イルカ追い込み猟とは
イルカ追い込み猟とは
野生のイルカを捕まえて水族館へ販売
和歌山県太地町のイルカ追い込み猟は「太地町立くじらの博物館」で展示するイルカ生け捕りのため、1969年に始まった。静岡県伊東市富戸から導入された、太地では比較的新しい猟法だ。
捕獲されたイルカは食用と生体販売に選別される。水族館のイルカは、家族をイルカ肉用に殺されたイルカたちだ。太地のイルカは海外にも高値で輸出され、主な輸出先は水族館が急増する中国。
静岡県伊東市富戸では、回遊するイルカの減少により15年間追い込み猟が行われなかったが、水族館への生体販売のみを目的として2019年に再開された。イルカ追い込み猟は、水族館での利用に促されてきており、伝統や文化とは言えないものだ。


最初の犠牲、コビレゴンドウ82頭
太地町立くじらの博物館での生体展示を目的としたイルカ追い込み猟で1969年7月マゴンドウ31頭を捕獲、翌日には51頭を相次いで捕獲した。46頭を展示し、弱った個体を食肉にまわしたり、観客の前で銛で捕殺して「古式捕鯨ショー」も行われた。展示されたマゴンドウは、強制給餌の失敗や肺炎などで翌年1月に全滅。
泳ぎの速いハンドウイルカの生捕りは困難を極め、銛を打ち込んでの生体捕獲もなされた。追い込み猟により捕獲されたのは1975年。
なお、マゴンドウはコビレゴンドウの南方型の呼び方で、北方型はタッパナガと呼ばれる。

金属音の恐怖、殺される群れ、親子
イルカ追い込み猟は「チャンチャン(鉄管、ハツオンキともいう)」と呼ばれる金属の棒を海中に入れ、船上から叩いて金属音を海中一面に鳴り響かせて、畠尻湾に追い込む。泳ぎの上手ではない子どものイルカを連れた、親子イルカが追い込まれやすい。極限のストレスでパニックに陥ったイルカはお互いに激しくぶつかりあい、死に至る場合もある。音に敏感なイルカを金属音で極限のパニック状態にして追い込み捕獲する猟法そのものが、残酷な虐待だ。
捕獲されたイルカは食肉用と、水族館への生体販売用に選別される。水族館のイルカたちは、イルカ追い込み猟の恐怖で捕獲されており、家族や仲間をイルカ肉として殺されたイルカたちということだ。
たとえ捕獲を免れても、家族の結びつきの強いイルカが群れを失って生き延びるのは難しく、群れは壊滅状態にされる。
”真上でいきなり「ガァーン」と強烈に打ち鳴らされるような衝撃音が耳を貫いた。「チャンチャン」の威力は聞きしに勝るものだった。”
三好晴之『ママのくれた夢 ドルフィン・ベェイス ー イルカ物語』(幻冬舎)より
人間でさえ強烈な衝撃音ならば、人間の約2倍の太さをもつ聴神経を持つイルカのストレスや恐怖ははかり知れない。
水族館までの恐怖とリスク 捕まった後も続くストレスと死
イルカは何度も死の危険に直面する。恐怖で湾に追い込まれ、ぶつかり合って血を流し、捕獲時にはパニックで死亡する。さらに生簀(いけす)に入れられたストレスで死亡し、長距離輸送でのリスクやストレスでも死亡。そしてプールに入れられたストレスでも死亡する。
太地町のイルカ飼育施設で働いていた元トレーナーの体験談
オーストラリアの鯨類保護団体Action for Dolphins(AFD)による、太地町の元ドルフィントレーナーへの取材に同行しました。AFDから公表された英語版の元となる日本語版記事を公表いたします。日本語版もAFDのスタッフが書かれた[…]
イルカ追い込み猟で捕獲が許可されているのは、カマイルカ、スジイルカ、ハンドウイルカ、マダライルカ、ハナゴンドウ、マゴンドウ(コビレゴンドウ)、オキゴンドウ、シワハイルカ、カズハゴンドウの9種。2017年、イルカが捕れなくなってきたことにより、シワハイルカ、カズハゴンドウが許可対象に追加され、9種となってしまった経緯がある。
報道がされていますが、イルカ2種(シワハイルカとカズハゴンドウ)に新たに捕獲枠が設けられ、合法的に獲ることができるようになってしまいました。この時代に、まさかの許可対象種拡大です。要望していたのは和歌山県と沖縄県。今年になっ[…]
イルカ追い込み猟は、大臣許可で行われる大型鯨類(クジラ)の商業捕鯨とは異なり、都道府県知事の許可で行われる知事許可漁業である。
ただし、捕獲してよい数(捕獲枠)は、毎年イルカ追い込み猟の猟期が始まる9月1日前に水産庁が決定する。➡令和6年の捕獲枠はこちら
小型鯨類を対象としたイルカ猟には、イルカを入り江に追い込んで生け捕りとする追い込み猟(鯨類追込網漁業)と、船から銛で突いて殺す突きん棒猟(突きん棒漁業)が許可されている。水族館用にイルカを売っているのは追い込み猟であり、現在は和歌山県でしか行われていない。許可を受けているのは、太地町漁業協同組合に所属する太地いさな組合。イルカ追い込み猟は静岡県伊東市富戸でも行われていたが、現在は捕獲枠ゼロ。
2024(令和6)年3月 19 日から施行されている資源管理協定
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