実験動物を繁殖・販売する人たち

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実験に使うために繁殖された動物たちが動物実験に使われます

動物実験に使われる動物のほとんどは、その目的のために「生産」されています。実験動物を繁殖し、動物実験用に研究機関等に販売する企業等が存在するのです。実験動物は、いわば、苦しみ殺されるために、生まされています。

こうした企業では、「注文すれば来る」状態を維持するために、生まれすぎた動物が殺処分されています。また、動物実験ではオスが使われやすいために、メスが余る現象も起きています。

日本では、実験動物を生産・販売する企業のほとんどが日本実験動物協同組合に加盟していますが、加盟していない企業もあります。これらの企業は第一種動物取扱業の対象から除かれていますが、本来であれば、動物取扱業の規制を受けるべきです。

そのような法改正に反対するために、業界側は「すべての企業が組合に参加していて把握されている」などと主張しますが、それは嘘です。組合に入っていない企業や畜産農家、動物商などから、大学や製薬・医療関連企業などは実験動物を購入しています。

(一部、野外で捕獲された動物などが使われることもあります。行政施設からの犬猫の実験払い下げは、既に廃止されていますが、飼育者が直接大学等に寄付してしまうケースや売れ残りを手技訓練に使うなどの事例は確認されています)

実験動物を販売している企業・団体

日本実験動物協同組合会員(ウェブサイトがない企業は組合の企業紹介ページにリンク)
アーク・リソース(株)
(旧・井上実験動物センター)
北山ラベス(株)
〔日清製粉グループ〕
三協ラボサービス(株)(株)高杉実験動物
石川実験動物研究所(株)紀和実験動物研究所清水実験材料(株)東京実験動物(株)
(株)イブバイオサイエンス九動(株)白石動物株式会社(一財)動物繁殖研究所
オリエンタル酵母工業(株)(有)熊谷重安商店(株)新日本科学(株)特殊免疫研究所
(株)オリエンタルバイオサービス
〔日清製粉グループ〕
(株)ケー・エー・シー(株)シントー工業ジャクソン・ラボラトリー・ジャパン
(旧・日本チャールズリバー)
日生研(株)ハマグチラボプラス(株)(株)免疫生物研究所
日本エスエルシー(株)(株)フナバシファーム
日本クレア(株)(株)ホクドー
〔ナカライテスク(株)系列〕
(株)日本生物材料センター(株)星野試験動物飼育所
非加盟企業の例
富士マイクラ(株)マーシャル・バイオリソーシス・ジャパン(株)井上商店

実験動物の生産が専門ではないが、販売・譲渡を行っている施設もある

2019年の動物愛護法改正の骨子案検討時に、「実験動物の繁殖・販売を専門に行う業者」との表現が使われていたことに対し、PEACEでは以下の懸念を示しました。(ただし、骨子案には含まれていません)


実験動物の生産流通には、単に繁殖して販売する業態の企業が存在するだけではありません。

「実験動物の繁殖・販売を専門に行う業者」のみを第一種動物取扱業の登録対象とすることは不十分です。

「繁殖・販売」「専門に」の条件がつくと、以下のような事業者が漏れることになるのではないかと懸念します

(1)多くの研究機関が実験動物の繁殖を行っている。それら繁殖個体の譲渡・販売等、提供を行う場合もある。繁殖による系統の維持そのものを業務として請け負っている場合もある。
 熊本大学CARDバイオバンク、理化学研究所バイオリソース研究センター (RIKEN BRC)など

繁殖・販売業の対象に研究機関を含めるべきであり
「繁殖・販売を専門に」の条件をつけることは不適切。

(2)輸入販売のみ行う外資系企業や、販売代理店として実験動物を扱う業者もいる。生産拠点は持たない。
 マーシャルバイオリソーシズ
国際的には繁殖販売大手だが日本では輸入販売のみ。空港から直送であり、日本には生産拠点なし。

販売に必ずしも繁殖は伴わない。

(3)実験動物生産会社が動物実験の実施業務(試験受託)の分野に進出し、業態を変化させてきている。実験動物の販売がメインではない企業が実験動物を販売することもある。
また、実験用の家畜(家畜ブタ、ヤギ等)は農家から購入している。
 井上商店
ヤギの生産農家だが動物実験用にも販売していることを公表している。

実験動物の販売を行っていても、それを「専門」に行っているとは
言い難い企業や農家が存在する。

(4)実験動物専門の輸送業者など、周辺業務で実験動物を扱う業者もいる。
 葛生運送
実験動物専門の輸送会社。学会でのレクチャーで、日本では動物取扱業の登録の対象でもなく、事業の適正性を証明する方法がないことを嘆いていた。

繁殖・販売業のみとすることは不十分。
取扱い全体をカバーするべきです。

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