人と動物のキメラ作成 意識調査まとめ

動物の胚の中に人の細胞を入れてキメラをつくる動物性集合胚の規制を緩和しようと政府が検討する動きの中で、いくつか意識調査の結果が発表されましたのでリンクでまとめました。

ヒアリング関係

再生医療研究における動物の利用をめぐる市民と研究者の意識調査

東京大学医科学研究所 公共政策研究分野
新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻兼担
学際情報学府 文化・人間情報学コース兼担 武藤香織
2012年12月06日 第70回日本生命倫理専門調査会

動物性集合胚をめぐる倫理的・法的・社会的課題(ELSI)と現状

東京大学医科学研究所 神里彩子
2016年8月3日 特定胚等研究専門委員会


※調査としては上記日本生命倫理専門調査会で発表されたものと同じ。

社会調査などに見る「ヒト動物キメラ」への一般社会の態度について

京都大学iPS細胞研究所 八代嘉美
2016年8月29日 第93回特定胚等研究専門委員会


※むしろ研究者で前回に比べ慎重派が多くなっているのは、学会に臨床医が入るようになり、より患者さんに近い立場の医師が対象に含まれるようになったためではないかとのことでした。ほかの臓器作成方法に関する技術が進んできていることや、細胞の混入の心配をしているなどの可能性があるとのこと。

動物性集合胚研究に関する意識調査を中心に

(資料なし)
京都大学iPS細胞研究所上廣倫理部門特定准教授 藤田みさお
第96回特定胚等研究専門委員会(平成28年12月20日)

※研究を推進するために行うという動機づけがあまりに強いので、参考にならないと感じました。

メディア関連

京都新聞「iPS細胞、生殖医療応用で意識差 研究者と市民・倫理観調査」
2016年12月31日の報道より抜粋(太字は当会)

■研究者にも感情的な違和感 一方、iPS細胞を使って、ブタなど動物の体内にヒトの臓器を作って移植する技術への賛成は、市民が63%だったが、研究者は76%に達した。賛成する市民と研究者のいずれも、「臓器が不足している中、患者の助けになる」などの理由を挙げる回答が多かったが、反対する市民からは「種の壁を越えてほしくない」という意見があった。研究者にも「気味が悪い」など感覚的な違和感を訴える声が散見された。

生命倫理や死生学を研究する上智大の島薗進教授(68)は、生殖医療に関する市民と研究者の意識差について「生殖細胞を操作することで次世代に影響があり得るという事実を、市民が十分に認識できていないからではないか」と分析。動物の体内でヒトの臓器を作ることにいずれも積極的だった点については、「研究者は世代を超えた影響がないとみて積極意見が多かったのだろう」と推測する。

その上で「いずれにせよ『治療』という目的のためなら何でもしてよい訳ではない。治療法確立のために行われる研究全体に目を配って考えるべき」と強調した。

Yahoo!意識調査

オンライン投票形式の意識調査では、反対が上回りました。(下記参照)

まとめページ

2013.9.3アップ随時更新最終更新2021.2.28ヒトクローン規制法に基づく特定胚の一つに指定されている「動物性集合胚」とは、動物の胚(受精卵が発育した状態のもの)にヒトの細胞を混ぜた胚です。指針改正前は、原始線条が現れる[…]

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