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環境省 成猫展示(猫カフェ等)パブコメ意見

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2016年4月21日締切だった環境省のパブリックコメントに送った意見です。

※新たな飼養者を見つけるまでの間だけ展示する保護猫カフェ形式があることも承知していますが、対象になってくる猫は商業用が主と思われますので、あえてそこにはふれずに意見を出しました。


環境省自然環境局総務課 動物愛護管理室御中

動物の愛護及び管理に関する法律施行規則等の改正案にに対し、以下の通り意見を提出いたします。

意見:
 <該当箇所>
1.販売業者、貸出業者又は展示業者が、成猫(生後1年以上の猫)が休息できる設備に自由に移動できる状態で成猫の展示を行い、かつ、展示時間の合計が1日12時間を超えない場合は、午後8時から午後10時までの間も、展示を行うことができることとする。

 <意見内容>
成猫を午後8時から午後10時までの間も展示できるようなルールを設けるべきではない。
経過措置については終了させ、犬猫の展示は全て午後8時までで統一するべき。

 <理由>
 そもそも猫を不特定多数の客に触れ合わせる展示施設自体が好ましいものとは言えず、国が積極的に特例を設けて保護することは不適切である。本改正案においても、なぜ午後10時まで積極的に延長しなければならないのか明確な理由が書かれておらず、特例を設けるべき根拠が存在するとは考えにくい。合理性のない特例は設けるべきでない。

幼齢であろうが成猫であろうが、一般的な飼育者の感覚からも夜間営業は理解しがたいが、そもそも犬猫の夜間展示を禁止するに至った経緯としても社会通念や国民の動物に対する愛護感情への侵害といった社会的な要素が大きく考慮されたはずである。すなわち、夜8時以降に繁華街の店で猫とふれあわせるような扱いをしてもよいと国がわざわざ認めることの弊害についても考慮すべきである。この特例を設けることで、「猫なら多少無理をさせてもよいのだ」と国民にメッセージを発することになる。

科学的知見については、平成22年から23年にかけて動物愛護管理のあり方検討小委員会でまとめられた「動物取扱業の適正化について」の中に下記のように書かれている。
「生体の深夜展示や長時間の連続展示については、動物が受けるストレス等に関する科学的知見はまだ少ないが、科学的に解明されないと規制できないものではないと考える。
(中略)
規制の具体的数値については、明確な根拠を持たずに情緒的に決めることへの疑念もあるが、社会通念や国民の動物に対する愛護感情への侵害を考慮すると 20 時以降の生体展示は禁止すべきである(数値及び規制手法については引き続き検討)。」(引用は、案より)

このような検討がなされた結果、実際に犬猫展示を8時までとする規制が実現したのであり、犬カフェには午後8時までを遵守させているのであるから、公平の観点からも午後8時までの本則を尊重すべきである。

また、今回の特例の対象となるのは主には猫カフェだが、できては消えしている不安定な業界である。安易な参入を許さないためにも、規制は厳しいほうがよい。一時的な流行を国が支える必要はない。

また、猫カフェに限らず、さまざまな新しい形態の動物の利用がふえており、1つ例外を認めれば、ほかも特例や配慮を求めてくる可能性もある。混乱をきたすことのないよう、経過措置を終了するだけに留めるべきである。

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意見:
 <該当箇所>
1.のうち「展示時間の合計が1日12時間を超えない場合は」の部分

 <意見内容>
「1日8時間を超えない場合は」とする。

 <理由>
 万が一経過措置が延長される場合、1日12時間も展示してよいとするのは長すぎる。
 猫の語源は「寝子」であると言われるほど、猫はよく寝る動物であり、成猫でも1日の睡眠時間は14時間~16時間あると言われる。高齢猫では、ほとんど1日中寝ている猫もいる。にもかかわらず「労働時間」の上限が1日12時間では、生態への配慮がなされていないことになる。人間の2倍の睡眠時間を確保するとして、1日の展示時間の上限は8時間とするべき。ちょうど人間の法定労働時間と同じでもあり、人間より長くないという意味でも心理的安心感を与える数値となるはずである。

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意見:
 <該当箇所>
2.販売業者、貸出業者又は展示業者は、高齢猫(生後11年以上を目途とする。)を展示する場合には、定期的な健康診断を受けさせる等、当該猫の健康に配慮した取扱いに努めることとする。

 <意見内容>
 「高齢猫(生後11年以上を目途とする。)」及び「当該猫」をそれぞれ「高齢の動物」及び「当該動物」に改める。
犬猫等、年齢の目安を示す必要がある動物は、別途記述する。

 <理由>
 販売、貸出、展示に用いられている動物は猫だけではない。動物園で夜間展示される動物もいれば、ふれあい広場等で使われている高齢の小動物・家畜等もいる。すべての動物種について配慮しなければいけない事項について、なぜ猫にだけ高齢の場合の配慮を求めるのか、はなはだ理解に苦しむ案である。ここは猫だけではなく全ての動物種とするべきであり、環境省には、業全体のことを見据えた規制を構築していただきたい。

そもそも動物愛護部会の議論において高齢の猫の話が出てきたのは、猫カフェの夜間営業を認めるべきではない理由として挙げられたものであって「猫だけは高齢の場合は配慮せよ」という話ではなかったはずである。

展示動物全般に言えることではあるが、動物園のモルモット等ふれあい動物は、他の動物の餌にしたり、病気で安楽死したりするケースを除けば、死ぬまでふれあいに使われているのが通常である。必ずしも早く死ぬわけでもなく、寿命に近いほど生きる場合もあり、高齢の個体が使われていることは間違いがない。家畜についても、見るからに高齢の個体が使われている場合があり、情報公開請求を行った事例があるので、以下にデータを添付する。

<事例>
※市川市動植物園に情報公開請求した際の資料より

★2015年に存命中のふれあい広場の家畜の年齢一覧
生年  年齢
ヒツジ 2002 13歳
ブタ 2002 13歳
〃 2002 13歳
〃 2002 13歳
〃 2002 13歳
〃 2002 13歳
〃 2002 13歳
〃 2009 6歳
ヤギ 2001 14歳
〃 2001 14歳
〃 2002 13歳

★既に死亡したふれあい広場の家畜の死亡時年齢一覧
生年 死亡年 年齢
ヒツジ 1987 2001 14歳
〃 1988 2000 12歳
〃 1989 1999 10歳
〃 1990 1999 9歳
〃 1990 1999 9歳
ブタ 2002 2011 9歳
〃 2002 2006 4歳
〃 2009 2009 0歳
ヤギ 1986 2002 16歳
〃 1987 1995 8歳
〃 1987 1995 8歳
〃 1987 1998 11歳
〃 1988 1997 9歳
〃 1988 2001 13歳
〃 1988 1999 11歳
〃 1988 1998 10歳
〃 1989 1989 0歳
〃 1992 2005 13歳
〃 1992 2005 13歳
〃 1994 2001 7歳
〃 1998 2010 12歳
(年齢不詳の個体は除いた)

★一般的に言われている寿命は、ヒツジ10~12年、ブタ10~15年、ヤギ15年であり、高齢の家畜がふれあいに使われている実態がある。これらの動物に対する配慮が必要である。

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以上

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