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2013年 東京都「春の家畜ふれあいデー」見学

4月20日土曜日に、PEACEメンバー4名で(公)東京都農林水産振興財団主催の「春の家畜ふれあいデー」を見学に行って来ました。場所は、東京都農林総合研究センター、旧畜産試験場です。

PDF 春の家畜ふれあいデー

当日は4月としては48年ぶりという寒さだったそうで、最高気温が8度という真冬のような一日でした。
会場に入ると、まずすぐにひよこのふれあいゾーンが設けられていました。
サークルで囲われたスペースの中にさらに大きめの段ボールくらいの箱が置かれ、その中にたくさんの薄茶色のひよこが入れられていました。事前に聞いた話によると全部オスで、やはりすぐに処分されるひよこたちを使っているということです(採卵鶏の場合、オスは卵を産まないため不要とされ、生まれてすぐに殺処分されます)。生後4日でした。

東京都ふれあい

朝10時半くらいに行きましたが、寒い中小さい子供のいる家族連れがたくさん来ていて、やはりひよこのふれあいにはたくさんの人が群がっていました。係の人が1名、監視役はしておりましたが、とてもにこやかに見守っているだけという感じで、持ち方が適切でない子がいてもほとんど注意はしていないようでした。

東京都ふれあいヒヨコ
※これは帰り際に撮影した写真なので係の人は2人写っていますが、注意などはしないで、むしろ積極的に触らせるような感じでした。

触ってよい子供の年齢制限などもなく、2歳くらいの小さすぎるような子もたくさん触っていました。小さい子供はひよこを優しくつかむこともまだできず、掴んでは放り投げるを繰り返しており、主催者側も親もまったく配慮がないと感じました。寒さの中必死に固まって鳴いているひよこがどんどんつかみあげられ、やはりかわいそうだなという気持ちになりました。

東京都ふれあいヒヨコ

そこから少し進むと、小さな子牛が小さな囲いの中に1頭でうずくまっていました。こちらは生後たった10日のオスの子牛で、やはりふれあい目的で置かれていたものですが、囲いは二重になっていて触ることはできないようになっていました。

東京都ふれあい

普通であればお母さんにしっかりと寄り添っているはずの生まれたばかりの子牛が、やはり真冬の寒さの中、たった1頭で地面に横たわる姿は、とても切ない光景でした。乳牛の母親から生まれた子牛は生まれてからすぐに母親から引き離されるため、母親に体をなめてもらったことも、母親の乳首からお乳を飲んだこともありません。幼い子牛たちは感染症予防等のために一人ぼっちで隔離され、人間が絞った初乳を与えられて以降は人工的に作られた代用乳を飲んで育ちます。感情ある生き物ではなく家畜としてしか扱われないその境遇を思うとよけいに胸が痛みました。

監視の方に話を聞くと、牛は氷点下でも大丈夫だから今日くらいの気温は問題ないということでしたが、やはりまだ赤ちゃんですし、干し草もほとんどない地面にうずくまっている姿は寒そうで気になりました。立ち上がると、よたよたと足もともおぼつかない様子です。突然動いて檻にぶつかったりもしていました。

またオス牛は2か月くらいで売りに出すが、5千円くらいの値段にしかならず餌代も出ないということで、その値段の安さにも驚きます。この子牛はさわらせていないので、イベントだけで殺処分になるということはないそうですが、やはり売られていくとのことでした。

その後、乳牛のコンテストというものがありましたが、業者が育てた牛の品評会のような感じのものでした。ドッグショーのように牛を歩かせるのですが、嫌がって思うように歩かないため、強引に引っ張って歩かせている形になっていました。(ただし、抵抗していた牛の順位がよかったりしていたので、その点は重視されていないのだと思います)

●準備中の様子
東京都ふれあい

東京都ふれあい

●ショーの様子
東京都ふれあい

子どもに乳しぼりをさせるイベントも行われるとのことで、整理券の行列ができていましたが、午後には近くの羽村市動物公園に移動する予定にしていたので、乳しぼり体験自体は見ることができませんでした。事前に聞いたところでは、2頭の牛に100人体験させるとのことでした。

今回は豚の姿はなく、豚舎の中を見ることもできませんでした。いくつか出店が出されていて、肉や卵や牛乳に、なぜかやまめやわさびなどが売られていました。

このような畜産物をアピールするような催しはよくありますが、やはりふれあいはやめるべきだと思います。ふれあいというのは、おそらく「こんな小さなひよこでも温かくて生きているんだよ」ということを子供に教えることが目的だと思いますが、その命あるものを食べて、いらないオスは殺されてしまうということまで一人一人に教えるのが本当ではないでしょうか。

また一般の方々にも、幼い子牛を見て「かわいい」と思うだけでなく、なぜ生後10日の幼い子牛が一人ぼっちでいるのか、この子牛はこの先どのように育ち人間に利用されるのかを疑問に思う想像力や心を養ってほしいと思います。

●畜魂碑
chikukonhi

●動画

(T.T.&M.T.)

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