アメリカ:動物実験に関するコメントをSNSで非表示にしたNIH(国立衛生研究所)が敗訴 

NIH(国立衛生研究所)は、アメリカの医学研究の拠点機関であり、アメリカ内外のライフサイエンス研究に巨額の研究資金を配分しています。

動物実験にも多くの研究費を出しているため、当然、批判を浴びますが、なんとFacebookやInstagramのページで「サル」「実験」「拷問」などのキーワードを含むコメントをフィルターで一括非表示にしていました。公共機関なのに、明らかに反対意見のみを狙ってブロックしようとするのはおかしなことです。

PETA」や「#stopanimaltesting」といった言葉もブロックされており、3年前にPETAなど複数の団体が訴訟を起こしていましたが、今年7月、D.C.巡回区控訴裁判所は、これらの非表示行為は合衆国憲法修正第1条に違反するとの判決を下しました。動物の権利運動側の勝訴です。

サイエンス誌の記事よれば、「NIHの投稿のかなりの部分が動物実験に関するものであるのに、動物実験に関するコメントがまったく的外れであるとすることは常識に反する」と、2人の裁判官が記したとのこと。言論の自由にとって大きな勝利だと、原告側の筆頭弁護士は述べています。

この記事に追記された情報によると、NIH は8 月 13 日、控訴しないと公表したとのこと。その代わり、裁判所の判決に従い、ソーシャル メディアのコンテンツモデレーションにおいてルール変更をし、動物実験に反対する人々がよく使用するキーワードを含む公開コメントを非表示にしなくするとしたそうです。
そもそもNIHは、過去に公表した戦略のなかで新規の研究手法を取り上げ、「動物モデルでは、病気を模倣したり、薬がヒトにどう作用するか予測したりするよい方法を提供できないことが多く、患者が治療を待つ間に多くの時間とお金が無駄になる」と書いていますし、人間では95%が失敗するとされる動物実験の結果の問題点はわかっているはずです。資金配分への批判には耳を傾けていただきたいものです。
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