません。小宮山議員から、抑止と抑制力の効果があるというふうにもありました。

 それはそれとして、先日、川崎市で、大人と子供を巻き込む殺傷事件がありました。私も本当にあのニュースで体が凍るばかりに驚いたわけなんですけれども、こうした事件が相次いでいるわけであります。

 人を殺傷する、動物を殺傷してしまう、その根本にどういう心理が働くのか。なぜ人をそういう方向に向かわせてしまうのか。その解決はいかにして導き出されるのか。これは社会全体の問題でもあります。社会の病理も絡んでくる話でもあります。政治も深くかかわってくるのではないかなと思います。

 自分が人として認められていない、社会的孤立感を感じてしまう、憂さ晴らしがしたい、うっぷん晴らしがしたい、いろいろな要素が積み重なって、こうした痛ましい事故とか現象を生んでいるというふうに考えています。一つの解答では得られない難問だと思いますけれども、やはり社会全体の問題として、その社会の病理を正していくことがやはり国会にも求められるんじゃないかなと思います。

 通告はいたしておりませんけれども、こうした残忍な問題を解決するためにどういうことが求められるのか、提出者の方からお考えを聞かせていただきたいと思います。

生方委員 田村議員の御質問の指摘の中で、厳罰化だけすれば防げるものではないというような御指摘がございました。確かにそのとおりなんですけれども、今の二年、二百万円以下、前の法律では、物、器物破損よりも罪状が軽いということでございますので、やはりそれは我々は納得ができないということで、五年、五百万にした一番大きな目的は、もちろん抑止の効果が多少はあるだろうということと、やはり、警察の力の入れ方も違うのではないかと。二年、二百万ということになりますと、やはり、警察の方も残念ながら余り力が入らないかもしれない。でも、五年、五百万ということになりますと、かなり重い罪でございますから、警察の方も力を入れてくれるのではないか。

 今、実際にこうやって虐待が行われているよというふうに届け出ても、なかなか警察の方も人員が足りるわけではございませんから、適切に対応できるわけではございませんので、厳罰化をすることによって、多分、警察の方もそれなりの人員を整えてくれるものだというふうに我々は期待をいたしておりますので、そうした意味からも、虐待が少なくなってくれるのではないかというふうに期待をいたしております。

田村(貴)委員 今の項目、論点についても、私たちも議論をして、そういう方向については基本的に了承したということであります。もう一つは、やはり、もっと大きな問題が潜んでいるということも含めて、また考えていかなければいけないというふうに考えております。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

秋葉委員長 以上で発言は終了いたしました。

 お諮りいたします。

 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

秋葉委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

秋葉委員長 次に、本法律案の提出に際しまして、とかしきなおみ君外四名から、自由民主党、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブ、公明党及び日本共産党の共同提案による動物の愛護及び管理の推進に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。小宮山泰子君。

小宮山委員 ただいま議題となりました動物の愛護及び管理の推進に関する件につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    動物の愛護及び管理の推進に関する件(案)

  政府は、「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」を施行するに当たっては、次の事項に留意し、その運用について万全を期すべきである。

 一 動物取扱業者による不適正な飼養・保管が後を絶たない現状に鑑み、地方自治体が、動物取扱業者に対する立入検査を積極的に行い、必要に応じ勧告、命令及び登録取消し等の行政処分並びに刑事告発も適切に行うよう、規制の実効性を担保するための必要な措置を講ずること。

 二 動物取扱業者が遵守すべき具体的な基準の策定に当たっては、地方自治体の改善指導の根拠として実効性のある客観的な指標となるよう、十分な検討を経て、できる限り具体的な基準を設定すること。また、基準の遵守を徹底するため、動物取扱業者への周知や地方自治体職員に対する研修の実施等、施行に向けた体制整備の強化を図ること。なお、第一種動物取扱業の登録又は更新について、立入検査をもって基準の遵守状況の確認を行うことを検討すること。

 三 第一種動物取扱業については、様々な業種について登録制の規制が適用されていることに鑑み、業種や事業規模に応じた規制の細分化について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 四 家畜化されていない野生由来動物の飼養については、動物の本能、習性及び生理・生態に即した適正な飼養の確保が一般的に困難なことから、限定的であるべき旨について周知徹底を図るとともに、人獣共通感染症防止や動物の健康や安全の保持等の観点から、触れ合いを含む動物展示施設等の動物に係る飼養管理基準の在り方について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 五 第二種動物取扱業者について、地方自治体の譲渡先として譲渡に関わる団体が動物を受け入れて不適正な飼養管理の状態となる事例も生じていることに鑑み、動物の譲渡に当たって譲渡先団体が受入れ可能か確認するなどの適切な指導が行われるよう、地方自治体に対し周知する等の措置を講ずること。

 六 動物虐待等への対応に当たっては、動物虐待等の該当性の客観的な判断に資するよう、事例の集積及びそれらの分析・評価を進め、それによって得られた知見を活用した地方自治体職員等の人材育成を支援するとともに、関係機関及び民間の団体等との一層の連携強化を図ることを通じて、その対応を強化すること。また、動物の遺棄・虐待防止のために、動物虐待等の該当性などについて、普及啓発に努めること。

 七 特定動物の飼養・保管の許可については、人体への危害の防止、住民不安の解消、災害時の対策等の観点から、娯楽、触れ合い等を目的とした飼養・保管を規制する措置も含めた規制の在り方を検討すること。また、飼養施設の強度を担保し逸走防止策を図るだけではなく、移動檻での常時飼育などの不適切な扱いを防止し、特定動物のアニマルウェルフェアについても指導、監視できるよう検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 八 本改正による動物愛護管理に係る諸施策を着実に実施するため、動物愛護管理行政の実態に即した必要な体制及び職員数の充実に向けて、万全を期すよう努めること。

 九 所有者不明の犬猫の引取り拒否の要件の設定に当たっては、狂犬病予防法との整合性、当該犬猫に飼い主がいる可能性及び地域猫活動等も考慮し、地域の実情に配慮した要件を設定すること。

 十 地方自治体における動物収容施設については、収容動物に対する適切な飼養管理を図る観点から、その実態把握を踏まえ、適正な施設や管理の水準等に係る指針の策定を、第一種動物取扱業の基準に準じる形で検討すること。

 十一 犬猫へのマイクロチップ装着の義務付けに当たっては、制度の実効性確保の観点から、犬猫の種類によって扱いに差異を設けることなく、一般飼養者等へのマイクロチップの装着や情報登録等の重要性等についての普及啓発を推進するとともに、各地方自治体や関係機関におけるマイクロチップリーダー等の配備を促進すること。また、マイクロチップ登録情報の一元管理化及び同情報の情報管理の徹底等について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 十二 畜産農業に係る動物に関して、本法及び本法の規定により定められた産業動物の飼養及び保管に関する基準を周知し、遵守を徹底するよう必要な措置を講ずること。

 十三 諸外国等におけるアニマルウェルフェア及び脊椎動物の心身の苦痛の感受性に関する調査研究並びに動物の取扱いに係る制度・運用の事例等について、我が国の動物の取扱いに係る制度の在り方の検討に資するよう、情報の収集・整理を精力的に進めること。また、国際的なアニマルウェルフェアの基本原則である五つの自由について十分に配慮して、動物愛護管理に係る諸施策を執り行うよう、飼養保管基準の遵守義務をはじめとした法制度の理解の浸透・周知徹底を図ること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

秋葉委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

秋葉委員長 起立総員。よって、本動議のとおり決議することに決しました。

 この際、ただいまの決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。原田環境大臣。

原田国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ、努力してまいる所存でございます。

秋葉委員長 お諮りいたします。

 本決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

2019年改正 動物愛護管理法 2020年 2021年 施行

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